|
カテゴリ:神社仏閣巡り
奈良時代最後の官寺「秋篠寺(Akisino-dera)」にやってきました。
バス通りとはとても思えない細い道路の途中に、その寺院はひっそり建っていました。 私はこの「東門」から入ったが、実は表門は南側にある。 さてと。このいかにも古めかしい門を潜る。 すぐ右側にある別院に通じる門は、閉ざされているね。 では、真っ直ぐ突き当りまで進みましょう。 突き当りを曲がった所に、萩に大半を埋もれながら立っている「大元帥尊像 御出影霊泉 不浄之葷禁跡」という石碑があった。 日本でこの寺院や「東寺(To-ji)」に伝わっている「大元帥明王(Taigenmyoo)立像」(重要文化財)がある。この像は、密教の1つ「大元帥御修法(Taigen-no-misiho)」の本尊なのだそうだ。 言い伝えによると…。 常暁律師がこの井戸の水面に荒々しい忿怒の顔をした仏の顔を見て驚いた。その後、唐に渡り「大元帥御修法」を学んだ折に、その水面に映った仏の顔が「大元帥明王」だったことに気付いたという。 その井戸がこの奥。「香水閣」だ。今日は門扉が閉まっているが、毎年6月6日の「大元堂」開扉される時に合わせて、この霊水が飲めるとのこと。 「清淨香水」「味如甘露」との文字が読める。 「忠魂碑」。 ズラ~っと「十三社」。 「秋篠寺」は、奈良では珍しい「苔の寺」として有名です。このモフモフ感、最高です。 金堂跡の礎石が、辛うじて苔から顔を出している。創建当初は、金堂の他にも東西の塔が建ち並ぶ、双塔式の伽藍配置だった。現在では、誰も立ち入ることが出来ない苔庭にその微かな痕跡を見るばかり。 さあ、拝観料を払って境内に入ります。こちらが例の日本最古・秘仏「大元帥明王立像(重要文化財)」が祀られている「大元堂(Daigen-do)」。怨敵を降伏させることを祈願する「大元帥御修法」は、宮中にのみ修せられ、外では尊像を造ったり祀ったりすることを禁じられた密教。故に像となると非常に数が少ない。 「本堂」(国宝)。第49代・光仁(Konin)天皇の勅願による官寺で、第50代・桓武(Kanmu)天皇に引き継がれ、平安京遷都とほぼ同時期に完成されたようだ。 都が移っても尚、この寺院が隆盛を極めたのも、常暁律師が唐より持ち帰った「大元帥御修法」の密教道場であったからだ。 ただ、兵火によりこの本堂(元講堂)を残しそのほとんどが焼失。現在の姿は、鎌倉時代に改修された物だけど、天平文化になぞらえて造っているように思う。 ご本尊:薬師如来坐像(重要文化財)・脇侍に日光・月光菩薩立像(重要文化財)。 そして忘れてはならないのが、「伎芸天(Gigei-ten)立像」(重要文化財)だ。頭部は乾漆で天平時代、体部は寄木の鎌倉時代だという。日本に唯一、この寺院にしかなく大変貴重なモノだ。「東洋のミューズ」と称えられるこの像は、万物創造の神の頭上から化生した天女なのだそうで、音楽・舞踏・学術・文芸を司る。 また、この天女様が紀子様に似ていると評判になったことでも有名だ。礼宮様がご結婚された時、こちらの寺院の「秋篠」に因んだ理由の1つでもある。 「かみなり石」?何でしょうか。 鐘楼。 一番右が、役の行者(En-no-gyojya)の石仏。この写真ではわかりづらいが、左右に、式神の前鬼・後鬼という夫婦の鬼が彫られている。 そうそう、京都の和泉式部(Izumi-sikibu)所縁の寺院・「誠心院(Seisin-in)」の時に調べました。 「萬霊供養塔」。 植え込みの樹木に隠れて見えにくいが、かなりの大きさの「十三重石塔」がある。 「開山堂」には、開祖・善珠(Zenjyu)僧正の図像が祀られている。 「霊堂」へのこの石の橋が、何だかかわいい。 川田順(Kawata Jyun)の歌碑。 “ 諸々のみ佛の中の 伎芸天何のえにしぞ われを見たまふ ” さて、今度は「南門」を目指します。超~ピンボケ。ごめんなさい。 その途中にある「東塔跡礎石」は、間近に見ることが出来る。この配置、バラバラのようだけど。何か適当に置いたの?? 残念ながら「西塔跡」は、苔の庭の中にあり参道から見ることができない。 会津八一(Aizu Yaiti)の歌碑。 “ 秋篠のみ寺をいでてかへりみる 生駒がたけに日はおちむとす ” 「南門」に到着。おや?門の向こうで、何やら賑やかな声が聞こえる。 とりあえず、正門である「南門」を潜り、日常の空間に出ます。 屋根の裏側が、シブいです!! おぉ!!御神輿ではないですか!!お祭りをしているようです。 すぐ隣の「八所御霊神社(Hassyo-goryo-jinjya)」は、元は「秋篠寺」の鎮守社であったとの事。 地元に根付いた「お祭り」って感じです。 で、お祭りが終わった後、もう一度見に行きました。「割拝殿」には、ん~~「五三桐」の紋が染め抜きしてあるな…何でかな…。 ご祭神:崇道天皇(早良親王)・伊予親王(Iyo-sinno)・藤原夫人(桓武天皇の夫人)・橘逸勢(Tatibana-no-Hayanari)・文屋宮田麿(Hunya-no-Miyatamaro)・藤原広嗣(Hujiwara-no-hirotugu)・吉備大神(六座の御霊の和魂)・大雷神(六座の御霊の荒魂)の八柱。 そういえば、ズラッとまとめられたこのご祭神の面々、以前行った「下御霊神社(Simo-goryo-jinjya)」と同じですね。 狛犬さん達。 割拝殿に飾られている絵馬。 今日は、たまたまお祭りの日。ラッキーでした。 モフモフ3連発( *´艸`) (2016年10月初旬現在) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2017.09.19 23:18:34
コメント(0) | コメントを書く
[神社仏閣巡り] カテゴリの最新記事
|