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再度復活。新25kg減量中 後半戦

再度復活。新25kg減量中 後半戦

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2006.07.18
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テーマ:ニュース(100160)
 パロマの湯沸かし器による一酸化炭素中毒事件について書きたいと思います。

 私は第一報を聞いたときとは異なり,
今では湯沸かし器のメーカー側に非があると思いますので,
早く謝罪して,今後の対応に注力した方が良いと思います。

 メーカーが非を公には認めていない根拠に使われていることに,
安全装置が違法改造されていたことが挙げられています。

 しかし,設置されていた場所が飲食店などならまだしも
(これについては後述)
一般の住居に設置されていたものが
不完全燃焼を起こしてしまうというのは
どこから考えても問題外です。
これは無条件にメーカーが責任を負うべきものだと思います。

 ここまで断言するのは,
私は以前,某メーカーの給湯器,温水暖房便座,ジャグジーバスなどの
修理をするサービスマンの職に4年ほど就いておりまして,
そのときの経験をふまえてのことです。

 まず,お客様からの修理依頼は受付センターが受けます。
ほとんどの場合はそこから,あらかじめ契約しているサービス店
に処理を依頼し,そのサービス店のサービスマンが実際の修理作業を行います。

 ほとんどの修理依頼はそこで終了しますが,まれに起こる,
・不具合の原因の特定がむずかしい
・お客様が猛烈にご立腹でどうにもならない
ような特殊な場合には,メーカー子会社のメンテナンス会社が動くことになります。

 私は,そこにいて様々な処理に当たることになったのです。


 さて,ここで給湯器(湯沸かし器ともいう)の作動原理を見てみましょう。

 といっても実はとっても単純な仕組みです。
こちらのリンク先の「ガス給湯器」の図を参考にします。

 まず,蛇口をひねると水が流れます。
すると給湯器内の水の通り道に,その流れを感知するセンサーがあり,
水が流れたことを示す信号が機器内のコンピュータに送られます。

 それを検知すると,バーナーに空気を送り込むファンを作動させます。
このファンにも回転していることを検知するセンサーがあり,
実際にファンが回転すると,そのことをコンピュータに知らせます。

 ここで初めて自動的にバーナーに着火されるのです。

 ところで,今回のケースでは湯沸かし器が作動して
一酸化炭素が発生したことが事故の原因です。

 一酸化炭素が発生するということは,
燃焼時に酸素が不足するからです。

 なぜ酸素が不足するかといえば,
実際にはファンが回転していないのに,
回転していることにしてバーナーに着火されてしまうからです。

 そう,ファンの回転センサーに故障(入りっぱなし状態)が発生したか,
もしくは
不正改造(内部導線の短絡)が行われたからなのです。

 こうなると,

・ファンは止まっているから,
 燃焼用の空気は必要量に満たない量しかはいってこない

 しかし,

・バーナー側では,回転センサーがONになっているから,
 必要量の空気が入ってくることを前提に燃焼が行われる

ということになり,結果として酸素不足による不完全燃焼が起こるのです。


 では,次に問題になるのは,

「なぜ,そんな改造が行われることがあるのか」

ということです。改造の動機が謎ですよね。

 「そんな危険だとわかっているならしなけりゃいいじゃん」

と思うのが当然です。私もそう思います。


 では,その件については明日に続きます。


P.S. 飲食店などでの特殊な事例ですが,
 こんな場合もあります。

 雑居ビルの地下一階にある飲食店に設置されていた給湯器。

 お湯が出ないということで修理依頼があり,
出向いてみた現場です。

 この現場も例外ではありませんでしたが,
飲食店など,仕事に利用されている場合は,
即日修理完了を求められ,どんなに待っていただいても
翌日までです。

 まず,給湯器のスイッチを入れ,
コンセントから電源プラグが抜けていないかを調べます。
(OKでした。)

 次にガスの元栓が閉じていないかどうかを確認,
これもOKです。
(意外にこの段階で解決してしまうこともあります。
お客さーん,電話する前に元栓くらい確認してよー。)

 そして,お湯側の蛇口をあけて給湯器からの音を聞くと,
着火動作はしているものの,確かに燃焼ランプはつきません。

 それにしてはガスくさくないな~

 ああ,そうか。排気筒が機械の後ろについているんだな。

 あれ,そういえば,給湯器前面に空気を取り入れる穴があいていないぞ。

 もしや・・・

 排気筒を確認すると,なんと,(吸排気の仕組み上)
ここには設置してはいけないタイプの機械じゃあないですか!!

 通常のタイプは,機械の前面下部に吸気用の格子がついていて,
そこから空気をとりいれ,
機器の前面上部にある排気口から燃焼後の気体を排出します。

 しかし,部屋がせまく,かつ,地下などで密閉されることが多い場合は,
排気をそのまま室内に出すと,室内の酸素濃度が下がってくるおそれがあります。
当然,この機種はこの環境では使ってはいけないことになっています。

 そこで,そのような場所に設置できるようにするため,
排気は壁を貫通させた排気筒を用いて,部屋の外に出すタイプを使います。

 さらに,地下にある場合などで,部屋がせまく,密閉されやすいところでは,
燃焼用の空気を室内からとると,それだけで酸素がうすくなってしまうので,
吸気も部屋の外から行います。

 結果として,吸排気筒一体となった形の機械が取り付けられており,
その吸排気筒が部屋の外にのびていれば何の問題もないわけです。

 というわけで,吸排気筒を探っていきましたよ。給湯器から。

 たどっていくと・・・

えっ!?

 何で!??  こんのあり???

 吸排気筒は換気扇のレンジフード内に突っ込まれていただけだったのです。

 確かに,レンジフード内の換気扇を回しておけば,
一応排気はきちんとされますが,空気を吸えないじゃんか!!

 構造的に,
・吸気が少ない
・排気が十分に行えない可能性が高い
ことになるので,不完全燃焼が起きやすい状態だったのです。

 案の定,機械前面の板をはずして燃焼動作を見てみると
一応着火はしているものの,火が細くて色も黄色っぽい,
明らかに不完全燃焼の状態でした。

 下手をすると自己一歩手前。

 これは機械の不具合の問題ではありません。

 こんな状態で設置してはいけない,
いや,取り付けるならば,壁に穴を開けて
吸排気筒をきちんと外に出さなくてはいけないんです。

 つまり,取り付け工事の施工上の問題です。
あるいは,そのレイアウトを設計した会社の問題です。

 しかし,それを正直に伝えると,
取り付けられているお店からは,
取り付け工事店に
「なんでこんな工事をするんだ。
ウチには責任はない。
おまえのところで修理費をもて。」
と文句を言います。

 取り付け工事店は,レイアウト設計会社に 
「なんでこんな設計をするんだ。
ウチには責任はない。
おまえのところで修理費をもて。」

 そのレイアウト設計会社はメーカーの販売担当営業に
「なんでそういう大事なことを事前に説明しないんだ。
ウチには責任はない。
おまえのところで修理費をもて。
(つまり,無償で修理しろ)」

・・・・・・・・・

 ということになり,
問題が大きくなるだけで全くいいことがありません。

 そのため,各方面を丸く収めるために,
・とりあえず応急措置として修理をする
・詳しい説明はメーカーの担当者からさせる
ということで現場を収め,
同時にメーカーの担当部門に連絡を取ってその後の処理をお願いする,
という対応をとることになるのです。

 こんな風に,末端の利用者とメーカーとの間に
多くの人が関係していることがあるので,
正直に何でも伝えることができない場合があります。

 もちろんだからといって,
何をしても言い訳ではありませんけど・・・

 修理人も結構頭をつかうんです。





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Last updated  2006.07.18 08:50:26
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