今頃、バブル崩壊前夜
今勤めている会社は開業して数年になるが、日米大企業のコラボレーションとしてベンチャーで事業を開始した。折からのブームに乗って急成長・急拡大を遂げ、業界2位の地位を確立したまでは良かったが、昨秋のリーマンショックで業界環境は一変し、厳冬の時代に突入した。と、ここまでは、良くある話。その後、外資系の撤退、日本社の事業縮小により、業界No.1のポジションを不動にした、かと思いきや、そんなに当社だけが上手く行くはずはなく、ワンテンポ遅れて、リストラ・事業の効率化を余儀なくされる所まで来ている。しかし、日本の会社のゆるやかさか、どうも緊張感と締まりがない。米国の親会社は、業を煮やして役員の首をすげ替え、強攻策に乗り出しつつあるが、今ひとつ進展しないのに苛立っている様子。最近、日本の親会社の方も「これではいかん」と、やっと人員整理らしきものに手を着け始めようとしているが、社員は今もってバブリーな習慣から足を洗えずにいる。「茹で蛙」と言う言葉がある。蛙は、水温の変化には鈍感だそうで、蛙を入れた鍋を火にくべると、段々熱くなってくる水にも、「んー?温かいかな?でも、まだ大丈夫」と水から出ることをしないそうな。そうしているうちに水がどんどん熱くなり、やがてお湯になってきても「まだ大丈夫」とじっとしていて、「熱い!」と思った頃には、すでに茹で上がってしまっている、そんな状態を人間に例えて、状況が悪化してきても「まだ大丈夫」と高をくくって、気づいたときはすでに手が着けられない状態になっていることを言う。今、まさにこの茹で蛙状態なのだが、果たして、何人気づいているのだろうか。