宇治市銘木100選(JR新田駅)
今年の夏に、JR新田駅の用事があり下車すると、大きな銀杏の樹が緑の葉を茂らせ佇んでいた。静かな小さな駅で乗客も少なく、見上げる人もいなかった。これは、是非機会があれば秋に来たいものだと思っていたら、12月に入っていたがなんとか紅葉に間に合った。辺りはもう薄暗く、露出を上げるもこんなもの。駅のホームから葉が舞い込み、ドキドキしながら改札を出た。やっぱり、見事だった。こんな小さな駅の玄関口に立ち、降りてくる乗客を静謐に見下ろしている。宇治市銘木100選に選ばれているとのこと。少し歩くと、近鉄大久保駅のギラギラする蛍光灯の明かりがくっきりと浮かび上がり、すぐにバスが通る幹線道路がある。この銀杏が立っている場所は同じ駅でも嘘のような静けさの中にある。いつまでも残して大事に見守っていきたい、美しい樹であった。