|
カテゴリ:美術館・博物館めぐり
所用で秋田県にやって来ました。東北地方に来るのは初めてです。秋田は「ナマハゲ」と「きりたんぽ」しか知らないので、とても楽しみです。といっても半日ほどしか観光が出来ないのですが。
まず、「秋田市立赤れんが郷土館(akitasiritu-akarenga-kyodo-kan)」(重要文化財)に。あ、ここだここだ。一際目立つ、その名の通りの赤れんがの建物発見!! 明治45年建築の旧・秋田銀行本店を利用した郷土館だ。地盤が軟弱で基礎工事を念入りに行ったため、その後の何度もあった地震にもビクともしなかったそうだ。 確かにどっしりしてる。ツートンカラーの大変オシャレな建物だ。 角にあるこの塔のような構造物。こういう遊び心が楽しい。 入口です、イイ感じ!! 入ってすぐに目隠しのように木の壁があり、右側に進むとチケット売り場で共通券を購入した。ここの他に「ねぶり流し館」と「旧金子家住宅」が拝観できるらしい。 旧営業室を見渡すと、一列にカウンターが並んでいていかにも元「銀行」。今はシーンとしているが、きっと当時はそろばんを弾く音や、お札を手で数える音、ペンを走らせる音などが忙しく響いていたことだろう。 吹き抜けの天井にぶら下がっている照明が何とも優しい雰囲気を醸し出している。 わ~!!暖炉が大理石! 奥の頭取室に向かう扉の上にあるレリーフ。モチーフが可愛い花かごなのに、左右対称で重厚です。 旧頭取室。落ち着いた暖色系でまとめてありますね。ランプもスズランのようで可愛い。 こちらの部屋にも大きな鏡付きの暖炉。 この奥に旧金庫室がある。分厚い鋼鉄の扉が開いていてビデオコーナーになっているが、閉まったらと思うと怖くて入れなかった。 真っ白な大理石の階段が真っ赤な絨毯を乗せて2階まで伸びる。 では、その感触を踏みしめて豪華な気分で上がってみよう。 廊下に付いているランプも可愛い。 元貴賓室。おぉ、華やかな印象の明るいお部屋。暖炉の石の深緑色も良いわ~、壁紙の朱色に金の模様に合ってる。扉の葉っぱのリース模様も素敵。 吹き抜けなので、下を見下ろせます。あ、赤い円柱のポスト。館内にあるの? 2階には、他に人間国宝「関谷四郎(Sekiya Siro)記念室」がある。秋田生まれの鍛金家だったそうだ。作品の展示と、東京の自宅を再現し、制作時に使用されていた道具類と共に臨場感を出している。 この赤レンガ館のお隣に近代的な建築様式の管理棟が繋がっている。その建物の階段だけど、手すりとかステンドグラス風の照明がいいね。 こちらの3階には、「勝平得之(Katuhira Tokusi)記念館」がある。こちらの方も秋田で生まれ、木版画家。郷土秋田の自然や風俗を作品にしている。 外から見ると、丸い球が宙に浮いているよう。 北に400m、同じ通り沿いにある「秋田市民俗芸能伝承館・ねぶり流し館(akitasi-minzokugeino-densyo-kan)」に行く。ねぶり流しって何だ?窓辺に展示してあるのは、ガイドブックで見たよ、確か竿燈という名前だった…。 「土崎神明社祭(tutizaki-sinmei-sya-sai)」の曳山行事(国指定重要無形民俗文化財)。 土崎神明社の氏子が、町内ごとにそれぞれ組み立てて奉納される山車なんだそうだ。毎年、20台前後の人形を乗せた山車が町を練り歩く。京都の祇園祭のようなものか。 おぉ、これが竿燈(kanto)というものか。大きさが色々あり、それに合わせて提灯の数も違うようだ。描かれている模様も違う。展示されている人形が、手や額、肩や腰にこの棹を乗せて手を離しバランスを取っている。これは難しそうだ。秋田の竿燈も国指定重要無形文化財。 太平山にある三吉神社(miyosi-jinjya)の「梵天祭」に使われる梵天。竹かごに布や錦を飾り付け奉納されるのだそうだ。 3階までの吹き抜けになっていて、この展示ホールで少年が見事な実演をしてくれた。 2階に上がると、秋田での民俗行事や芸能関係の展示がしてあった。 「秋田万歳」(秋田県指定無形民俗文化財)の衣装やその様子。 2階窓から見下ろすと、さっきの少年が、今度は竿燈を額に乗せて頑張っていた。すごいね、大事な担い手だね。 ほう、これだけの提灯の絵柄があるようだ。「ねぶり流し」とは「眠り流し」のことで、祓えのために汚れや悪霊を形代などに託して水に流し提灯を高くかざして歩く行事と、他にも住民が眠っている間に悪霊に取りつかれると信じられていたこともあり、お盆のころ眠気を払い除くために水に流したりしていたことから、そう呼ばれるようになったのだとか。 どうやら提灯の絵柄は、町内や企業などごとに違うようです。 隣接している「旧金子家住宅(kyu-kanekoke-jyutaku)」(秋田市指定有形文化財)に向かいます。 江戸時代後期の質屋・古着屋を営んでいた商家。 室内にある「土蔵」。モダンなイメージ。「丸に三つ柏」の家紋。 内部がかなりオシャレ。今では、作品の展示会や演奏会に用いられるとの事。 土間通りを抜け、店の表に出る。 途中、母屋を見学。2階があるのが分かる。 店先の様子。 注文を受けると、商品が置いてある奥の土蔵までこの土間通りを取りに行くんだ。 表に出てきました。この金子家は、昭和57年まで商いをしていたのだそうだ。 近くにも、りんごもち本舗「高砂堂」(国登録有形文化財)という歴史を感じさせるお店が現役で頑張ってる。 この街灯がカッコイイです。 JR秋田駅前のポストには、竿燈の絵が描かれた提灯がチョコンと首をかしげてます。 (2016年8月中旬現在) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2017.05.04 17:16:41
コメント(0) | コメントを書く
[美術館・博物館めぐり] カテゴリの最新記事
|