カテゴリ:実技・相続
3級FP技能士 合格講座 中野克彦 中島智美 藤崎仁
《問14》 公正証書遺言に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。 1) 公正証書遺言は、遺言者が書いた遺言書を公証人が公正証書遺言として認 めることにより作成される。 2) 公正証書遺言の内容は、公証人以外の人に知られることはない。 3) 公正証書遺言は、家庭裁判所による検認の手続きが不要である。 解説者:藤崎 仁 (税理士、CFP(R)、1級FP技能士) 《問14》正解:3 【公正証書遺言】 答えは「3」です。 1) × 公正証書遺言は、本人が口述し、公証人がこれを筆記したあとにその内容を 本人及び証人に読み聞かせることにより作成します。 したがって「遺言者が書いた遺言書を」の部分が誤りです。 2) × 公正証書遺言を作成する際には本人と公証人のほか最低2名の証人が必要で す。また、上記1)にも書きましたが、内容は本人と証人に読み聞かせるため 証人には遺言の内容を知られてしまいます。 3) ○ 記述の通りです。なお、自筆証書遺言は家庭裁判所による検認が必要です。 遺言を残すことは、被相続人の意思を相続人に伝える有効な手段となります。 ただし、ただ書けばよいというものではなく、一定のルールに従っていないといざというときに無効になってしまう場合があります。 遺言の形式にはいくつか種類がありますが、自筆証書遺言とこの問題で出題されている公正証書遺言についてはしっかりその違いをおさえてください。 ≪自筆証書遺言と公正証書遺言の違い≫ ┌─────┬──────────────┬──────────────┐ │ │ 自筆証書遺言 │ 公正証書遺言 │ ├─────┼──────────────┼──────────────┤ │ │本人が遺言の全文、日付、氏名│本人が口述し、公証人が筆記し│ │作成方法 │等を自筆して押印する │その内容を本人と証人に読み聞│ │ │ │かせる │ ├─────┼──────────────┼──────────────┤ │証 人 │不要 │2人以上必要 │ ├─────┼──────────────┼──────────────┤ │署名捺印 │本人 │本人、公証人、証人 │ ├─────┼──────────────┼──────────────┤ │家庭裁判所│必要 │不要 │ │の検認 │ │ │ ├─────┼──────────────┼──────────────┤ │メリット │作成が容易で費用もかからない│紛失や偽造などの心配はない │ │ │内容を秘密にできる │ │ ├─────┼──────────────┼──────────────┤ │ │紛失や偽造される恐れがある │手続きが面倒 │ │デメリット│内容不備のため無効になる恐れ│費用がかかる │ │ │がある │内容を秘密にできない │ └─────┴──────────────┴──────────────┘ ────── COPYRIGHT (C) 2007 Hitoshi Fujisaki All Rights Reserved. ────── お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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2007.08.28 23:45:10
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