2006/05/12(金)17:53
大統領の理髪師
イム・チャンサン監督『大統領の理髪師』2004/韓国
をWOWOWで観た。
私が今まで見た韓国映画の中でいちばんよかったと思う。
(韓国ドラマや映画を数本、観ているだけなのだが)
監督は1969年生まれというから、まだ30代。
韓国の現代史をコミカルに風刺し、韓国と日本人の関係を根源的に捉えていることもうかがわせる。
「龍の呪いが蛇になってその子の足に取り付いている。龍が葬られるとき、菊の御輿にのせられる。その目を削りその菊の花と混ぜて煎じて飲ませば、子の足は治るであろう。」(セリフはこの通りではない。こんな内容だった。)
と、拷問で歩けなくなった子を診て、医師が告げるのだ。
龍顔というのは大統領の顔のこと。
間違っているかもしれないが、私は龍の目と菊に寓意を感じた。
恐怖政治、南北問題、革命、ベトナム出兵などが、市井に住む普通の人の生活の身体感覚でユーモアを交えて描かれていることに、私はシーンとなってしまったのだ。
それはこの映画への敬意の心だった。