カテゴリ:電子工作
蛍光管にアルミホイルを貼って、「効果がありそうだ」という状態だった。LED 灯を買ったので、HHFZ5223 を退役させる。調査・実験できる様になった。
基板のジャンパ線 JP9 が GND 電位になっている。JP9 の左上にマイラコンデンサ C15, C16 が並んでいる。これらは GND と直列に接続されていて、上にあるネジに繋がっている。ネジは金属フレームと接触している。 ![]() GND を引き出し、測定器を接続できるようにする。引き出し線に熱収縮チューブを被せて 2 重絶縁し、豆球を出す穴はバリがあるので、穴の全周にマスキングテープを貼り付けた。 ![]() この蛍光灯はいわゆるトランスレス回路だ。AC 電源ラインと直接接続された回路になっている。絶縁トランスを AC 電源ラインに入れて、感電防止、測定器損傷防止措置をする。 ![]() 絶縁トランスのブロック図 ![]() 絶縁が十分か触れる前にテスターで GND - 大地間の電圧・電流を測る。大丈夫そう。インピーダンス 10MΩ のテスタで測ると交流 30V 程出る。短絡電流は 0.7mA ほど、電気を感じることはなさそう。 貼り付けたアルミホイルと GND 間に 2kΩ/V のアナログテスタ AC10V レンジ、双方向に並列接続した 赤色 LED、オシロスコープを接続してみる。アルミホイルが何か回路に変化を与えていれば、電圧が出ているはずだ。 ![]() 明るさ設定を最大にして、点火したした瞬間を見ていく。 2kΩ/V のアナログテスタで測ってみる。テスタのレンジは AC10V だ。点火した瞬間テスタの針が 2V 付近まで大きく振れる。 ![]() 画像のリンク先は動画になっている。 アナログテスタは高速応答できない。双方向並列に繋いだ LED を接続する。蛍光灯の光で動画はよく分からないと思う。コマ送りで見ると下の画像の様に点火の瞬間、蛍光灯の光に負けないくらい光っている。LED は Vf=1.73V ~ 1.76V @ If=1mA 程度の古いタイプだ。 ![]() 画像のリンク先は動画になっている。 貼り付けたアルミホイルに電圧が現れていることが分かった。LED を光らせる程度の電力も得られている。オシロスコープを接続して波形を観察する。トリガ点は点火(点灯開始)のほぼ直後、縦軸: 50V/div, 横軸: 50ms/div で測っている。 ![]() 点火直後から、50ms 以内に激しい変化は収束している。電圧の(最大 - 最小)は 250V 程度だった。点火開始から 50ms 経過する間を取り込み、波形を拡大してみる。波形が毎回変わる状況は後述する。 ![]() カーソルを当てる。振幅は 175Vpp, 周波数は 87.72kHz だった。乱れた波形なので周波数は安定していない可能性がある。 ![]() MCZ4002P は自励発振で、高周波トランスとコンデンサで構成してある共振回路に合わせて発振していると考えられる。逓倍回路的な駆動? 振幅が最大になった所を見てみる。振幅は 222Vpp, 周波数は 86.21kHz だった。 ![]() 点火直後と振幅最大の時の周波数が少し違う。MCZ4002P の特許裁判資料で意図的に変更していることが示されていた。このことか? アルミホイルに発生する波形は点灯の度に変化する。蛍光管の温度(on/off 繰り返しのうち off の期間を変えて冷却期間を変える)、AC 電源の位相(点火~点灯安定までの間は PFC 回路が定常動作になっていない?)の依存性がある手応えがあった。それ以外の要素もありそうだった。 観測(1) ![]() 観測(2) ![]() 観測(3) ![]() 観測(4) ![]() 何だな、退役した後も何回も測れる程度に動いている。 蛍光管 FHD85ECWH の寿命は 16,000 時間(後継品 FHD85ECW/LF3 は 20,000 時間)、灯具の細やかな点火制御がある前提だろう。最小限のヒーター加熱時間、ランプ点火のために掛ける高電圧の振幅と時間、周波数調整をしている。僅かな菅温度の高低、AC 電源変動・位相、管内の水銀偏在で波形は大きく変わる状況で、リモコンボタンを押すと当たり前のようにパッと点く。難しいことだったのかも。 さて、HHFZ5223 は撮影用の照明に転用?かなり大きいし、傾斜壁に取り付けはできないからなぁ... ![]() お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2024.09.27 16:13:59
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