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カテゴリ:読書
2015年2月8日★★★☆☆ 絵本『ワシのゴルゴ ニルスが出会った物語5』 セルマ・ラーゲルレーヴ 絵:平澤朋子 福音館書店 『Gorgo Nils Meets with Stories5』 Selma Lagerlof 児童文学の名作『ニルスのふしぎな旅』の中のお話の1つ。全6巻。今回は、ワシのゴルゴとニルスの二人旅が始まる前の出来事なので、何とニルスは出てきません。 というより、昔、アニメの『ニルスのふしぎな旅』を見ていたのですが、そのような二人旅が存在していたのかとびっくりしています。 原作を読まずに絵本を先に読んでしまいました。確か、アッカ隊長に育てられたイヌワシのゴルゴは、弱虫で狩りができなかったような。調べると、アニメではゴルゴは動物園にいたとのくだりが。 原作では、スウェーデンの首都ストックホルムの沖で、ニルスがガチョウのモルテンの背中から落ちて群れから逸れ、そこからラップランドまでゴルゴと旅を続けるらしい。ガチョウのモルテンと共に旅をするより、ひょっとして長いのでは?と思ってしまいました。ガンの天敵であるイヌワシのヒナをアッカ隊長が、魚を与えながら育てます。大きく、羽も生え揃い飛べるようになってからは、周りを飛ぶ別のグループの渡り鳥から「ワシだ、ワシだ」と恐れられて、「自分は何者なのか」思い悩み、怒りに駆られて鶏と喧嘩していしまいます。そこでようやく自分は、中身はどうであれ、鋭いクチバシと爪を持ち、鳥や小動物を食べる猛禽類だと気づきます。アッカ隊長はそんな彼を厳しく突き放します。ゴルゴにとって辛いことでも、やはりそれは巣立ちの時期だったのでしょう。子供の巣立ちは、鳥にとっても人間にとっても必要だとわかっているけれど、寂しく難しいことです。同時に誇らしいことでもあるはずなのです。親はそれを信じて、子供を育てるのでしょうね。 挿絵は、のびのびとした素直な色彩で素敵です。スウェーデンの短い夏のきらめく自然が、とても暖かい色使いで描かれています。 スウェーデン初の女性ノーベル文学賞作家。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2015.02.11 10:24:42
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