|
カテゴリ:神社仏閣巡り
「源空寺」を出て、再び賑やかな大手筋商店街に戻る。西に少し進むと、うっかり通り過ぎそうなビルの谷間の一歩奥に入った所に、「本教寺(ほんきょうじ)」がある。余所者だと気がつかないような、このお寺の一角で、しっかり地元に根付いている証拠に、何と文化教室をされているようで、手前に教室の案内掲示板が設置してあった。公文や戸塚刺繍など、子供から大人まで楽しめるラインナップだった。小さい頃から、伝統のある建物に接する機会があるのは羨ましいことだ。 なかなか、良い面構え。 入ってすぐ右手にある「妙見宮」。洛陽十二支妙見巡の「午(南)」の寺。北辰妙見尊が祀られている。「伏見大手筋の妙見さん」と親しまれているようだ。いや~、初めて聞きました、妙見さん。妙見菩薩は、北極星、北斗七星を神格化し、宇宙万物の運気を司り支配する菩薩のことらしい。密教風だね。 「本堂」。近衛関白家の堀川御殿を移したもので、さすが装飾が豪奢だ。 「本堂」の扁額。 「鐘楼」。 「鐘楼」の屋根瓦に山号の「福昌山(ふくしょうざん)」。 よく見ると、「梵鐘」に穴が4つ空いてる。きっとこの鐘は「帰還梵鐘」と呼ばれるもの。第二次世界大戦の最中、銃弾や大砲の弾などに必要な金属資源が不足し、困った日本政府は国民からあらゆる金属を回収したのだ。そして、殺生を禁じる寺院にもこの命令が課せらる。「お国のため」と提出されたこれらのものは、軍事工場で成分を検査された。この丸く穿たれた跡はその時のものである。宗教心の欠片もない無慈悲な傷跡。まるで、貴重な本に付く紙魚のようだ。……人を殺す道具になる前に、戦争が終わって本当によかった。そして、本来あるべき所に戻ってこられて、……本当によかった。
「鐘楼」の横に、見~つけた!!区民誇りの木・クスノキ。樹高13.5m。今の時間帯は、文化教室もお休みらしく、ひっそりとしている。まるで、内緒話をしているようなクスノキの葉擦れの微かな音しか聞こえない。商店街から50mと離れていない場所にあるのが信じられない静かな空間。寺院というのは本当に不思議な時間を過ごせる所であると感じます。 さあ、ではもう一つ、この商店街の通りにある寺院に乗り込みましょう。
お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2015.06.14 18:22:59
コメント(0) | コメントを書く
[神社仏閣巡り] カテゴリの最新記事
|