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楽天フリーバードの辛口音楽談義

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2005.01.27
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カテゴリ:音楽職人列伝
ギタリストにとって、カッコイイ「速弾き」ソロは最大の魅せ場である。

ギター(特にエレクトリック)の場合、楽器の構造上、「速弾き≠直接弦を速く弾いてている」という不等号式が成立しうる。

これは経験のない方には理解しにくい、と思う。

例えば、オルガンの早弾きの場合、物理的に指で鍵盤を押さえなくては「音が出ない」ので、音楽理論的に間違っていようがナンであろうが、彼は事実上「速く弾いている」ワケだ。
金管・木管系・打楽器系の楽器もそうだ。

しかし、ギターの場合、弦を直接振るわせなくても、音程を調整するための「左手の指」を工夫することで音がでる。

人差し指で、ある音程が出る位置(フレットなんて言う)を押さえ、弦をボヨーンと弾く。
次の瞬間、中指で全音上のフレットをエイっと押さえる。
聴いてる人間には「2つの音が連続的に鳴ったように」聴こえる。
(これを必殺、ハンマリング・オンという)

また逆に中指で全音上のフレットを押さえて、弦をボヨーンと弾き、次の瞬間中指で弦を引っかくと、人差し指が押さえている音が鳴る。
聴いてる人間には「2つの音が連続的に鳴ったように」聴こえる。
(これを秘技、プリング・オフと呼ぶ)

さらに人差し指で、ある音程が出る位置を押さえ、弦をボヨーンと弾き、人差し指を全音上のフレットに瞬間移動させる。
聴いてる人間には「2つの音が連続的に鳴ったように」聴こえる。
(これを奥義、スラーと呼ぶ)

聡明な皆さんなら、もうお気づきのことと思う。

上記の3大ワザを「音が鳴ってる限り」繰り返せば、弦を物理的に弾かなくても論理的に音がたくさん鳴る。
エレクトリックギターは弦の振動をピックアップで拾い、電気増幅するため、「音が鳴ってる時間」を長く出来る傾向がある。

ギターの「速弾き」は、こういう技術の組み合わせの上に成り立っている。


高校1年生の頃、 ドグ・ワトソンが弾く”♪ブラック・マウンテン・ラグ”をはじめてラジオで聴いたとき、ぶったまげた。

速さ・正確さが尋常ではなかった。
奏でるフレーズが「音階の練習みたいな」ものではなく、ゆっくり弾くのも大変なラインであることは、修行不足のニキビ坊主にも明白だった。
高年式の国産乗用車で必死で環状高速を走っている時、アストン・マーチンにバーンと追い越されたような気分がした。

ドグが弾いているのはエレキギターではなく、アコースティックギターだった(今思えば、シロートが扱いにくいゲージの太い弦だったんだろうね)。

後にドグ・ワトソンがブルーグラスギター界の重鎮であり、今なお受け継がれている”フラットピッキング奏法(表現が悪いが、とにかくピックで弦を弾いて音を出す)”の第一人者であることを知ることとなるのだが、ロックが好きで一日中音楽のことばかり考えていたニキビ坊主時代のハナシである。


こりゃスゴイは、と思ったわたしは悪友に伝えてやることにした。

日頃「ロック界の3大ギタリストはダレ」じゃの「それにクラプトンとダレかを加えて5大ギタリストになる」じゃの「ダレの速弾きが一番速い」じゃの、今考えれば他愛もないハナシ(ロッキンfさん、お世話になりました・・・)を神妙な顔をしてアツく語り合っていた、まさに修行不足の悲しさ。

  「あいつリッチー・ブラックモァより速いで、ゼッタイ」

そう表現するしか術がなかった。


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Last updated  2005.02.25 20:13:57
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