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しろこ

しろこ

第17回 ついにホストファミリー宅

駅でホストファミリーの人を待っている間、駅を行き交う人を観察した。私はマンウォッチングが好きである。ロンドンの駅と比べると東洋人がほとんどいない。「こんなところにも日本人はいるんだろうか」と考えていた。駅構内で東洋人はとりあえず私だけ。どんな人が迎えに来るかわからないが、向こうはどう見ても私だと気付くだろう。

すると1人の若い女性がちょっとふきだしながらこっちへ向かってくる。まださっきの「ヘルプミー」の余韻が残っているのだろうか。彼女は私に向かって言った。「しろこさんよね」私は「ナイストゥミートユー。マイネームイズしろこ」(それしか言えない)と言ったがそれ以上続かなかった。

彼女は「ケイティー」といって最初にお世話になるホストファミリーの娘さんだった。彼女と車に乗り込む。「今日はいい天気ね」と彼女が言う。「はい、そうですね。いい天気ですね」ケイティー「・・・」何とも気まずい雰囲気だ。早く家に着かないかなー。

車は街中を抜けて住宅街へ。「いやー1つの家がどれもでかいわ!」しかしよく見ると「あれ?玄関が2つある家があるぞ。」そう、日本では見かけることのないこのタイプの家をイギリスでは「セミ、ディタッチハウス」と呼んでいる。簡単に言うと「一戸建てに近い家」とでも言えばいいだろうか。2つの家がくっついているのである。しかも、片方だけでも日本の平均的な一戸建てよりもでかい。「土地が安いんだろうなー」なんてことを考えていた。相変わらず、ケイティーは私に何を話しかけてよいのかわからず、困惑した様子。

車が家に到着。「でかい家だ!しかも近所の家もでか!」「こんなの日本で建てたらいくらかかるんだろう」と思いながらケイティーの後をついて玄関へ。「しろこさんきたよー」とケイティーが叫びながら中に入る。


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