テーマ:たわごと(23645)
カテゴリ:思うこと
蛍の光、窓の雪-
昔の人の学問に対する飽くなき憧れと、それに向かう態度を表す言葉だ。そこには、金持ちだから学問にアプローチが出来て、貧乏人だからアプローチできない、ということを否定する力強いメッセージもある。夜、貧乏な奴が明かりがなくても勉強しようと、蛍の光や雪の照り返りのわずかな明るさで、一生懸命、学業をしたというお話である。 いや、何が言いたいかというと、最近とみによくメディア等で目にし、近所づきあいの中で耳にするのが、「格差社会のせいで、貧乏人の子供は勉強する機会がなくなってバカになる」 というお話だ。はっきり言ってしまえば「こういうことを言う、あんたが既にバカ」ということだ。 この手の主張の内容をきちんと整理してみてみると、それがハッキリする。 この手の主張のその1「金がないから参考書が買えない。だからバカになる。」 図書館にいけ。そのために国家が整備している。あと、学校の教務の先生に言えば、参考書会社の営業マンが置いていったサンプルがうずたかく積んであるものだ。これは非進学校であればあるほど余っている(笑)。こいつをもらっても良し。金がなくても参考書はごまんと手に入る。 この手の主張のその2「金がないから塾に行かせてあげられない。だからバカになる」 そもそも、そんなものにいく必要はない。放課後&授業中先生に分からんところを聞け。そのために国家が雇用しているんだ。塾のテキストなんか無用。Z~とか塾の教科書になるような参考書も、学校には揃ってる。 この手の主張のその3「金がないから、私立のいい高校やいい中学に入れてあげれない。だからバカになる」 どこにいってもバカはバカ。いい高校もいい中学もない。本人がそこでどれだけやるかだけが重要。3流中学から1流の高校いける努力家もいれば、1流の高校で3流の大学も受からん奴もいる。どこにいれてもたいした意味はない。 この手の主張のその4「金がないから、大学に入れさせてあげれない。だからバカになる」 各種の奨学金が山のようにあります。以上。そもそも、高等教育の終わった子供の学費は基本的にてめぇで確保させてください。 このように、金がなくても、蛍雪の時代よりは遥かに良い環境下で学問ができるということだ。そうすると、昨今の学力低下とか学力格差の原因は、所得が低いこととは無縁としか言いようがない。 で、何が最大の問題かというと、「親がモノを知らない&そのことを棚上げして他人のせいにしたい」ということに尽きる。 特に「モノを学ぶということ」がどういうことか分かっていれば、お金で解決しなくても、それなりに済むものは山のようにあるし、今まで人類の知恵で金がなくても学べる環境を作るというシステムも揃っていることがよく分かるはずだ。 もっと言えば、そもそも、学問は点数をつけて良い大学に行くためにあるものではないし、金にあかせて点数を取るためのどうでも良い学力なんかつけて世の中に出ても「いいメイワク」でしかない。学問をそういうふうに捉えていれば、確かに金がある奴が有利に見えるのかもしれない。でも、知の本質はそんなことではない。 自分の子供が出来ないことを「格差社会」のせいにいして、勝手に不安がっていたら、そりゃ、子供だって勉強しなくなります。親が格差のことなど気にせずに、心を落ち着けて、本を読み、考え、議論する、ということしてください。一日、数分づつでも結構。自然と子供は蛍雪の価値を知って、自らこのシステムの中での最善の手段を探して学ぶはずです。
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そう、そういうことが言いたかったんです。
できるやつは どこででもできるし、 できないやつは でこでもできないし。 環境や人のせいにしてても結局 自分が伸びないんですよね。 自分が伸びたいと本気で思うならどうにだってできる。 でも もうひとつ、勉強ができる=幸せ というのも 別問題で、勉強ができても生かせない人もいるし、 うだうだ言ってる人はいるし… まぁともかく親が格差社会のせいにしてたら 子供もそういう考え方しかできなくなりますよね。 そうじゃないんだよ、という考え方ができるようにすることのほうが大切に思えるのでした。 (April 21, 2006 08:44:33 AM)
トラックバックがすごいですね。
どこもかしこも多くてうんざりー (April 21, 2006 10:06:36 AM)
まぁ、所得の格差はあるでしょうけど、勉強する
機会に関して言えば、ないでしょうね。 自分が学びたいことが分かっていれば、勉強なんて ドコにいようが何歳だろうが出来ますから、大事 なのは、「学ぶ姿勢を忘れない」じゃないかなぁと 思います。 『塾ってどんなトコなんだろう』と興味本位で 通いましたが、教科書ちゃんと読めばイイだけって 気付きましたよ(笑) (April 21, 2006 05:47:14 PM)
>fuyoさん
内容は単に自分がそうだったんで、という程度のことです。 でも、そもそも、知で大事なことは「机に座って教わること」じゃなくて、「能動的に獲得する」という行為そのものなんだよね。 この次元で議論を書いている時点で、実は自分で違和感があったりします。 (April 22, 2006 08:30:37 AM)
ゆらさん
>まぁ、所得の格差はあるでしょうけど、勉強する >機会に関して言えば、ないでしょうね。 ----- まぁ、勉強する機会に格差があるとすれば、それは親の所得の格差じゃなくて、親の知に対する理解の格差でしょうね。 そういう点では金持ち家庭もビンボー家庭も五十歩百歩ですよ。 (April 22, 2006 08:33:13 AM)
言って脳味噌つついてみるテスト。F氏の意見におおむね同意してる上でアンチテーゼ提示して見るいたずらです。
まず前提の「格差社会のせいで、貧乏人の子供は勉強する機会がなくなってバカになる」ですが、発言者の大部分は「バカになる=いい大学に行けない」という意味でしか語ってないのではということ。知に対する希求の度合いはそもそもどうでもいい、バカでも非常識でも、いい大学に入っていい職に付いてくれて親に旨い見返りあればどうでもいいということかなぁと。 その意味においては、格差社会上位者(嫌な言葉ですな)端的に言うと所得格差というのは、確かに「効率的に前述した目的を達する」のに「カンタンで楽」なんじゃないかなーと思うわけですよ。 で、子供にそういう方面の「楽に」前述した目的を達するほうに歩き出すコト自体を誘導するノウハウ(芸術や運動や学問という格差社会上位に行くのが非現実的で通常困難と思える進路を子の視野から消すノウハウ)とか、実際親の望む方向に歩く子供に十分な投資+過去の自己経験(格差社会上位者は大抵親自身がカンタンに楽にいい進路に向かった経験者)を注ぎ込み語ること、これは格差社会上位者のほうがウマいことやれるじゃないかって見方なんだろうなと思うです。 なので、知の探求とか勉強したいかどうかの問題で「格差社会」が問題になることはないと思いますが、所謂「世間様同意度」の高い「いい進路・職」に就くための距離や難易度という意味では、すでに覆しづらい差が各格差間で生じている側面があると。それが冒頭の「格差社会のせいで、~バカになる」の真の意味なんではないのかな思うのですよ。 だとするとあながち発言者がバカとも一概には言えないんではないかと。そう思いますが如何? 長文ご無礼。繰り返しになりますが前提F氏には同意なのですけどね。 あえて混ぜ返ししてみました。 (April 26, 2006 02:02:48 AM)
とものりさん
まったくもって同意見ではないかと(^^; > まず前提の「格差社会のせいで、貧乏人の子供は勉強する機会がなくなってバカになる」ですが、発言者の大部分は「バカになる=いい大学に行けない」という意味でしか語ってないのではということ。 この前提を正しいと議論を推し進めるか、誤りと議論を推し進めるかの違いだけであって、個人的には結論に差異を感じていません(^^; (April 26, 2006 01:41:18 PM) |
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