カテゴリ:お出かけ・買い物
タワーマンションの受電設備浸水(水没)のニュースを見たので、近所のマンション・団地の受電設備を探検してみる。いくつかは過去に撮った画像を探し出したものだ。
小規模なマンションや団地ならば次の画像のように建物の脇にトランスが乗った電柱が立っていて、低圧線が建物の外壁に繋がっている様式をした受電になっている。最近建ったマンションならば、低圧線を一旦地下に配線している場合もある。 浸水深さが 1m 未満であれば洪水が起きても、トランスも配線も地上なので復旧は早い。低圧線が外壁に引き留められた部分まで、管理は送電会社(関東地方ならば東京電力 パワーグリッド)だ。停電になるかどうかは、建物の 1 階部分にあるメーターボックスがどの程度浸水するかどうかだ。 こんな昭和 40 年代的な電柱は見当たらない? 別の設備なのかも。地上設置の配電箱で建物に低圧を供給している場合を探してみた。配電箱にトランスを収めて、建物に低圧を給電している方式が次の画像にある様な設備だ。 次の様なスリムな緑色の箱をしている設備もある。上の画像の箱には 30+130 A、下の画像の箱には PT(50+125)M と書いてある。この数値は内蔵されたトランスの容量を示している。この箱の中で高圧から低圧に変換していることがわかる。 どちらも、「東京電力」書かれそのロゴマークが付いている。最近になって設置・改修されたものは「東京電力パワーグリッド」に置き換わってるはずだ(関東地方でなければそれぞれの地域の送電会社)。 この箱は東京電力パワーグリッドの管理なので水没で故障しても、修理は東京電力パワーグリッドの手で行われる。建物を管理する団体は、配電ボックスから先の建物内の配線を直す責務を負う。低圧なので標準品は豊富に有り、修理の金額も時間も高額にはならない。 こんな箱は建物の周りに無い? さらに別の設備なのかも。より大規模なマンションに見られる設備を探してみた。次の様に建物構造の一部に「変電設備」がある場合だ。 この部屋の中には先の電柱に乗っている機材と次の画像にある様な開閉設備、避雷設備が地上に降りた状態で入っている(他にも細々と色々と入っている)。必要な機材数や大きさは、建物の部屋数が多くなれば比例して多くなるか大型化する。 「受電設備」はコンクリート壁で閉ざされ、入口は頑丈な(設備用語だと「堅牢な」かな)鉄の扉が付いているはずだ。これは必然的な構造だ。この部屋で万が一事故か発生した場合は、爆発的な激しい火災になり、黒煙がモウモウと上がる。 オシャレな町には合わない部屋だ。地上の裏手になる部屋に配置されるはずだ。町中で四方道路に面している場合は地下などの目立たない配置になるだろう。 この部屋の設備も「東京電力パワーグリッド」(送電会社)の管理では?と思うかも知れない。最近出てきた(マンション)高圧一括受電が事情をややこしくしている。 高圧一括受電契約をすると、この部屋に入った設備はマンション側の管理になる。分譲ならば管理組合、賃貸ならば管理会社あるいはオーナーとなる。連絡先に送電会社が入っていない場合だ。毎月の電気料金請求元が管理組合または管理会社、あるいは一括して管理業務を請け負った所になっているはずだ。 変電設備を管理する負担は「何も無ければ」年 1 回の停電を伴う点検作業だ。 「何か有った」場合は、送電会社はなにもしない。送電会社は受電設備と敷地外の高圧線を接続するケーブルを保守するだけだ。 洪水による水没、地震による損壊、火災による焼失、老朽化、強度の落雷などによる故障、小動物の接触で停電した場合の復電は全てマンション側で対応する必要がある。故障発生率や対応の早さも、受電者が必要とする最小限になる。高圧一括受電が安くなるカラクリだ。20 年程度に 1 回は設備更新も必要になる。更新費用は管理委託先に払う費用の中に含まれているか、あるいは都度請求か。もっとも、普段問題になる事象は電気料金未払いの立て替え・取り立て責任だろう。 もっと大規模な受電設備が有る。特別高圧受電だ。近所のマンションでは見つからなかった。特別高圧は電柱の上方にある 6.6kV より高い電圧、11kV, 22kV, 33kV, 66kV などで受電する方式だ。おおよそ、1,000 世帯を超えるか、オール電化ならば 500 世帯程度のタワーマンションで選択される可能性がある。受電設備容量が 2,000kW 以上という決まり、需要率も考慮して 2kW/世帯 x 1000 世帯 ~ 4kW/世帯 x 500 世帯といった計算、分割して特別高圧の範囲外にする方式もある。メリットは
近所の工場で特別高圧受電設備を見つけた。画像にバス停が含まれている。これを基準にして大きさが分かると思う。大きな設備群だ。質量もある。トランスの外装は鉄板、中身はほぼ、鉄、銅、絶縁・不燃油で満たされている。 バス停の待合室が道路に面している面を除き、防空壕の様にコンクリートの箱になっているのは恐らく、特別高圧受電設備で事故が発生した場合に直に熱、爆風、飛散した油、放電アークを浴びないようにするためだと思う。 特別高圧受電設備は、設置場所に合わせる必要がある。個々の部品・装置も受注生産だ。在庫があっても、現地に合わせるように設置枠を作る必要がある。停電になったマンションで復旧の見通しが立たないのは特別高圧受電だから? 水害を避けるため、特別高圧受電設備が地上より上に設置され、外から見えるタワーマンション? 電気好きな自分だけ、うれしいのかも。 2020.8.21 関連日記リンク追記 あっ高圧一括受電設備だ(屋外の電柱に設置された高圧一括受電設備) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2020.08.21 09:03:24
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