ふらっと日記

2007/05/05(土)01:39

バベル

映画(112)

ぜひ見たかった『バベル』、行ってきました。 見終わった後、しばらくは一言も映画についてしゃべることが出来ませんでした。 アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ監督 BABEL モロッコ・アメリカ・メキシコ・日本を一丁のライフルが結ぶ。 何故? と問いかけたい場面はやはり日本編に多い。 一々にその答えを知りたくなるが、その意味することへの想像力は、観客にとってのバベルの塔みたいなものかも知れない。 極限状態から浮かび上がる家族の情愛。 それを取り巻く群衆の瞳への怖れ、支配する白人社会と異なる文化の衝突、警察の力。 日本の刑事は特別な描き方で意外性がある。 チエコとのシーンは重く深い。 東京は未来都市のようだ。 チエコの苛立ちと孤独。 崩壊した家族。むき出しのチエコに対する父の愛。 ケイト・ブランシェットの放尿シーンはほっと心を打つ。 苦痛のケイトに煙草を吸わせるモロッコの老女。 ガイドのモロッコ男性は、ブラット・ピットから謝礼を受け取らない。 メキシコの怒りと哀しみ。 アメリアの叫び。 アメリカ支配への痛烈な批判。 本当の主役は「子供たち」だったかも知れないと、思う。 この子たちが明日の世界を生きていくのだから。

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