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わたしより5歳年上なので、若くして係長になった方だ。 いつもエネルギッシュで、部下に常に誠実で熱く接する人だなあ…とずっと思っていた。 しかし、2年半毎日見ているといっても、しょせん隣の課からの視点に過ぎない…ということがよく分かった。 傍目には優秀に見える彼の致命的な欠点は、地図が読めないことだ。 地下鉄の駅で、出口を案内する地図を見て、 「この地図、なんで南が上なんだよ!?これじゃ分からないよ!」 「あのー、持っている地図を逆にして見比べれば分かりますよ…」 「おぅ、そうか」 という会話を何度繰り返したことか。 そもそも、改札を出て 「オレたち今あっちから(電車に乗って)来たから、こっちが東だよな」 と指差す方向が当たったことがない。 道を歩いていても、 「今オレたち北に向かってるんだよな?な?」 と何度も何度も聞かれる。 「違いますよー!さっき地図を見て、『南に行こう』って決めて歩いて来たから、南に向かってるんですよ」 「おぅ、そうか」 上海(の中心部)では通りに1つずつ名前がついていて、その名前の看板が至るところに出ている。 その横長の看板には、どちらが北でどちらが南か(あるいは東西)まで親切に書いてある。 つまり、そういう情報(地図とか文字情報)を集める気が全くないようなのだ。 それでも危険な目にあうことなく、今まで40年間生きてこられたのだ。人生ってすばらしい! そんな係長と、仕事が終わってから、ちょっとしゃれたレストランに中華料理を食べに行った。 彼は、英語はあまり得意ではないようだ。 「何分待つのか」とか「メニュー持って来て」とかいった簡単な会話は、全てわたしのインチキ英語で済ませる。 さて席に着き、メニューがやって来た。 漢字と英語しか書いてない…当たり前だが。英語が書いてあるだけラッキーだ。 (写真入りのメニューは日本だけ、と聞いたこともある) 「ファイアード…フィッシュ…これアワビだろ!」 「違います違います。Friedです」 「おー、アワビのフライか!」 「いやだから、fishとしか書いてないんですけど…」(漢字では「魚へん」に「包む」と書いてあった) 「おぅ、そうか」 ってな会話の繰り返しで、おかしくて全然決まらない。ちゃんと読めよ…。 そして係長、メニューを指差して「これ、これ!」 でも、店員さんも「コレネ、OK」と言ってくれて、無事注文できた。 ちなみに、彼はタクシーに乗っても「ここ、ここ!」と地図を指差すのだが、奇跡的に毎回ちゃんとホテルに着いている。 (こちらのタクシー運転手は全く英語が通じないから、それはある程度やむを得ない) そんな「天然」な係長、とっても愛妻家でもある。 毎晩ホテルから電話してるんだって!わたしなんか夫に2回メールしただけだ…。 奥さんへのおみやげもたくさん買ってましたよ! 奥さんもきっと、いつでも一生懸命な係長のことがかわいくて仕方ないんだろうな。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2006.11.04 23:49:31
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