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カテゴリ:ニュース

NHKの疑惑報道 「空援隊」の倉田理事に聞く 

産経新聞 10月7日(木)11時24分配信

NHKの疑惑報道 「空援隊」の倉田理事に聞く 
拡大写真
フィリピンで収集した遺骨を調べる倉田宇山氏(右)(写真:産経新聞)
 ■混入の恐れより遺骨の帰還が大事

 国の委託を受け、フィリピンで遺骨収集を行うNPO法人「空援隊(くうえんたい)」(本部・東京都中央区、理事長・小西理(おさむ)元衆院議員)の活動について、NHKは今月初め、「(収集した遺骨に)フィリピン人の遺骨が含まれている疑いがある」と報じ、その背景に遺骨盗難や証明書作成に絡む「疑惑がある」と伝えた。それは真実なのか? 「空援隊」の倉田宇山(うさん)理事・事務局長に聞いた。(喜多由浩)

 ◆盗難事件は関係ない

 --番組では、「現地でフィリピン人の遺骨の盗難事件が相次ぎ、それが『空援隊』側に渡っているのではないか」という疑惑が提起されていた

 「現地人スタッフも含めて『空援隊』が遺骨の盗難にかかわったり、お金で買ったりしたことはない。(盗難があったとされる村で)われわれは一体たりとも収集をしてないのだから、かかわりようがない。(番組では)私の真意の部分を切られていたり、データの数字にも誤りがあったりした」

 --だが実際に「お金のために遺骨を盗んだ」という証言も出ている。(『空援隊』スタッフではなく)末端で収集を行う住民が(日本兵のものと)うそをついていたり、盗難にかかわったりした可能性はないのか

 「そうならないために、偽証をすれば逮捕される罰則がある『宣誓供述書』を収集した住民から取り、さらに『空援隊』のスタッフが2重、3重のチェックをしている。ただ、現実問題として末端までわれわれがコントロールすることはできない。もし、そんなことが起きているとすれば告訴するしかない」

 --遺骨を鑑定するフィリピン国立博物館のスタッフが「日本人の骨だと言ったことはない」とか「専門外だ」と伝えられた

 「彼の仕事は最初から『鑑定』ではなく『カウント』だ。遺骨を見ただけで国籍が分かるはずがないのは当然で、『古さ』や『大きさ』を見ているのだ。また、『専門外だ』と言うが、彼は昭和46年から、すべての日本の遺骨収集派遣団に参加しており、国立博物館には彼以上に詳しい人間はいない」

 ◆ワキの甘さあった

 --番組ではフィリピン人の遺骨が混じることについて、(倉田氏が)「確信犯です」と発言したように取れる部分があったが

 「そうではない。報道されて騒ぎが大きくなり、ひいては遺骨収集に対する国民の関心が高まることについて『確信犯だ』と言ったのだ。ただ、結果として『まったくフィリピン人の骨が混じっていないのか?』と問われれば否定はできない。現状で完璧を求めるのは無理だ。むしろ、それを恐れて大多数の日本兵の遺骨が帰らなくてもいいのか?と問いかけたい」

 --戦後65年たった現状で、「完璧」があり得ないのは分からないでもないが、まず確認作業の精度をギリギリまで高めるべきだ。急激に事業を拡大して、その「詰め」が甘くなったのではないか

 「一気にこれだけ戦線を拡大したのだから、ワキの甘い部分があったかもしれない。『緩み』が出て来る時期でもあり、われわれとしても反省すべき点は反省し、締めるべき点は締め直したい」

 --「本来は国がやるべき事業」と話していたが

 「もちろんそうだ。われわれは収集数にこだわっているわけでもないし、ノルマが課されているわけでもない。もちろん自分の利益のためにやっているわけでもない。今回の報道は残念だが、国民が関心を持つきっかけになるとすれば、それはそれで意味のあることだ」

 ■近く比へ担当者派遣

 遺骨収集事業を担当する厚生労働省外事室の話「(NHKの番組では)疑惑があるように報じられた。まだ具体的な日程は決まっていないが、近々、担当者をフィリピンへ派遣して調査を行う方針だ。ただ、(厚労省職員も参加する)政府の派遣団で『空援隊』が行ってきた活動の中では、報じられたような疑惑があったとは承知していない。『空援隊』への業務委託の見直しや改善命令の可能性についても、調査の結果次第になるだろう。今月末から(『空援隊』も参加して)行う派遣事業は今のところ予定通りの方針だ」

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最終更新:10月7日(木)11時24分

産経新聞

 





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最終更新日  2010年10月08日 17時02分02秒
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