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Aちゃん22

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2024.12.24
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カテゴリ:電子工作
Rohde & Schwarz RTO1022 oscilloscope の時計が電源を切った後保持されなくなった。PC で言う所の CMOS backup battery が電池切れになった状態だった。



Lithium battery も液漏れする。基板を傷める前に電池交換する必要が有る。下の画像は Agilent 54825A oscilloscope の内部で発見した電池の液漏れ例だ。



電池を交換することにした。RTO1022 (RTO1000 series) の情報は少ない。Service Manual が見つからない。RTO1024 RAM Access というタイトルで CPU board を外す方法を見つける。リンク先ではアルミ棒を削り出し治具(鍵)を作っていた。画像から察するにフライス盤を使っていると思われる。

地道にアルミ棒をヤスリで削るのは大変だ。鉄でできた針金ハンガーから CPU board を引き出す鍵を作ることにした(※)。おそらく RTO1004, RTO1024 などの RTO1000 series oscilloscope などでも使える鍵だと思う。

※ 実際は一度針金ハンガーで鍵を作ってみて上手くいかなかったので、先行例を探した。



使った針金ハンガーは外皮が有る状態で φ=2mm、外皮を剥いで φ=1.94mm の物だ。ハンガーから、長さ 200mm と 7mm で針金を切り出す。切断、折曲げには電工ニッパー、電工ペンチを使った。切断時に針金が跳ねる。保護メガネで目を保護し、跳ね飛ばないように、布で覆ったり、マスキングテープを貼り付けて作業した方が良いだろう

ハンガーの外皮がある場合は剥き取る。錆びと切断面のバリは取り除く。錆を落とさないと鍵の歯(bit)部分の半田付けが上手くいかない。バリがあると引っ掻きで金属屑を出す。錆を取っても高炭素鋼なので半田付けはやりにくい。

CPU board は背面にある。両脇に引き出すための鍵穴がある。鍵穴の寸法は次の通りだ。



鍵穴に合うように鍵を作るのが理想だ。採寸前に鍵を現物合わせで作ったので、幅や鍵の歯(bit)の部分が大きめになってしまった。理想的なサイズは "more suitable sizes" に示した。歯の高さが大きくなってしまった場合は、少し斜めにすると鍵穴に入る。厚みは 2.0mm 以下が望ましい。



柄(shaft)の長さを約 40mm で作った。これは 30mm から 35mm の方が良いと思う。鍵を捻った時に、柄のねじれを少なくした方が良い。

歯の部分に 7mm に切り出した針金を半田付けする。W数、熱容量とも大きい半田ゴテか、ステーションタイプの温調半田ゴテを使うのが良いだろう。自分が使ったのはHAKKO PRESTO 20W/130W 切り替え型のコテだ。

CPU board を引き出す前に背面にある BNC 端子に柔らかいキャップを被せる。こうすれば、CPU board を引き抜いた際に、board が落下しても当たって、打痕や引っ掻き傷を付けずに済む。



HDD unit は付けたままでも作業できる。心配であれば先に引き抜いておくと良い。

鍵穴の中の様子を知っていた方がやりやすい。作った鍵の使い方と内部の様子を示していく。鍵は歯の部分を上にして挿入する。鍵穴に対して大きめに作ってしまった場合でも、画像の様に斜めにすれば鍵が穴に入る。左右両方の鍵穴に対して同時に作業する。



鍵穴の構造からすると、歯の部分が下向きなのでは?という疑問はある。下向きだと鍵を回したときに CPU board を止めている爪が十分に引っ込まない。

鍵を入れたならば、CPU board の内側へ回すように鍵を捻り、おおよそ 90 度回転したところで、引っ張る。



CPU board が引き抜けるはずだ。CPU board は一気に引き抜かず、20mm ~ 50mm 引き抜いたところで一旦止めて、手で持ちながら引き抜く。落下しない様に慎重にしてほしい。



鍵ではずそうとする引っ掛けの構造を見ていく。次は CPU board を本体へ止める部分の画像だ。左右それぞれのサイドに 2 個の引っ掛けがある。



これを鍵で内側に引っ込めて CPU board を外せる様にする。



鍵で引っ掛け金具を内側に押したときに、鍵の歯(bit)の部分の幅が細いと金具とバックパネルの間にある隙間に歯が挟まってしまう。歯の部分をわざわざ半田付けで広く作る理由だ。



鍵で引っ掛けを引っ込める様子を動画にしたので参考にしてほしい。下の画像をクリックしたならばダウンロード後に動画再生が始まるはずだ。



CPU board を引き抜くと CR2032 coin battery が嵌め込まれた battery holder が見える。



バックパネルと接続するコネクター側から小さいマイナスドライバーを差し込み、battery を持ち上げることができる。ショートが心配であれば、ドライバーの先端をテープなどで絶縁しておくと良い。竹ピンセットでつまみ出した。先端をテープで絶縁した金属ピンセットを使っても作業できるはずだ。



取り外した電池は VARTA 製だった。オシロスコープと同様にドイツに拠点を置くメーカーだ。液漏れは無かった。



作業中に起きた問題と試作して上手く機能しなかった鍵を見ていく。

鍵の歯の部分が引っ掛け金具に挟まって抜けないことがあった。このような場合小型(日本でのサイズ規格でいう No.00) の + ドライバを鍵穴に差し込んで、引っ掛け金具を押して、緩めることで鍵を救助できる。



鍵の歯の幅が狭いと起きやすい。

次は試作して使えなかった鍵だ。歯の部分の高さが低い場合、引っ掛けが付いている金具を十分に押せない。引っ掛けが引っ込まず CPU board を引き抜くことはできない。歯の幅が狭いと、鍵を引っ張ったときに金具を押せなくなる。引っ掛けが戻ってしまい CPU board を引き抜くことができない。



このリンク先は blog に使った画像と動画一覧だ。ダウンロードして参考になればと思う。

RTO1000 シリーズは既に Rohde & Schwarz の保守・修理対応が終了している。自分で何とかしないといけない。寿命がある電池を交換できたことでしばらく使う事ができそうだ。

作った鍵はシリコン樹脂コーティング材をスプレーして錆止めをした。次使うのは電源部分のコンデンサ交換だろうか?






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最終更新日  2024.12.24 20:57:37
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