2008/09/29(月)15:24
実録・連合赤軍
下高井戸シネマで観てきた。
40年以上前になる学生時代、玉電沿線に下宿していたので下高井戸界隈は懐かしい。
学生時代も含めて、政治的な運動には全く関わることなく今に至っている。
学生運動や全共闘組織について、詳しいことは何も知らなかった。
それで映画を見る前に
「ゲバルト時代」
Since1967~1973 あるヘタレ過激派活動家の青春
中野正夫著 バジリコ株式会社
を読んで予習しておいた。
『実録・連合赤軍 あさま山荘への道程』
制作・監督 若松孝二
雨にもかかわらず会場は満席、補助椅子も並ぶ盛会。
映画の上映後、若松孝二監督、地曳豪(森恒夫役)、並木愛枝(永田洋子役)、大西信満(坂東國男役)の方々の舞台挨拶があり、特に若い役者の方々の誠実なお話に心引かれた。
会場からの質問も、
「何故、実録と銘打ったのか?」
「この時代を直接知らない若い役者の方々が、どのように理解し演じられたのか?」
「組合活動の経験があるが、このようなリンチ事件がなぜ起こるか、ある種思考停止のような状態に陥るのか?」
など一様に、同時代に遭遇した事件として自分に引き寄せて考えている様子が伺えた。
質問者と監督のやりとりにちぐはぐな面もあったが、監督の情熱がその生き様が半端なものでないことは、映画からも伝わり胸が熱くなった。
連合赤軍によるリンチ殺人事件は、心底心を暗くさせるできごとだった。
その背景をうかびあがらせて、このような映画で蘇らせた熱意にうなだれてしまう。
政治的主義主張や表現方法は人それぞれだか、人を動かすことができるのは、執念とパッションの力なのかも知れない。
あさま山荘事件のとき、人質をとって閉じこもった犯人=戦士?の親達が呼び出されてマイクで説得する場面があった。当時何故親を出さねばならないのだろう?と反感を覚えたのだが、映画で再現されると泣いてしまった。
私も年老いたな。
同時代を生きたものとして、「痛い映画」だった。
写真は舞台挨拶に立たれた方たちに頂いたサインと、台本も掲載されている中味の濃い一冊です。