カテゴリ:電子工作
デジット閉店セールで売られていた 高級 3 連 (AM) FM フロンドエンド TW-4194V 3Q (FAT-51UJ-41) の AM 側バリコンの容量を測定していて、何となく違和感を感じていた。分解して回路を調べる事にした。
2021.5.3 回路図訂正 IF 増幅トランジスタのベースバイアス回路に C15 を追加 TW-4194V 3Q (FAT-51UJ-41) PDF 回路図 TW-4194V 3Q (FAT-51UJ-41) bsch 3v 原図 分解してみると AM 側のバリコン端子の回路は ANT 側と、OSC 側で違っていた。AM 側にはコイルが入っていて共振周波数を下げる様になっていた。 添付された説明文書には「内部 1 ~ 3 段コイルと並列に入っているコンデンサを大きくし(7pF ~ 10pF) 局部発振コイルと並列に入っているコンデンサを大きくした上で ~」と書かれている。これも「どういう事なのだろうか?」と直ぐには理解できなかった。 2021.5.4 追記 基板や局部発振 AFC 混合ユニットに書かれた QQQ は恐らく中央無線 (リンク先は Parking Solutions 沿革 (吸収合併後の社名)) だと思われる 金属カバーを止めている半田を外す。熱出力が大きい半田ゴテを当てる必要が有る。自分が使ったのはボタン押しで 130W に上がるコテを使った。丁寧に半田を吸い取るか、ある程度少なくなったら、マイナスドライバーなどで広げて、半田ブリッジを離すことができる。 半田は有鉛半田と思われる。無鉛半田とコテなどの道具を使い分けている場合は要注意だ。 開けてみると、バリコンの軸が出ている側(画像左側)から、RF AMP, 中間周波数増幅, OSC/w AFC and Chopper? となっていた。中間周波数増幅部分と白いプラスチックケースに収まったユニット部分は回路を追うまで、機能が直ぐに分からず。 上から見て、AM 受信用バリコン端子の違和感に気づく、AM-ANT 側の端子に 小さなコイル(L6) が直列に入っていた。 RF AMP 部分から見ていく。3SK45 が使われていた。今ではほぼ絶滅してしまった Dual Gate N channel MOS FET だ。初めはが高周波増幅兼混合として機能していると考えていた。 回路を追ってみると G1 側をソース接地回路、G2 側をゲート接地回路として、カスコード接続回路を構成していた。これで純粋に高周波 1 段増幅をしていた。 頭のケース部分は 10nF のコンデンサで高周波的に接地されていた。今時なら、部品へのストレスを懸念し、避ける実装方法だろう。 Dual Gete FET が絶滅してしまったのは 3 端子 FET で内部がカスコード接続された 2SK192 など様な素子に置き換わってしまったのが原因だろう。部品点数で見るとメリットが無い。 下の画像の奥側に 2 本のコイルが林立している。左: L2, 右: L3 と部品番号が振られていた。L2, L3 は離れていても結合していると考えると回路が成立する様に思える。 L2, L3 の結合も含めて比喩的に言うならば全体的に「遠回りで間接的な回路だなぁ」と感じる。緩い結合でマッチングを達成したり、局部発振からアンテナ側へ回り込む漏れ電波を阻止している様に見える。 この部分は部品配置も特徴的で、円盤形セラミックコンデンサを壁の様に立てて、シールド板のようにして、遮蔽効果を狙っているのでは?と思える構造になっている。 中間周波数増幅は 2SC535 で行っていた。ケース形状は最終形状である TO-92 ではなく、平板形の旧形状だった。端子は黒く変色していた。端子変色が内部まで進行し、トランジスタが壊れているかもしれない。 2SC 3 桁半ばで fT=940MHz なのだから、結構技術開発が進んでいたのだなと感心する。 白いケースには PAT.P と金型による文字が浮き出ていた。内部は調べていない。端子の接続先などから、局部発振, AFC, 混合を行う回路が入っていると考えられる。混合は単に FMInOut 端子を On/Off するチョッパで構成しているのか、あるいは端子容量を変えて、共振周波数を振って非線形な変調をしているのか。 共振回路に 9pF または 10pF が並列されている。外すと航空無線帯にシフトするのだろうか?それともマッチングし直しの茨の道か待っているのか。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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