カテゴリ:映画
以前も少し書いたが私がサッカーに触れたきっかけの一つは『シャンペン・シャワー』という漫画だ。少女まんがとしては当時珍しいサッカーをテーマにしたものだったが、その荒唐無稽さは「授業中に読んではいけない漫画」の筆頭にあげるに足るほどで、大いに笑わせてもらった。
それと同じ臭いを感じさせたこの「少林サッカー」の予告編。期待しないわけがない。 最初は全然乗り気でなかった夫も、私の「絶対行きたい!」攻めと予告を見て、見る気になった模様。やっと見に行って来た。 見終わった感想は、、 「ムトゥ 踊るマハラジャ」以来のインパクト! 「ムトゥ」は笑わそうとしているのか大まじめなのかが分からない、いやきっと大まじめなんだろうというあたりで非常に笑わせてもらったのだが、この「少林サッカー」は監督周星馳が笑わそうと思っているところがまさにツボにはまってしまうのだ。恐るべし。 最初の最初っから引き込まれる映画にはそう出会えない。 私にとってこの映画はまさにそんな映画の一つになった。 とても漫画的な映画だけれど、それは例えばハリウッドの「マスク」や「スポーン」などとは全く趣を異にしている。なんていったらいいのか、もちろん誇張するところはばーんと誇張するが、それよりも漫画的な「リズム」や「間」を大事にしているというか。 おそらく国によって漫画のリズムは違うと思うけれど、(アメリカの漫画は一こまの文字が多くて、一つの絵に長く目が止まるからリズムが失われるという萩尾望都さんの話を読んだことがある)少なくとも私には「絶妙」だった。 あーーー「あそこのあのせりふがツボだったあ」とか言うのをここに書きたいんだがーーーーっ が、がまんだY.K.A.! 本当は超お美人な趙薇(ヴィッキー・チャオ)が演じたムイちゃんと、ムイちゃんと会話するときの主人公(そういや主人公の名前なんだっけな(笑))だけ(覚えている限りでは)が北京語をしゃべっていた。 おそらく大陸から香港に流入してきた「新移民」という設定なのだろう。ご存じの方も多いとは思うが、香港で話されている「広東話(広東語)」と中国の標準語である「普通話(北京語を基にしているので北京語という人もいる。マンダリンとも言う。あぁ「コレリ大尉のマンドリン」も見たかったなぁ関係ないけど。)」はまーーーったく違う。まぁ文法は同じだし、発音が似た文字もたくさんあるけれど、それぞれの言語を聞いたことのない二人が普通に会話したらまずコミュニケーションは取れないだろう。 簡単に言えばそんな広東語と北京語の関係ですが、この映画では主人公が両方の言葉を操り、ムイちゃんは広東語を聞いて理解して北京語でお返事、少林寺の弟子仲間たちはムイちゃんの北京語に広東語で返事している。 現実ではどうか。 最近ならそういう会話も可能だろうなぁ。(大陸から入ってきた人が広東語を学ぶのは当然だし) 返還前後で、若い人でもめっきり北京語のわかる人が増えたらしい。北京語推進の成果でもあるだろう。 香港は学校も英語で授業を行う学校と中国語で授業する学校とがあるけれど、今もそうなんだろうか? まぁそんなことはどうでもいいんだけれど、そういう大陸から仕事を求めて流れてきた人の中にはどうしても低所得の人も多く、そういう設定らしきムイちゃんが穴のあいたスニーカーにアップリケをしてくれたり、きれいなドレスにそっとさわってみたり、というところがまたすっごく可愛く思えてしまうのだ。 と色々語ってきましたが、ま、見てみて下さいな。 少林寺拳法、だけどやっぱり秀逸なサッカー映画です。 最後に一言。ふつーあれがムイちゃんだなんて分からないぞ。よく分かるな、主人公! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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