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MUSIC LAND -私の庭の花たち-

「地獄への道連れ」1

悪魔と天使

会社の昼休み中、いつものように

お弁当を食べながらネットサーフィンをしていた。

「血塗られた部屋」というサイトに迷い込み、

「こんなの、単なるこけおどしだよ」と思いながらも、

軽い気持ちで、「地獄への入り口」をクリックしてしまった。

途端に四方の壁が真っ赤な色で塗られた部屋に居た。

「ここはパソコンの中?」

夢でも見ているかのような非現実的な気分。

とても「血塗られた部屋」なんて信じられない。

よく見ると一方は半透明でマジックミラーのようになっている。

割と冷静な自分にも驚きだ。

娘とホラー映画を見ていても入り込めないけど、

作り物だと分かっているから。

今回もそんな気がしてならない。

マジックミラーの前には一人の女性が覗き込んでる。

会社の誰かだろう。

部屋には私一人しか居ないところをみると、

クリックして閉じ込められたものは、

次にクリックした人と入れ替わるのか。

そう思ってる私の心を読んでるかのように

どこからか声がする。

「元の世界に戻れても、誰にも何も言わないと誓えば戻してやろう。

断れば地獄に行くし、戻っても言えば地獄に落ちるのだ。

言わなくても、良心の呵責に遭うだろうがね。」

要するに「言うも地獄、言わぬも地獄」というわけか。

私は人より自分が可愛いし、3人の子供も居る。

地獄に落ちるわけにはいかないのだ。

早くしなければ、クリックする人と入れ替われない。

覗いてる人を見て、躊躇したが仕方がない。

彼女も同じことをするだろう。

「言わない」と答えた途端、私はパソコンの前に座っていた。

まるで何事もなかったかのように。

その代わり、彼女が血塗られた部屋に居るのだろう。

そのうち戻ってくると思っていたが、一向に戻ってこない。

まだクリックする人がいないのか。

彼女は昼休み中に帰宅したのかと思われていた。

私は後ろめたい気持ちを抱きつつ、家に戻った。

主人に言ってしまおうかとも思ったが、

私だけでなく、主人までもが地獄に行ったら、

3人の子供は誰が面倒見るのか。

たとえ上の2人は私の連れ子で、

あまり愛情が無いとはいえ、

万が一のことがあれば育ててくれるだろう。

義母は2人を私の両親に返すようなことを以前言ってたが。

まあ、そんなことをいまさら言っても仕方ない。

眠れぬ夜が明け、会社に行ってみると、

彼女が行方不明だと大騒ぎになっていた。

家にも帰らず、連絡も無い。

正義感の強い彼女は言わないと誓えなかったのか。

そういう人が地獄に落ちるのも矛盾を感じるが。

続き




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