カテゴリ:修理記録
就職の時に実家から持って行き、幾度の引っ越しの度に家財として運んだザンカーヒーター ZANKER ZHR-1525 の痛みが目立ってきた。前から適当に ZANKER を「ザンカー」と呼んでいた。改めて調べてみるこれで合っているらしい。
これを買ったのはいつの頃だろうか?昭和 50 年 (1975年) 頃だと思う。自分が小さい頃に、石油ストーブでは危ないということで、電気ヒーターを親が買った。 風邪を引いたときに、一晩中暖房のために点けていた。このヒーターを見ると風邪を引いたときのことと記憶が良く重なるのだ。 熱でうなされた頭で、読み方が良く分からないパネルに書かれたドイツ語を見てなんて読むのだろう?と悩んでいた。 久しぶりにこのヒーターを使う機会ができた。部屋の工事でエアコンがない部屋に移る必要があり、暖をとるため電源を入れた。袋打ちコードの痛みが目立つ。何かの汚れが付いていたのか、茶色い斑が出来て、布の外皮が破れている。 ゴム被覆の柔軟性はまだ有るようだ。目に見える部分で、感電や漏電を起こす割れはない。袋の内側は確かめることができない。 電源コード交換かなぁ。色々と調べてみると許容電流 15A+ と必要とするので 2.0SQ の袋打ちコードを使う必要がある。入手は困難なのか。1.25SQ の袋打ちコードは見つかる。 入手出来たとして。圧着端子工作だろうなぁ。 このヒーターの悩ましいところは、厳密に言えば電源の最大電流が 15A を超えることだ。パネルスイッチに書かれているとおり、ヒーターが 500W + 1000W、ファンがさらに稼働中に回るので数 10W 程度追加で消費される。15A を超えるのだ。 実は電源ケーブルのプラグは交換してある。先の裏側の画像をよく見て気づいていたかもしけない。元々のプラグは熱を持って、不安を感じるものだった。交換したプラグは定格が 15A の品なのだ。オーバーなんだ... では廃棄か?廃棄が難しいかもしれない。このヒーターの内部に水銀スイッチがある。次の画像の左側にみえる黒い部品だ。 筐体を振るとチャプチャプと音が聞こえてくる。相当量の水銀が入っている。水銀スイッチの捺印は 250V10A と打たれている。仕様からして直接主電源を開閉するスイッチだ。ん? 10A なの? 15A ではないのかなぁ... 開閉容量として AC250V なら 10A、AC125V なら 15A なのか、少し謎だ。 内部に回路図が貼られている。やはりドイツ語で書かれている。水銀スイッチは "Hg Schalter" と書かれた部品のはずだ。水銀を元素記号 Hg で表している。 大量の水銀を使ったスイッチで、もっとも単純かつ確実な転倒安全機能が働いている。たぶん今時なら環境問題で却下される設計だろうな。振り子式とか離床検出式などの大容量接点スイッチを使うとか、小型の転倒検出スイッチをトライアックかサイリスタか FET のゲート信号の間に挟み、ゲートが開かないようにする設計にするなどだろう。 ああ、水銀漏れも今後は要注意なのかなぁ... 電気を入れていなくても、悩みは続く? お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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