2007/04/29(日)05:47
機材の運搬
語弊があるかもしれないが、ギタリスト・ベーシスト・ボーカルさんがうらやましくなる。
機材の運搬に関してだが・・・。
→ドラマー、パーカッショニストはこだわりだすと大変なので同類相憐れ
む、といった風情を感じる。
鍵盤楽器は重い、デカイ、セッティング大変の三重苦を背負った楽器だ。
「まぁ、備え付けの楽器使こたらエエですやんか」
と進言くださるムキもいらっしゃるが、時と場合による。
確かに合理的な考えだ。
残念ながら、鍵盤楽器は標準化されているようで、音の出方、鍵盤の質感等が、各社・各機材バラバラの仕様で、驚かされることが多い。
サスティンペダル(音をのばーす)がなかったり、肝心な部分の音が出なかったり、そもそも音が出なかったり・・・、結構現場で慌てふためく経験を
する。
で、自分が日ごろ使い慣れている機材を持ち込む、というスタイルが日常となる。
我が愛するヤマハS90君は単品で30数キログラムの巨漢。
さすがに大阪市内が「バス・地下鉄の日」であっても、公共交通機関を使用した運搬は、事実上不可能だ。
大概、車で運ぶことになる。
スタジオやライブ会場の音質を気にする前に
・駐車スペースはあるか?
・上げ下ろしのスペースはあるか?
・エレベーターはあるか?
などと、ア○ト引越しセンターの営業マンのようなチェックを怠らない。
我が愛車はBANではなく、5ドアハッチバックといういささか中途半端な代物なので、入れるのも出すのも結構大変だ。
まさに腰痛との戦い、と言える作業がモチベーションを下げる。
こんなハナシを思い出した。
その昔、ジャズオルガンの鬼才ジミー・スミスも巨大な”ハモンドオルガン+レスリスピーカーセット”の運搬に頭を悩ませていたらしい。
アレはアレで100キログラムを超える超えないのチョー巨漢なので、さぞ大変だったろう。
当時はミニバンもないし、専用の車を買うとしてもトラックということになり、金もないし、さて・・・、と困っていた彼に知人がある車を格安で、と持ちかけてきた。
払い下げの霊柩車だったそうだ。
縁起でもない、と躊躇したものの、背に腹は変えられず購入したら、「最高にフィットしたんだ」とジミーは述懐する。
ハモンドオルガンはバラすと棺おけのような長方形のハコに収めるらしく、
まさにぴったり。
彼らは、わざとダークスーツに黒ネクタイ、という”葬儀屋スタイル”でツアーする。
多少のスピード違反、一方通行逆行、駐車禁止などはお目こぼし。
時折、パトカーが先導までしてくれる。
いいことづくめだったらしい。
霊柩車を買うわけにいかんので、腰でも鍛えようか・・・。