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フリーペーパー毬 <贈る>

2017.06.15
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カテゴリ:贈与のはなし


金子郁容『ボランティア』(岩波新書1992年刊)から抜粋してご紹介します。
毬のコンセプト「贈与」とも深く関連します。

ボランティアについては「篤志家しかできない」「経済的な還元がなければ続かない」「自己満足だ」「純粋な利他などありえない」といった、否定的な見方は以前からあります。ボランティアという言葉は狭い意味で流通しているので、言葉自体に抵抗を感じる人も多いと思います。
ボランティアにはそういった固定イメージがありますが、実はボランティアということを考えていくと、もう少しおもしろいことを教えてもらえそうです。

*以下< >内が本文です。少し書き換えています。


<私は、ボランティアが行動するのはある種の「報酬」を求めてであるからに違いないと考える。>

<ボランティアにとっての「報酬」は、経済的なものだけとは限らない。その人によっていろいろなバリエーションが可能なものである。その人がそれを自分にとって「価値がある」と思い、しかも、それを自分一人で得たのではなく、誰か他の人の力によって与えられたものだと感じるとき、その「与えられた価値あるもの」がボランティアの「報酬」である。>

<ボランティアは新しい価値を発見し、それを授けてもらう人なのだ。>

<ボランティアの「報酬」についてわかりにくいとしたら、その本質が「閉じて」いてしかも「開いて」いるという、一見相反する二つの力によって構成されているからではないか。
何に価値を見いだすかは、その人が自分で決めるものである。「外にある権威」に従うのではなく、何が自分にとって価値があるかは、自分の「内にある権威」に従って、つまり独自の体験と論理と直感によって決めるものだ。>

<「内なる権威」に基づいていること、自発的に行動すること、何かをしたいからすること、きれいだと思うこと、楽しいからすること、などが「強い」のは、それらの力の源泉が「閉じて」いて、外からの支配を受けないからだ。>

<ボランティアが、相手から助けてもらったと感じたり、相手から何かを学んだり、誰かの役に立っていると感じてうれしく思ったりするとき、かならずや相手との相互関係のなかで価値を見つけている。つまり「開いて」いなければ「報酬」は入ってこない。>

<ボランティアの「報酬」は、それを価値ありと判断するのは自分だという意味で「閉じて」いるが、相手から与えられたものだという意味で「開いて」いる。>

<ボランティアの「報酬」は「見つける」ものであると同時に、「与えられる」ものである。>

そのあとこんな風に続きます。

「外にある権威」だけに基づいて行動することは、わかりやすく、楽である、いつも言い訳が用意されていて、自分独自なものを賭ける必要がなく、傷つくこともない(この部分ではなぜか森友・加計問題で答弁している官僚たちが頭に浮かんできました)。
一方「閉じて」いると排他性や独善性につながる。
どちらにもない新しい価値が、ボランティアという「開く」と「閉じる」が交差するところに生まれる、と著者はいいます。
ふだん外にある権威に従って生きていないか、同時に独善性の強い内面ではないか、ちょっと考えたくなります。

続いて、ボランティアの本質的なものがもつ醍醐味?

<ボランティアが「報酬」を受け取ったとき、とくにうれしいと感じるのは、それが、契約に指定されたとおりに得られたものでも、強制によって得られたものでもなく、思いがけない人から、思いがけない形で与えられるからである。与える方はそれほどもないのに、与えられた方は非常に大きなものであるというギャップがしばしばあるのも楽しい。>

次の部分はボランティアが人から人へと広がる力を持つことがわかりやすく描かれています。

<自分の力だけでことを運んで行く必要はない。意外な展開が巻き起こるときは、あなたがすることは「ふさわしい場所」を空けておくことだけで、後は他の人が、次から次へと自分から登場してきて力を流し込んでくれる。そうするうちに「つながりのネットワーク・プロセス」は、あなたを思ってもみないほど遠くに連れていってくれるだろう。>








最終更新日  2017.06.15 03:55:52

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