地中海世界の旅

[旅エッセイ～イタリア編] カテゴリの記事

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• シチリア、ビザンチン帝国関連ＨＰの紹介

      　　　　　　　　　 チュニジア市内の風景    　　 　 　　　シチリア、ビザンチン帝国関連ＨＰの紹介　　　　　　　イタリア関係の多くのＨＰからシチリアとビザンチン帝国のＨＰアドレス　　　　　　　を載せます。詳しくは私のＨＰの関連リンク集見てください。　　　　　　　"新エスペランサ紀行” 　　　　　　　　　http://www16.plala.or.jp/okumu/ 　　　　　シチリアHP紹介　　　　　　　「シチリア、空と海は果てしなく青く」 http://www.ne.jp/asahi/italia/tansakutai/sicilia/column/column30.html  　　　　　　　イタリア旅行倶楽部http://www.asahi-net.or.jp/~RH2Y-KKC/adachi/adachi.html        ビザンチン帝国のHP紹介 　　　　　　　ビザンチン帝国（東ローマ帝国）http://www.geocities.co.jp/CollegeLife-Labo/9837/ 　　　　　　　　　ビザンチン帝国同好会（リンク集）　　　　　http://www.geocities.jp/byzantine9837/index.html　　　　　　　　　　ビザンチン帝国史　　　　　　　　　　　http://www.geocities.jp/phenixshonan/　　　　 

  2009.10.17

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• ビザンティンとシチリア島

  　　　　　　　　　　　 ビザンチンのモザイク壁画　 　　　　　　　ビザンティンとシチリア島 　　私が注目する地域としてイタリアの地中海の島、シチリア島です。ご存知のように、中世、地中海に成立した"シチリア王国"の文化、政治形態など、11世紀（Cと略）、十字軍のノルマンディ騎士団のノルマン人（ノルマンディより島に来てシチリア王国を建て、ノルマン、ビザンチン、イスラムの三様式ー文化、美術、習慣、政治、などの共存を実現した。 　　この時代のすごさは、この上記3者が、ギリシャ、ローマの古典をアラビア語からラテン語（ラテン語から西、伊、仏、ポルトガル各国語へ分化）に翻訳して古代の優れた文化の継承を成し遂げた事実に驚いたことが原点です。なぜこの翻訳が意味あるかは、文化の連続性が現代の文化に反映していること（12世紀ルネサンスといわれる。）（例として医学他） 　　また異論はあるがイタリアでのルネサンスを準備したものが、シチリア、トレド、リポールなどの地で行われた翻訳にあると認識している。この視点からスペインのコルドバ、カタルーニャのリポールなど、同時期にアラビア語からラテン語の翻訳を進めた人々が存在した歴史を追って見たいと、当時栄えたイスラム支配下の都市への旅をしました。特に興味深いことは、カタルーニャ、11～13Cのロマネスク美術の"全能のキリスト像"などにビザンチンの影響がみられる。  

  2009.10.16

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• 地中海の奇跡～五つの村

  　　　　　　　　　　　　　地中海の海賊船　　　　　　　地中海の奇跡～チンクエ、テッラ 　チンクエ.テッラへ行った、モンテロッソ村とマナローラ村の報告。行程は、ローマ～ピサ～ラ.スペッア～チンクエ.テッラで鉄道でピサから約1時間20分。チンクエ.テッラの他の3つの村はベルナッツア、コルニーリア、リオマッジョーレです。東リビエラ(イタリア側）のポルトフィーノの東に位置します。 　　地中海の沿岸で昔は船でしか村にはいけなかった。今でも5つの村を結ぶ観光船が毎日、就航しています。今では鉄道、高速道路も来ていて、多くの観光客でにぎわいます。夏のリゾート地とおもいます。 　　モンテロッソ村は大きなホテルもある、教会も古く歴史ある建物。5つの村の中心で、かなり大き目の村。私の滞在中、ジャズのコンサートとダンスの会あり。観光客も大勢踊っていた。マナローラ村は、海の美しい、岩場の多い村。船は小さな桟橋にとまります。レストランもいいものあり、海のスパゲッティがうまかった。村にはアパートもあり、住んでいる人も多い。地中海に面した、崖の多い小さな村です。.

  2009.10.15

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• イタリアへの航空券、ホテル

  　　　　　　　イタリアのクルーズ船”コスタ、コンコルデア”　 イタリアへの航空券、ホテル　 航空券は安い時期に旅を設定。寒い時期は安い。クリスマスは高いが直前なら安い。なるべくローマかミラノ直行便が良い。時間の短い便を薦める。イタリア往復約８万円、イタリアの国内便２回４万。　ホテルはビジネスのクラスで約７千～８千円。場所により高い、安いあるので平均の宿代を安くする。ナポリの近く、カプリ島の４星ホテル普通２万くらい、オフシーズンで８千円で泊まる。日頃安いホテルに泊まること多いので、このときには感激。　　食事は主にバル（街中の食堂）など、安く地元の名物が食べられるところで取る。イタリア料理飽きたときは中華料理が美味しい。　　

  2009.10.14

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• イタリアのたびへの予約方法

  　　　　　　　　地中海クルーズのコンコルド号　 イタリアのたびへの予約方法　航空券～日本とイタリアの往復はHI*で、ローマーパレルモとカターニャーナポリをローマの学生旅行社（CTS）で、誰でも買うこと可能,半額くらいになり、学生の証明必要なし。南への列車の利用は時間がかかるので、日程のある方以外は航空機の利用が良い。　ホテル～初日と最終日は日本で予約。クリスマス時期で航空券を入手するのに時間かかる。その間フィレンツェへ（駅にホテル予約のカウンターあり）３日間の観光。各地のホテルは観光案内所で予約できる。タオルミーナでは２日の予定したが良い場所なので１週間（祭の日程に合わせた）滞在。ホテルの割引あり、交渉必要。　鉄道～普通以外は予約必要。駅で行き先、日、時間をメモして見せれば予約してくれる。鉄道の券売機も慣れれば時間の節約になる。列車に乗る前、出発ボードに番線が１０分前に出るので必ず見ること。どの駅でもシステムは同じようだ。（空港行きは決まった番線）

  2009.10.13

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• シチリアの魅力は

  　　　　　　　　　　ビザンチンのキリスト　　　　　シチリアの魅力は　　　各時代の文化が残るシチリアの魅力は多民族の文化遺産が各地に存在すること。パレルモ、ノルマン宮殿のビザンチン美術（モザイク）、アグリジェントのギリシャ神殿、シラクーザのローマ円形競技場、タオルミーナのギリシャ劇場（歴史遺産でも今も劇などで使っている。）　食べ物でも、島独自のものあり。アランチーニというライスボールの揚げたもの。グラニサード、シャーベットに似たもので、シチリア島から広がる。また地中海に多いクスクス料理もある。ユニークな文化と食べ物を堪能して、私のシチリア島の旅は終った。 　　　　　

  2009.10.12

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• シチリア島～タオルミーナの祭り

  　　　　　　　　　シチリア島の絵皿～お土産屋　 タオルミーナの祭り　タオルミーナの祭。タオルミーナは映画”グランブルー”で撮影場所になった”美しき島”イソラベッラのある海岸と小高い山の街。イタリアで有数の観光地。ローマ時代から2千年近くエトナ山(現在も噴火する活火山）とともに生きている。　毎年１月6日タオルミーナで祭りがある。お昼には荷車の馬車が登場する。民族衣装を着たおじいさんや子供たちがバグパイプの楽器を吹き鳴らしながら、町を進んでいく。馬車も大きな車輪にも、羽目板の彫刻が素晴らしい。荷台の羽目板にはタオルミーナから見たエトナ山や町の教会堂が彫られている。街中の観光協会には古い荷車が保存されている。　夜は町のホールでマンドリン（シチリアはマンドリンが盛んな土地。）の演奏会や教会ではバグパイプ(ノルマン人が伝えた？）の集いが開かれる。この祭りは一旅行者にも、一緒に溶け込んで楽しめる、楽しい祭りだとおもう。シチリア島の歴史は長い異民族支配下の歴史だった。ギリシァ、ローマ、イスラム、ノルマン、スペインの支配下の歴史。

  2009.10.10

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• シチリア島～タオルミーナ

  　　　　　　　　イタりア～シチリア島ノルマン宮殿の外部　　　　タオルミーナイタリアでも有数のリゾート、観光地。雄大なエトナ山は現在も溶岩がすごい活火山。ここからエトナ山のパノラマは最高。映画グラン、ブルーで有名になった。海の深いブルーは見もの。　　ギリシャ劇場ー高台にありここから見るイオニア海に感嘆。シラクーザについで大きな規模。BC3世紀に作られ、夏の間、演劇、コンサートなど開かれ、今も現役の劇場。　　　城塞(カステーロ）－中世のもの。ここから眺めはタオルミーナで一番。煙りをはくエトナ山の雄大な眺めが良い。富士山に似て裾野が長い。　エトナ山ーシチリア島にある活火山。太古の昔よりの火山。最近数年前も噴火があり話題になった。タオルミーナから見るエトナ山は雄大で素晴らしいとエスペランサは思う。　

  2009.10.09

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• シチリア島　シラクーザ（シラクサも同じ）

  　　　　　　　　　　荒れるシチリア島周辺の地中海　　　　　シラクーザ（シラクサも同じ）　シラクーザはBC(紀元前）5世紀に人口３０万(現在１２万）の大ギリシア殖民都市。アルキメデスの生まれた町。(地中海には当時ギリシャ植民地が多い）　ギリシャ劇場ーBC5世紀、直径130Mで巨大。形が半円形で舞台を見わたせる。現在も５～６　　　　　　　月にはギリシャ劇が上演される。(古代の劇場がそのまま利用されている。）　考古学博物館ー展示品は先史時代からBC７世紀まで。アナディオメーデのヴィーナスの彫刻　　　　　　　　がよい。　　

  2009.10.08

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• シチリア島、パレルモ市

  　　　　　　　　　パラティーナ礼拝堂の壁モザイク　　　　　　パレルモ市　　　パラティーナ礼拝堂　モザイクでは世界的なもの。壁,祭壇の全てが、金色に輝く。天井と柱にアラブ風の模様あり。モザイクのテーマは聖書とキリストの弟子たち。壁モザイクの素晴らしさに魅力を感じ、パラティーナ礼拝堂をきっかけに2003年10月にラヴェンナに旅した。（イタリア、モザイクの旅、参照）　　　ノルマン宮殿　アラブ人が作り、ノルマン人が手を加えた。アラブ、ノルマン様式。ノルマン王朝のルッジェーロ王の間、この部屋には狩猟や植物のモザイクが良い。王宮の門～ヌオーボ門はユニーク。下が凱旋門で、うえにイスラムの建物が乗っている。　　　　

  2009.10.07

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• シチリア紀行～モザイクの旅のはじめ

  　　　　　　パレルモ、モンレアーレ大聖堂のモザイク　　　　　　　　　　　 イタリア、シチリア紀行　　エスペランサにとってイタリアのシチリア島は特別な土地である。それまで海外旅で特別なテーマを持った旅はしなかった。シチリア島のパレルモのパラティーナ礼拝堂をみて以来、ビザンチン様式の壁モザイクに魅了された。　この旅以降、ビザンチン様式の壁モザイクを求めてイタリアのラベンナ、トルコのイスタンブールのビザンチン、モザイクを求めて旅した。これらの旅のまとめとして、２００８年の１１月末に地中海クルーズの旅で、ふたたびシチリア島のパレルモを訪問して、モンレアーレ大聖堂、パラティーナ礼拝堂、ノルマン宮殿を見ることができた。　クルーズでローマ時代のモザイクの宝庫、チュニジアのバルドー博物館のモザイクに感動、世界のローマモザイクの３割がバルドー博物館に集められているとの解説を観光案内人の説明で聞いた。イタリア、国立ナポリ考古学博物館や、近郊のポンペイでローマ時代の町がベスビオス火山灰により埋もれたまま発掘された。素晴らしいローマ時代のモザイク多数をイタリア各地で見てきた。

  2009.10.06

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• ピサの洗礼堂

  　　　　　　　　　洗礼堂とドゥーモ、斜塔 ピサの洗礼堂　洗礼堂：列柱アーチで飾られた直径35ｍの円形の建物に、八面体の屋根。1152年にディオティサルヴィ（人名）によって建て始められ、ドームは14Ｃに完成。白大理石のロマネスク様式だが、２層目から上の装飾はゴシック様式の尖塔が加わっている。上部の彫像はピサ派の作品。　　堂内：残響が豊かで、扉を閉めて聖歌を歌うと様々な和音が響く。手を打つと響く。　洗礼盤：1246年、グイード・ダ・コモ作。白大理石にモザイク。　説教壇：ニコラ・ピサーノ（ジョヴァンニ・ピサーノの父）の1260年の作品。。　預言者と美徳の擬人像。キリストの生涯（降誕、公現、神殿奉献、磔刑、最後の審判）の　浮彫。　カンポサント（墓所）：12Ｃ（世紀）に十字軍に従事したピサの大司教ランフランキが、聖地ゴルゴダから船いっぱいの土を運んで帰り、市民のための埋葬地にした。カンポサント「聖なる野」という名はここから来ている。　　周りに大きな回廊を巡らせる工事が1277年に始められた。回廊にはゴシック様式の窓が並び、かつてはフレスコ画で飾られていたが、ＷＷ２（第二次世界大戦）で大部分を損傷。14Ｃの氏名不詳の巨匠による「死の勝利」「最後の審判」「地獄」等が残る。足下にはギリシャ、ローマ時代の石棺や彫刻、展示室にはピサ派の代表的な彫刻やフレスコ画。

  2009.10.05

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• ピサの斜塔～ドゥオーモの鐘楼

  　　　　　　　　ピサの斜塔、夜景 ピサの斜塔　斜塔：ドゥオーモ付属の大理石の鐘楼。1173年着工。ピサ地方はアルノ川が運んできた土砂の上にあるために地盤が弱く、下から10ｍ、つまり２層目に掛かる辺りを建設し始めた頃から地盤沈下のために傾き始めた。工事は一時中断されたが1275年に再開。途中で修復しながら1350年に完成した。８層で、最上層だけ直径がやや狭く、鐘が納められている。ガリレオが「落下の法則」の実験をしたことでも有名。　　ピサの斜塔の高さは北の高い方が55.2ｍ、南の低い方が54.5ｍで、差は70cｍ。５度30分南に傾いている。屋上の中心点は本来あるべき点よりも4.5ｍずれている。総重量14453トン。取り付けられた重りで、年間1.2ｍｍずつ傾いていた傾斜の進行は止まっている。塔の内部は直径7.7ｍの空洞で、重心を内側に落とす工夫をしている。現在はコンピューターで傾斜を管理して、地中に薬剤を入れて傾斜の進行をとめている。　エスペランサのピサの斜塔感想～予約が必要で２時間待って螺旋（らせん）階段を上る。屋上には鐘があり、大理石の屋上で簡単な綱がまわりにあるだけで恐怖を感じた。大理石の床で雨のときはすべる危険あり。屋上からのピサ市内の景色は素晴らしい。かなり遠くまで見渡せる。同じ色の屋根の波に景色を堪能した。人数は２０名くらいで３０分の制限時間で降りることを係りの人に言われて、地上に降り立った。　　　　　　　　　　　

  2009.10.04

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• ピサの芸術～ドゥオーモをメインに

  　　　　　　　ピサのドゥオーモと観光客　　　　ピサの芸術　11～13Ｃに、経済の繁栄と海運力によって生まれたピサ・ロマネスク様式の特徴は、　１、色大理石を交互に積み、幾何学模様をつける。　２、ファサード（正面）上部に沿って並ぶ小円柱が作る光と影　３、東方の影響を示す寄せ木細工の草食模様。　ドゥオーモ：1063年のパレルモ沖での大勝利を記念して聖母マリアに捧げるため1064年に着工、1118年に完成。ブスケート（人名）による建築だが、この人のことはあまり知られておらず、いろいろな様式を使っていることから広く地中海世界を旅した人だと思われる。完成した年に法王ゲラシウス２世によって献堂式（完成式）が行われたが、建設はライナルド（人名）に引き継がれ、円蓋が完成したのが1380年。現存する大聖堂では国内最古と言われるピサ・ロマネスク様式。ランプはガリレオが振子の等時性を発見するきっかけになったとされるが、その６年後の１５８７年鋳造という記録がある。　白大理石を基調に黒大理石で縞模様が表され、パステルカラーの微妙な色合いの大理石が随所に使われる。堂内の奥行きは95ｍ、幅32ｍ、柱廊部では幅72ｍに達し、ラテン十字型（縦と横が同じ長さ）。古代遺跡から運ばれてきた68本の石柱が林立する。格天井は火災での損傷後、1596年に再建された。 　ドゥオーモ広場：世界の７不思議の１つにピサの斜塔があるため「奇跡の広場」とも呼ばれる。プッティ（人名）の噴水の角柱は17Ｃの大理石。ピサの紋章を支える子供たちは1763年のもの。

  2009.10.03

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• ピサの歴史ー海洋都市国家～3

  　　　　　　　　　ピサのドゥオーモ（大聖堂）とピサの斜塔　　　　　ピサの歴史ー海洋都市国家～3　次のチャンスは12Ｃ（世紀）に入ってから。十字軍に参加し、聖戦よりも東方貿易に勤しむことで、富を獲得。しかし東方にも勢力を拡大したピサは、その海外基地の確保にあたってもう１つの海洋国家であるジェノヴァと衝突するようになる。その過程で、ピサはシチリア征服を狙う神聖ローマ帝国と手を組む。こうして絶頂期を迎えるが、これが内陸にあってアルノ川を共有し河川航行権を狙っていた教皇党のフィレンツェとの対立を決定的なものにしてしまう。　　フィレンツェからの攻撃にさらされながら、1284年にジェノヴァとのメローリアの戦いに臨んだピサは、壊滅的な敗北を喫する。この時から海洋国家であることを放棄させられ、11Ｃ以来支配してきたコルシカ島、サルデーニャ島等に関する権利を失う。古代ローマの軍港以来の海を失ったピサは、内陸にも教皇党を抱え、瀕死（ひんし）状態だった。それでも14Ｃいっぱい町が持ちこたえたのは、それまでの貯えのおかげだった。それも使い果たした1405年、フィレンツェの支配下に組み込まれる。　フィレンツェは賢明にピサを支配した。13Ｃの絶頂期に創設された大学を復興し、学問はピサで大いに栄えた。表舞台から下りたピサが、その後、最大の危機に見舞われたのはＷＷ２（第二次世界大戦）。連合軍に押されたドイツ軍が、アルノ川岸で40日間の抵抗を試みた。その間に市街地からドゥオーモ広場までが爆撃の対象となり、カンポサント（墓地）のフレスコ画が灰と消えた。

  2009.10.02

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• ピサの歴史ー海洋都市国家～2

  　　　　　　　　ピサの城壁と洗礼堂 ピサの歴史ー海洋都市国家～2　北アフリカのイスラム教徒とはあるときは平和に交易を営み、あるときは海上で戦いを交えたり、互いに相手の領地に奇襲攻撃をかけたりしていたが、ピサ勢がたびたび勝利を納め、イスラム教徒の船を多数捕獲し、莫大な商品や金銀財宝を戦利品として得た。　この大勝利を神に感謝し、更にはピサの威勢を内外に誇示するために、戦利品を売りさばいて得た膨大な利益の１部を投入して建設したのが斜塔を含む大聖堂。この実力をバックに、コムーネ（都市国家）としての自治権を獲得。建築、彫刻部門ではピサ様式と呼ばれるスタイル（回教美術の影響が見られる）を生み出し、各地に影響を与えた。　　　　　　　　

  2009.10.01

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• ピサの歴史ー海洋都市国家～1

  　　　　　　　　　　　　イタリア、ピサの歴史地区 　　　　　　　ピサの歴史ー海洋都市国家～1　世界遺産の番組でピサの斜塔がなぜ長い歴史で1度も倒れていないかの番組を見た。一時は危険から斜塔に登れない時期もあったが、最近は時間と人数の制限をして見学できる。数年前エスペランサもピサに旅したとき斜塔に登り、町全体を眺めてすばらしい塔だと感激した。現在はパソコンで管理され、傾斜角度を調整するために土台の土に薬品を入れて傾斜を直しているとのこと。　ピサは今では地中海から10kｍも離れているが、全盛期にあった13Ｃには海はすぐ町のそばにあった。ピサのすべての富や繁栄は常に海によっていた。ピサが町としてスタートしたのはＢＣ（紀元前）７世紀頃、ギリシャの植民地だった。ＢＣ180年頃にローマ人がやってきてここをローマ帝国の海運基地にした。このためピサは造船技術に長け、海上戦闘術に優れ、同時に交易の才に抜きんでていた。　 この才能が爆発するのが、最初はＡＤ11世紀の初めにイスラム教徒と衝突した時。３つの才能を発揮してイスラムを追い払い、同時に東方貿易の糸口も確保し、更に西地中海を制覇。コルシカ島、サルデーニャ島、そして現在はスペイン領となっているマジョルカ島、ミノルカ島、イビサ島までを領有するに至った。　

  2009.09.30

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• イタリア～アグリジェント～ギリシャ神殿の谷

  　　　　　　　　　ピサの斜塔　　　　シチリア島～アグリジェントーギリシャ神殿の谷 　コンコルディア神殿　BC(紀元前）450年に建造。ドーリア式神殿。シチリア最大のもの。アテネのパルテノン神殿についで完全なもの。アグリジェントの神殿で,石の部材のみ山積みの場所あり。地震で倒壊したものイギリスの古代学者が部材で再築した神殿が有ると聞いた。　　国立考古学博物舘ーテラモーネ(巨大石造人形）ジョーべ神殿に有ったテラモーネに驚く。何の目的でこんな巨大人形を作ったのか。大きな石の部材を彫刻したもの。15個くらいの石の組み合わせで作られている。推測では、テラモーネの頭部がアジア、胴体がヨーロッパ、足がアフリカを表している。多分当時の世界を示したのか？　シチリア島ヴァル・ディ・ノートの後期バロック様式の町並 （文化遺産）　Late Baroque Towns of the Val di Noto (South-Eastern Sicily)

  2009.09.29

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• ラヴェンナのモザイク名所～6

  ラヴェンナのモザイク名所～6テオドリック王の墓：ゴート族のテオドリック王が520頃に建設を命じた。イストリアの石材を使い、蛮族風だが、後期古典古代の建築例が取り入れられている。キューポラは石灰質のブロックでできている。王の遺体を納めていたと思われる石棺が置かれる。聖ジョヴァンニ・エヴァンジェリスタ聖堂：５Ｃ。浮彫で飾られたゴシック様式の扉。国立博物館：カマードリ会修道士のピエトロ・カンネーティによって集められた８Ｃ初期の作品が中心。（古代ローマと初期キリスト教時代の資料）サン・ヴィターレ 聖堂のトランセンナ（内陣を覆う柵、ヘラクレスと鹿を描いたビザンチン様式の浮彫）が注目されている。織物、象牙細工、イコン、絵画、陶器とマヨルカ焼き、硬貨、サンタ・ポッリナーレ・イン・クラッセ教会の修復資料、墓地の発見物。ブランカレオーネ城塞：四角の城塞。1457～70にこの町を監視する軍事的目的でヴェネツィア人によって造られた。２重に築城され、内側４基の円筒型の塔で固められた本来の城塞と、外側２基の円筒型の塔と２基の半円筒型の塔を備えた要塞からなる。現在は、施設を完備した公園。

  2009.09.28

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• ラヴェンナのモザイク名所～5

  　　　　　　　　　　聖堂の床モザイク ラヴェンナのモザイク名所～5　サンタ・ポッリナーレ・ヌオーヴォ教会：テオドリクス王が493～96年にアリウス派(キリスト教の異端派）のために建て、560年頃カトリック聖堂になった。 三廊式（３身廊をもつ）ので身廊の両側の壁にモザイクが画いてある。テオドリック王の死後、ビザンチン皇帝ユステゥヌアヌスは、この教会のモザイクからテオドリック王の名を剥ぎ取った。 ・上段は、左がイエスの布教時代の物語。ペトロとアンデレの召命（しょうめい）、あしなえを癒（いやす）話、パンと魚の奇蹟など福音書でおなじみの場面。右は最後の晩餐から復活までの物語。・中段は、預言者や聖人達の像。・下段は、左が「東方三博士に先導されてクラッセの町から出発し、天使に囲まれた聖母子に向かう聖女の行進」で、クラッセの城と港、殉教した22人の聖処女、東方三博士。右がテオドリック王の宮殿、ラヴェンナから出発して天使に囲まれた玉座のイエスに向かう殉教者の行列。６Ｃ(世紀）の彫刻のある説教壇と、内陣にはトランセンナ（内陣を囲う柵）と祭壇。　サンタ・ポッリナーレ・イン・クラッセ教会：549年。ラヴェンナのビザンチン芸術の卓越した記念建造物。天井には上に「タボル山で変容するキリスト」、下に聖アポリナーレを中心に緑の大地がモザイクで表されている。内陣の壁はその形から、また「キリストの勝利」の意味合いを込めて凱旋門と呼ばれる。この中央にキリスト、左右に四福音書記者のシンボル、下にはエルサレムとベツレヘムから出てタボル山に登る12頭の羊（12使徒を表す）。半円形に窪んだ壁面にはラヴェンナの４人の司教、左にビザンチン皇帝コンスタンテゥヌス４世と侍臣、右には旧約聖書の場面アブラハムとイサク。　

  2009.09.27

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• ラヴェンナのモザイク名所～4

  　　　　　　　　　聖堂内の柱を飾るモザイク　　　　　ラヴェンナのモザイク名所～4　ダンテの墓：フィレンツェを追放され、招かれて1317年にここを訪れ、｢神曲｣を完成させ1321年ここで亡くなった。現在の神殿型の墓は1780年のもの。墓の上にはピエトロ・ロンバルドのダンテの浮彫。アーケード式鐘楼(かねつき堂）の上に取り付けられた鐘は、イタリア諸都市から贈られた。ダンテはサン・フランチェスコ教会に葬られているが、フィレンツェからダンテの遺骸を返してほしいと言われたのに対し、拒否するためにこの墓を造った。　サンタ・アガタ・マッジョーレ教会：５～６Ｃ(世紀）起源、15Ｃ末に修復。ルネッサンス様式の柱廊式小玄関を備えたファサード（正面）と、円筒形の鐘楼。内部にはローマ様式、ビザンチン様式、ルネッサンス様式の柱頭(回廊の柱の彫刻）を持つ円柱、６Ｃのギリシャの大理石でできた説教壇（机）。　テオドリクス王の宮殿：実際は７Ｃ末または８Ｃ初めの遺構が残り、衛兵詰め所か総督執務所だったと考えられていたが、カルキ救世主教会の前廊であることが最近わかった。サンタ・ポッリナーレ・ヌオーヴォ教会のモザイク画に描かれている豪華な建物がこの場所に建っていたという伝承から、王の宮殿と呼ばれる。

  2009.09.26

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• ラヴェンナのモザイク名所～3

  　　　　　　　　　聖堂のドームのモザイク　　　　ラヴェンナのモザイク名所～3　ネオニアーノ／オルトドッシ（正教徒）洗礼堂：ギリシャ正教（ビザンチン帝国系のキリスト教の洗礼堂として５Ｃ末に建てられた。後世カトリック大聖堂の洗礼堂として使われてきたため、手直しされている。モザイク画は中央に「キリストの洗礼（ヨルダン川が擬人化されている）」、周囲に12使徒。そして祭壇と十字架を戴く玉座の象形。中央に大理石の洗礼盤。　アリアーニ（アリウス派）洗礼堂：八角堂、６Ｃ初め。東ゴート族はキリスト教でもアリウス派だった。ドームのモザイクの中心は、イエスがヨルダン川でヨハネから洗礼を受ける情景。頭上に鳩が聖霊を注ぎ、河神が皮袋から川を流れ出させている。河神の頭に蟹のハサミがついているのは、ローマ時代以来の河神のシンボル。周囲は天国への鍵を手にしたペトロを筆頭に、12使徒。　スピリト・サント教会：５Ｃ末、テオドリクス王時代にはアリウス派大聖堂だったが、６Ｃカトリックの手に移り、16Ｃに改築され、最近修復された。ビザンチン様式の柱頭が施された円柱が並び、６Ｃの説教壇と古い石棺がある。　大司教博物館：ユスティヌアヌスと思われる無頭の像、ギリシャ十字形のサンタ・ドレア祈祷室にある６Ｃ初頭のモザイク、サルストラ塔のマキシミアヌスの司教座など。

  2009.09.25

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• ラヴェンナのモザイク名所～2

  聖堂内の両側面のモザイク 　　ラヴェンナのモザイク名所～2 ガッラ・プラチーディア廟：サン・ヴィターレ右奥。ギリシャ式十字型。425～430、実際はガッラ・プラチーディア皇后の墓としてではなく、東側の小さな聖十字教会付属のサン・ロレンツォ礼拝堂として造られた。入り口側の「良き羊飼い」、中央ドームの壁の「水を飲む鳩」、奥のティンパヌム（半円形の壁面）の「鉄格子の上で火あぶりにされて殉教した聖ロレンツォ」を初め、福音書記者、使徒、聖ラウレンティウス、泉水の鹿は、450年以上前のもので、古代的名残を見せるモザイク画。石棺の１つはガッラ・プラチーディアの棺と考えられる（埋葬されたのはローマ）。 ポポロ広場：1483のヴェネツィア共和国がラヴェンナを支配していた時代に建てられた２本の円柱。左が聖アポリナーレ、右の柱の上にはヴェネツィアの国章「翼あるライオン」があったが支配が終わった時、聖ヴィターレと取り替えられた。1681改修の15Ｃの市庁舎、ヴェネツィア小館の柱廊にはテオドリクス王のモノグラムが刻まれた６Ｃの柱頭を持つ柱。 ドゥオーモ：５Ｃ初めの司教ウルキシヌスの聖堂が1733に取り壊され、その跡にバロック様式教会が1745に建てられた。10Ｃの円筒形の鐘楼。身廊奥に大司教アグネスの高座。右翼廊に５Ｃ後半のラヴェンナ様式の石棺、聖体礼拝堂にグイード・レイニと弟子達のフレスコ画。

  2009.09.24

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• ラヴェンナのモザイク名所～1

  　　　　　　　聖堂内部のモザイク画の聖人の列　　　　　　ラヴェンナのモザイク名所～1　サン・ヴィターレ聖堂：ラヴェンナで最も重要なモザイク画がある八角堂の集中式聖堂。526年建立、547～548年に献堂された。本体は煉瓦だが内部は色大理石で化粧張りされたり、大理石の柱が用いられたり、色石を豊富に使った象眼細工の床がある。　・キューポラ（聖堂の壁面）を飾るのは1780年の絵画。　・柱と柱の間は７つのエクセドラ（半円形の空間）。　・６世紀の祭壇には、アラバスターの板で造られた聖体拝領台。　・旧約聖書の物語などを描いたモザイク画。　　側面；四福音史家、預言者、旧約聖書の場面。　　後陣ドーム；罪の償いをする人を中心に、聖ヴィタリスと司教エクレシウス。内陣下方パネル；左は「聖ユスティニアヌス帝と廷臣達」。皇帝の隣に名前入りで大きく表されるのは、この教会造営の中心人物だったラヴェンナの大司教マキシミアヌス。右は「テオドーラ皇后と女官達」。皇后は素性の知れないサーカス芸人上り。（集中式とは？）：中央の１点に対して点対称になる建築様式。円堂、六角堂、八角堂、縦横の長さが等しいギリシャ十字型など。イタリアでは、洗礼堂を別個に建てる場合は大抵集中式。集中式は構成が緊密であるという大きな長所を持っているが、内陣に対して会衆席の配置が散漫になる短所があり、礼拝を主目的とする教会建築にはあまり使われない。

  2009.09.23

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• ラベンナのモザイク～現代につたえられたメッセージ

  　　　　　　　　　聖堂のドームのモザイク　　　　モザイク～現代につたえられたメッセージ　色違いの石や貝などの小片をたくさん張り付けて図柄を表現する技法。素手に古代メソポタミアで例が見られる。この技法を高度に発達させたのはローマ人。ローマ人は公共の建造物や個人邸宅の床をモザイクで装飾したが、その普及は驚くばかりで、ローマ人が建設した都市なら広範囲に渡って床のモザイクが残る。床は毎日踏みつけられる場所なので、モザイクの材料は堅固なものに限られ、もっぱら色違いの石が使われた。　ローマ人は壁面の装飾にはモザイクよりもっと手軽にできる壁画を用いるのが原則だった。それでも特に豪華にする場合や、浴場の様に耐水性を必要とする場合には、壁面や天井にもモザイクを使った。床と違い、材料の選択の幅は広く、質は弱くても色が美しい石、真珠光沢を持つ貝殻、色ガラスなども使うことができた。そのため床のモザイクと違って、極めて色彩豊かな華麗なものに仕上げることができた。　豪華好みのローマ人はここで透明ガラスの間に金箔を挟んだものを使う技法を発明した。ラヴェンナを初め、イタリア各地の教会で目にする金地のモザイクは、この技法を受け継いでいる。いずれにしてもモザイクの材料は１～２cｍの小片に割ってから使う。これをテッセラという。現在ラヴェンナにはモザイクの技法を教える学校があり、町中にも工房がある。

  2009.09.22

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• ラヴェンナの歴史～モザイクの宝物～1

  　　　　　　　　ラベンナの聖堂、外観　　 ラヴェンナの歴史～モザイクの宝物～1 　古代ローマによって造られた町。今では海岸から10kｍも離れているが、古代にはアドリア海に臨む港町だった。カエサルの後継者アウグストゥスは、ラヴェンナのアドリア海における地理的な重要性を見いだし、ラヴェンナに従来からあった港の南にクラッシス（艦隊の意味）という港を造り、アドリア海におけるローマ艦隊の基地にして、軍船250隻を常駐させた。これがラヴェンナの地位を一変させるきっかけとなった。　ラヴェンナの守護聖人アポリナーレがキリスト教をこの地にもたらしたのは２Ｃ(世紀）終わり。４Ｃになってローマ帝国の力が弱まり、北方からゲルマン系の民族の進入が始まると、帝国は国土を幾つかに分けて統治するという方法を取る。首都もローマからコンスタンチノープル、ミラノと変えられた。それを決定的にしたのがテオドシウス帝で、395にローマ帝国を東西の２つの帝国に分割。　そして402年、西ローマ皇帝ホノリウスが、西ローマ帝国の首都をミラノからラヴェンナに移し繁栄が始まった。今では川が運んできた土砂で埋まってしまったが、当時のラヴェンナは前は海、後は沼出島のようになっていた。だからラヴェンナは、ローマにとって守りやすい場所だった。港を通じて援軍や食料補給を得ることもできた。　

  2009.09.19

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• 　ラベンナへの道～2

  　　　　　　　　　　ラベンナのモザイク天井　　　　　　　　　　　ラベンナへの道～2　聖堂の中で、多くの人々に1千年の長い期間モザイクが語りかけてきた物語を聞いたのは、空耳だったのか。モザイクは素材がガラス、大理石など光るもので、そこえ効果的に窓からの光を当ててモザイクの輝きを生んでいる。金色の石は無いので、ガラスの裏に金箔を貼り、金色の背景などを作る。自然の石の持つ色をそのまま生かしたモザイクの技法にも興味がある。　元はローマの時代、床タイルに図柄のあるものが壁画にもモザイクで描かれて、絵画のように、長期にわたり光り輝くものとして作られてきたとおもう。私の興味は、はじめスペインのメリダにある国立古代ローマ博物舘の床タイルに驚いた。床タイルはセビリア近くのイタリカの町の遺跡に多く保存されている。　欧州の多くの遺跡でローマの床タイルを見た。ローマ時代床タイルは特別なものでなく、多くの建物にみられた。遺跡にはモザイクのものが多い。壁画でモザイクを多用するのはビザンチン美術の特徴と思う。今回の旅でもモザイク壁画はベネティア、ピサ、シエナなど多くの聖堂に壁画（外部の風雨の当たるとこ）として使われている。

  2009.09.18

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• イタリア、ラヴェンナへの道

  　　　　　　　ラベンナのモザイク壁画 　　　 　モザイクを旅する　　　　　　　 　　　　イタリア、ラヴェンナへの道　ラヴェンナのモザイク壁画に驚嘆した。旅してよかったと心から感じた。聖堂の壁画からビザンチン(東ローマ帝国）の1千年に渡る歴史の息吹を見たのは私の錯覚だったのか。ローマ帝国が402年に東西に分かれて、その後475年西ローマが滅び、東ローマ帝国はビザンチン帝国として11C(世紀）ころまで存続する。　ラヴェンナはコンスタンチノポリス（現在のイスタンブール）に首都が移るまで、ビザンチン帝国の都があった。モザイク壁画への感動のはじめは、光り輝くモザイクのシチリア島のパレルモ市にある、ノルマン王宮のモザイク壁画を見たとき大きな感動を味わった。 10月初めから10日間ほど、イタリアを回った。ローマ、ラヴェンナ、ヴェネッア、ピサ、チンクエ.テッラ、シエナとモザイクをもとめて歩いた。遠目には絵画に見えるが、精緻な大理石の破片を何万と組み合わせたモザイクの輝きが私を捉えた。ナポリの国立博物館でみたアレクサンダー大王の戦いの迫力ある合戦の場面、今回のラヴェンナの壁画に神々しさをみた。

  2009.09.17

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• シエナ歴史的名所～5

  　　　　　　　　　イタリアの聖堂 シエナ歴史的名所～5　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 サン・ドメニコ教会：1226～1465。ゴシック様式のドメニコ会教会。聖女カテリーナの礼拝堂には、ソドマの傑作と言われるフレスコ画、「法悦の聖女カテリーナ」「聖痕を受ける聖女カテリーナ」、また聖女の頭部が納められた聖遺物箱。 サンタ・ゴスティーノ教会：13Ｃ、バロック様式。ピエトロ・ブァヌッチの「キリスト十字架像崇敬」。 聖カテリーナ生家：礼拝堂の積み重ねで全体ができている。下の階には聖カテリーナが住んでいた個室。上の階にはこの前で聖痕(聖人のしるし）を受けたというキリスト十字架像画。

  2009.09.16

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• シエナ歴史的名所～4　　

  　　　　　　　　　　多くのワインのある酒屋 シエナ歴史的名所～4　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　　 シエナのドゥオーモ：シエナで１番高台～古代にはミネルヴァ神殿があった場所～に建設された。12Ｃ（世紀）中頃に着工、14Ｃ末に１度完成、1339に世界最大の大聖堂にしようと計画を変更し、身廊部分を翼廊にすることにした。ところが工事は難航し、ペストの流行、予想外の費用、政権交替で1355年に拡張工事は中止され原案に戻った。　建設様式はロマネスク様式からゴシック様式にまたがる。下半分（1284～96）の建設はジョヴァンニ・ピサーノ、上半分（1376）はジョヴァンニ・ディ・チェッコが担当。外壁・鐘楼・堂内すべてシエナの紋章に由来する白黒の縞模様。黒（濃い緑）大理石はプラート産。ファサードの赤い石はシエナ産。　ドゥオーモの床装飾；1372～1562、神子、徳、寓意、神話の人物、旧約聖書の場面等が56枚の大理石に表される。製作にはベッカフーミ等40人の芸術家が携わった。８月の聖母被昇天祭に全面公開される。　エスペランサ記～シエナ訪問の旅で一番、印象に残った。ドゥオーモの床装飾はどこにも見られない、大理石の象嵌（ぞうがん）の絵画。１枚の絵画の大きさが大きい。小さなものはほかの都市にもあり、シエナの床装飾のすごさを感じた。

  2009.09.15

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• シエナ歴史的名所～3　

  シエナ歴史的名所～3　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　　 シエナの洗礼堂：1317～25。ゴシック様式のファサード上部は未完。洗礼盤は1417、ヤコポ・デッラ・クエルチャが設計し、フィレンツェの彫刻家の協力を得て完成させた。中央の小塔（キボリウム）、各面の「預言者像」「洗礼者ヨハネ像」も彼の作品天井画や壁画はシエナ派の画家ヴェッキエッタの作品。 洗礼盤６枚の浮彫パネル（青銅製）の主題は「洗礼者ヨハネの生涯」。ザカリアの前に現れる天使、洗礼者ヨハネの誕生、荒野で説教するヨハネ、キリストの洗礼、ヘロデの前の洗礼者ヨハネ、ヘロデの饗宴。特にドナテロの『ヘロデの饗宴』は有名。他と違い深い奥行きの効果を巧みに表現している。画面前景は、ヘロデにヨハネの首を差し出しているところ。　　　大聖堂付属博物館１階；大聖堂ファサードを飾っていたジョヴァンニ・ピサーノの大理石彫刻群。２階；ドゥッチョの『マエスタ・荘厳の聖母』。1260年のフィレンツェとの決戦で、シエナは奇跡的な勝利を収めた。この感謝の気持ちを表そうとシエナの人は次々に聖母像を製作。そして戦勝50年を記念し1311年、ドゥッチョによって主祭壇を飾る『マエスタ（荘厳の聖母）』ができた。1505年まで大聖堂の主祭壇に置かれていた。　裏にはキリストの受難場面が多くのパネルに分かれて描かれて、26パネルが展示されている。｢諸聖人に囲まれた聖母子｣｢キリスト受難伝｣｢マリアの誕生｣｢四聖人｣｢福者アゴスティーノ・ノヴェッロの祭壇画｣等が展示されるが、祭壇全体の構成は不明。

  2009.09.14

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• シエナ歴史的名所～2　

  　　　　　　　　　市街の庭園　　　　シエナ歴史的名所～2　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　　　マンジャの塔；88ｍ。リッポ・メンヒのデザイン。塔の上で鐘を鳴らす自動人形がマンジャと呼ばれていたことから町の人の通称となった。塔の下にはカペルラ・デイ・ピアッツァ（シエナをの紋章）がある。ペストの大流行直後1352年に建てられた礼拝堂。１Ｃ（世紀）後にルネッサンス様式に改装された。　シエナの礼拝堂；聖マリアの生涯を描いたタッデオ・ディ・バルトロのフレスコ画と、クレド（使徒信教）を表した15Ｃ（世紀）初めの聖職者席。祭壇にはソドマ作の「聖家族」の絵画。　世界地図の間；画家シモーネ・マルティーニの『マエスタ・荘厳の聖母（1315年）』『グイドリッチョ・ダ・フォリアーノの騎馬肖像画』。ビザンチン美術から脱して、フランスの宮廷文化の影響を強く受けている。

  2009.09.13

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• シエナ歴史的名所～1　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　　

  シエナ歴史的名所～1　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　　 喜び（ガイア）の噴水；1419年にヤコポ・デラ・クエルチャが彫刻した壁面がつけられた。聖母子の彫刻はコピー。オリジナルは痛みが激しくプブリコ宮殿に避難。　（パリオ祭り）～シエナに聖母が出現したという7月/2日と、8/16の聖母被昇天祭の年２回、裸馬にまたがった騎手がカンポ広場を３周する競馬。シエナの17地区が聖母像の描かれた優勝旗パリオを獲得するために戦う。お祭り最初の記録は1147年.8月.16日。　国立絵画館：13～17Ｃ（世紀）にかけてのシエナ派絵画。修道院長ジュセッペ・チャッケリーが自分のコレクションを市立図書館に寄贈したのが設立のきっかけ。　プッブリコ宮殿（現政庁舎）：1289～1342年、ゴシック様式。中央にＩＨＳ（IESUS HOMINUMU SALVATOR）～人間の救い主イエス～と書かれた銅の円盤。これは聖ベルナルディーノが掲げた旗印。

  2009.09.12

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• シエナ歴史地区 （文化遺産）～4　　

  　　　　　　　　　　街中の古い井戸　　　　　シエナ歴史地区 （文化遺産）～4　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　　　　　　カンポ広場世界で最も美しい広場の１つ。貝殻の形で石の輪に囲まれた煉瓦敷き。低くなった所にはブッブリコ宮殿のファサード（正面）がある。８本の大理石の目地で区切られ、９つに分かれた広場は、職人と銀行家の９人のメンバ－からなるシエナの政府（９つの地区・９人体制 1287～1355）のシンボル。　ここでは年に２回パリオ・デレ・コントラーレ（通称パリオ）というお祭りがあり、中世の町の行政地区に分かれて行列し、その後裸馬の騎馬競争がある。町中の旗はこの行政地区の旗で、３つの大地区が更に幾つかの小地区、コントラーデに分かれたもの。勝者には、町の守護神でありこの試合が捧げられる聖マリアの肖像の付いた旗（パリオ）が渡される。

  2009.09.11

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• シエナ歴史地区 （文化遺産）～3　　

  　　　　　　　　　シエナの町　　　 シエナ歴史地区 （文化遺産）～3　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　　　この間フィレンツェとは何度も戦いを繰り返し、シエナは古い都市国家の地位を保ち続けた。現在シエナ＝フィレンツェ間の高速道路で事故が多いのは、昔の両国の戦いのためだと言われる。 ニ国の対立は芸術面でも見られる。フィレンツェは均整と写実を心掛けるロマネスク風が確立し、それがルネッサンスの表現形式の豊かさにつながった。それに対してシエナでは、ギリシャ風またはビザンチン風を続けようとした。このビザンチン風においては、アラベスク模様の線と凝った色が絵画に華麗な気品を与え、ゴシック絵画の魅力の１つとなった。　　16Ｃ（世紀）にはフランスに占領され、それに対してスペイン軍が攻撃をかけるという状況となる。現在のカンポ広場やそれを取り巻く建物、ドゥオーモや洗礼堂、宮殿といった建築物などは衰退の時代を乗り切り、芸術風土も途絶えることなく今日に受け継がれている。

  2009.09.10

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• シエナ歴史地区 （文化遺産）～2　　

  　　　　　　　　　　　シエナ市内の町　　　　　シエナ歴史地区 （文化遺産）～2　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　　　11Ｃ（世紀）半ばにはコムーネ（都市国家）に成長。12Ｃ中頃、自由都市となったが、隣のフィレンツェとは長く激しい敵対関係にあった。シエナの発展を支えたのは商人と銀行家。出自は殆どが小市民階級で、町の政治が貴族に牛耳られるようなこともなかった。政府は９人で構成され、まれに見る公平な政治が行われた。　シエナは発展の出鼻を常に隣のフィレンツェに押さえられていた。商人が北ヨーロッパに進出しようとすると、フィレンツェの邪魔が入る。市域拡大を図るとフィレンツェが立ちふさがる。こういうわけでフィレンツェが教皇党なのに対して、自動的に皇帝党という立場を取ることになった。　12～13Ｃには教皇庁の管財代理人としてアルプス以北の国々を相手に活躍し、強大な勢力を築いた。1260年のモンタペルティの戦いでフィレンツェに奇跡的に勝ち、約200年、全栄期を迎えた。町が栄えれば芸術も隆盛し、シエナ派という特に絵画の面での一派が誕生し、イタリア美術史の中でも特異な発展を遂げた。しかし1348年のペストで７万人の人口の2/3の住民が命を失い、町の衰退が始まり、ヴィスコンティ家やペトルッチ家に支配され、1559年メディチ家を君主とするトスカーナ大公国に併合された。　

  2009.09.09

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• シエナ歴史地区 （文化遺産）～1

  　　　　　　　　　イタリア、市内の状況　　　　シエナ歴史地区 （文化遺産）～1 　ローマ時代には軍事植民都市となり、セーナ・ユーリアと呼ばれていた。伝説ではローマを建国したロムルスの双子の兄弟のレムスが兄に殺されて、その息子のセニウスとアスキウスが、神から与えられた白馬と黒馬に乗って北方に逃れてシエナを建設したと言われる。シエナはセニウスの名に由来し、「オス狼に育てられる双子の兄弟、ロムルスとレムス」は、シエナの象徴となった。町の至る所でこの彫刻を見ることができる。　白と黒の組み合わせはシエナの紋章で、白馬と黒馬は起源不詳な紋章に後から由来をこじつけたもの。文書の記録では、アウグストゥスの共和制ローマ時代にセーナ・イウリアというローマの殖民地ができたことが始まり。　ローマ滅亡後、北ヨーロッパのランゴバルド族やフランク族の支配下に置かれながら、次第に町としての力を養っていく。その原動力は、豊かな農業生産物があったこと、またロンバルディアとローマを結ぶフランチェジーナ街道と、フィレンツェ、ボローニャ方面からの道が交差する交通の要衝にあったため、商業・手工業とりわけ金融業が発達したこと。

  2009.09.08

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• シエナ歴史地区 （文化遺産）

  　　　　　　　　　イタリアのモザイク シエナ歴史地区 （文化遺産）～2～私のイタリア旅　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　　　シエナのドォーモの横には、素晴らしい宗教画のドゥオーモ付属美術館”DUCCIO"という美術館があり、ドゥチオの”荘厳の聖母”の人物の顔が素晴らしい。国立絵画館にもシエナ派のコレクションが良い。 　シエナで感銘を受けるのは、世界一美しいといわれる（他の広場が文句言いそう）カンポ広場のプッブリコ宮殿とマンジァの塔。傾斜した広場には世界中の観光客がゆったりとカフェなど飲む。町の中には宮殿のような多くの建物が見られ、フィレンツェと競った中世の繁栄が今も思わせる。私もカンポ広場で朝食をとった。パニーニとカフェラッテを飲みながらカンポ広場を堪能した。　　　　

  2009.09.07

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• シエナ歴史地区 （文化遺産）～1～私のイタリア旅

  　　　　　　　　　　　シエナの町 シエナ歴史地区 （文化遺産）～1　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　　　シエナのドォーモに感動した。ドォーモの床一面に大理石の象嵌（ぞうがん＝大理石の土台を削りそこえ色石をはめ込んで絵画を作る技法）の素晴らしさ。普通の教会堂の床には大理石の色石でデザインされているのは普通、シエナでは床全体をキャンバスに象嵌による絵画が大理石でつくられている。他でも紋章など小さなものは見られるが、このような50枚以上(大きなもので一枚が縦5M*横4Mの大きさあり）の大理石による絵画（象嵌）は初めて見た。　シエナ、ドォーモの外観にも驚く。飾りの絵画はモザイクによる絵画がファサード(建物の正面）を飾る。フィレンツェでもおなじようなファサード見たが、シエナのドォーモのほうが規模が大きい。シエナの町は中世のままの城壁に囲まれた町。バスはセントラール（町の中心）には入らない。バス路線がいったん郊外に向かうが町の城門のほかの場所に付けてくれる。セントラール内はミニバスで狭い道を通る。シエナの町が丘のいくつかを結んだとこで、上下の坂の多い町。

  2009.09.06

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• ピサのドゥオモ広場～私のイタリア旅から

  ピサのドゥオモ広場と斜塔 （文化遺産）　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ピサから～モンテロッサ（チンクエ、テッラ）へ　午前中ピサの斜塔に登るため、ピサのドオーモに向かう。ピサの斜塔は予約があり12時に登ることになる。2時間ほど周りの洗礼堂やドオーモの内部の見学。ドオーモの主祭壇のモザイクはビザンチン美術の影響を受けている。特徴のあるビザンチン十字（たてと横の長さが同じ十字架）が描かれている。ピサにビザンチンの文化が来ている。ピサの斜塔の見学には螺旋階段の登りがきつい。展望台は見晴らしが素晴らしい、町の全体を見下ろす。大理石の床が雨のときはツルツル滑ると思う。柵も簡単なもの、足を滑らせると5階から下に落ちそう。足がすくんで写真もこわごわ撮る。時間制限の30分で降りる知らせあり、階段をおりた。他の人から、カメラのボタン押して欲しいと言われて、こわごわ動く。　ピサの斜塔を見てからピサ駅に向かう。バスを利用するが、だいぶイタリアのバス（停留所が難しい）も降りるとき早めにブザーで知らせるため、地理が分からないと乗り過ごすこと多い。ピサ駅からラ、スペツア行きでモンテ、ロッサにむかう。列車は休日前で込んでいる。若い人の団体さんが騒いでいた。　ラ、スペツアで乗り換えモンテ、ロッサに着く。ホテルは込んでいる。何軒か聞き、”アミイチ”（友達）というホテルへ、1日90Ｅ（ユーロ）で決める。約1泊1万2千円で高い。ほとんど1万以下で泊まってきたので、高く感じた。夜のレストランではサラダ、デル、マーレでたこ、いか、えびの入ったサラダを頼む。夜、外に出るとフィエスタをしてて、多くの観光客や村びとが出て、ダンスを路上で踊る。こんなところに、イタリアの明るさをみる。若い人も出ていて、ローマから来ていたアメリカ人の女性と久しぶりにダンスを踊った。ジャズのシンガーでうまい女性が歌っていた。旅の中で、一番楽しかった思い出になった。

  2009.09.05

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• ヴェネツィアングラス

  　　　　　べネッツアの運河とベッキオ橋　　　　　　　　　　　　　ヴェネツィアングラス　イスラムの技法を受け継ぎ、13Ｃに製法を確立、「ガラス同業組合」が造られた。1291年、火災を防ぐために、また技術の秘密を守るために、すべてのガラス工房がムラーノ島に移された。ルネッサンス時代にはヴェネツィアの一大輸出産業として優れた製品が造られ、以後、ムラーノ島はヨーロッパのガラス製造の中心となった。　コバルト、マンガンなど鉱物を溶かし込んで造ったヴェネツィアンブルーや、ヴェネツィアンレッドと呼ばれる深みのある色ガラスを使う。古代ローマ時代の吹きガラスを復活させたことでも有名。

  2009.09.04

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• ヴェネツァ～水上の都～5

  　　　　　　　　　　ベネチアのサンマルコ寺院のファサード部分　　　　　　ヴェネツァ～水上の都～5　　　ゴンドラはどうして黒いか。　ゴンドラはヴェネツィアの生活に欠かせない物だったので、財力のある者は何艚かの自家用ゴンドラを持っていた。金持ち市民が自家用ゴンドラに装飾を施すことを競い合うようになり、弊害がはなはだしくなったので、共和国政府は1562年、法令を定めて黒一色に統一した。　当時はゴンドラの数が１万にも上り、形も大きさも色々で、狭い運河での交通渋滞、衝突事故、船着き場の不足が大きな問題になったため、大きさを統一し、すれ違ったり船着き場に入ったりするのに便利なように、船首と船尾が細く跳ね上がっている古来の形に統一された。この形は狭い水路や浅い水路でも操作が容易なように、11Ｃ（世紀）頃生まれたと言われている。　長さ約11.5ｍ、幅約1.4ｍで、左に乗るゴンドリエーレとバランスが取れるように、左舷が右舷より25cmほど長い。船首に付いている飾りはフェッロと呼ばれ、元来は船首に乗るゴンドリエーレとの間で重さのバランスを保つ物だった。今では装飾で、曲がり角や見通しが利かない所では先触れの役目をする。

  2009.09.03

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• ヴェネツァ～水上の都～4

  　　　　　　　　　　　ヴェネツィアのサンマルコ広場　　　　　ヴェネツァ～水上の都～4　　ヴェネツィア共和国の国章「翼あるライオン」　　　新約聖書にはマタイ、マルコ、ルカ、ヨハネの４人が、イエスの生涯と教えを記述している。「マタイ伝福音書」等と呼ばれている。４人の福音書記者にはそれぞれシンボルマークがある。マタイは天使（誕生の象徴）、ルカは牡羊（犠牲の象徴）、マルコはライオン（復活の象徴）、ヨハネは鷲（昇天の象徴）で、いずれも翼がある。　ヨーロッパではすべての国、都市、同業組合、個人などが守護聖人を持っている。ヴェネツィア共和国の守護聖人は聖テオドーロだったが828年、この町の商人がひそかにエジプトのアレキサンドリアに遠征し、聖マルコの遺骸を盗み出してきた。そして、聖マルコが主席の守護聖人になった。　聖人にもランクがあり、最高クラスは洗礼者ヨハネ、ペトロを筆頭とする12使徒、初期教会で偉大な働きをしたパウロ、そして４人の福音記者。ヴェネツィアの人達はギリシャ出身のあまりぱっとしない聖テオドーロを次席に格下げしたのも無理はない。以来聖マルコはヴェネツィア共和国の守護聖人になり、そのシンボルである「翼あるライオン」が国章になった。国章としてのライオンは開いた聖書を持っている。ヴェネツィアのサン、マルコ広場には 彫像「翼あるライオン」が高々と飾られている。

  2009.09.02

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• ヴェネツァ～水上の都～3

  　　　　　　　　　　　べネッツアの象徴，サンマルコ寺院 　　　　ヴェネツァ～水上の都～3　ヴェネツィアに陰りが見え始めたのは1453年のトルコ軍によるコンスタンチノープル征服以来。17Ｃ（世紀）まで断続的に続くオスマントルコとの海上覇権を巡る戦いで、さすがのヴェネツィアも消耗してしまう。そして15Ｃ末、世界は大航海時代を迎え、バスコ・ダ・ガマによる希望峰周りの東方航路の開拓や、コロンブスのアメリカ大陸到達等によって、わが物としていた地中海は単なる内海になってしまった。　海洋国家としての足場を崩されながらも、貿易立国から農業・手工業を基盤とする経済への転換が行われたが、活発な冒険精神は消えてしまった。1797年、フランスのナポレオンが入城して、ヴェネツィア共和国のほぼ千年の歴史は終わった。18Ｃ以降、享楽的・祝祭的な文化都市に脱皮。世界で最も早い時期に観光都市として名乗りを上げ、大成功を修めた。

  2009.09.01

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• ヴェネツァ～水上の都～2

  　　　　　　　　ヴェネツィアのドージェ宮殿　　　　ヴェネツァ～水上の都～2　今では大部分が無人島だが、ヴェネツィアの潟には数十の島がある。ヴェネツィアの町があるリアルトの島（各島は橋でつながれている）には、最初はごく少数の漁民などが住み着いただけだった。商業の中心はトルチェッロ島、政治の中心はリド島にあった。800年、フランク王国（現在のフランス）の攻撃を受け、本土から近いリドは危険であるとし、潟の真中にあって本土のどこからも遠いリアルトに本拠を移した。また、トルチェッロ島でマラリアが流行した、人々はリアルトに移ってきた。　　政体はドージェ（代表、元首）を頭とする共和制。ドージェとは軍団長を意味する言葉で、ヴェネツィアの統治方法の代名詞ともなっている。ドージェは最高権力者だが、同時に幾つかの委員会の監視を受け、独断専行できない。（現在の三権分立に似る）立法府が独立し、元老院が外交を司り、十人委員会が治安を受け持つというように、権力の集中を避けた一種の民主体性を維持した。　アドリア海の付け根という地理を利用して、海洋国家（イタリアの3大海運国の一つ）としての地位を確立していく。13Ｃ初めにはドージェのエンリコ・ダンドロが自ら十字軍を指揮して出撃。十字軍本来の使命、聖地の奪回などどこ吹く風で宝の山が眠っているコンスタンチノープル（東ローマ帝国＝ビザンチン帝国）をひたすら攻め、略奪品をヴェネツィアに持ち帰った。（現在のヴェネツィアに略奪品の博物館あり）ヴェネツィアの宿敵は半島の反対側のジェノヴァ。このジェノヴァとの戦いに1381年に勝利し、14～15Ｃにかけてヴェネツィアは絶頂の時代を迎えた。　　　　　　　　　　　　　　　

  2009.08.31

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• ヴェネツァ～水上の都～1

  　　　　　　　　　　ヴェネツァアのカデミア橋　　　　　　ヴェネツァ～水上の都～1　　　アドリア海の女王と讃えられる町。古代末期から中世初期にかけて西ローマ帝国が崩壊し、蕃族（ゲルマン民族）の侵入が相次いだ時代に、必死の思いで本土から避難してきた人達が、常識ではとうてい大勢の人達が生活していけるとは考えらない潟（がた～海の低湿地）の中の低い島々に、執念で住み着いて遂に町造りを果たしたのがヴェネツィア。移住は452に蛮族が侵入してきたときに始まり、その後200年に渡って何回にも分けて行われたと考えられている。　それまでにも戦乱はあったが、一般住民にまで危害が及ぶことは少なかった。悪くても略奪を受けるくらいで、抵抗しない限り殺されることはなかった。でもこの時は違い、蕃族相手にはローマ帝国の常識は通用せず、抵抗しなくても何もかも奪われ、殺され、焼き尽くされた。助かるには逃げるしかなかった。　　　陸上ではいくら逃げても足の速い蛮族に追いつかれることは目に見えている。残るは潟の中に散在している島々しかない。潮位が上ると水没してしまう島もあったが、いずれにしても草が茂るだけの低湿地で、木は生えていない。魚が獲れる以外食べ物もない。それでも人々は船を集め、食料、水、衣類、材木等を積み込んで潟の中の島々に避難した。

  2009.08.30

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• ヴェネツィアとその潟～イタリア

  　　　　　　　　　べネツッアの運河と塔 　ヴェネツィアとその潟 （文化遺産）　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　　　　ヴェネッア　ヴェネッアではサンマルコ広場にあるドッカーレ宮殿が素晴らしい。評議員室や欧州一大きなホールに驚く。ヴェネチア共和国の偉大さを考えた。2日目はアカデミア美術館とサンマルコ美術館をみる。ヴェネチア派の絵のすごさを見る。人物の描きかたに独特なものあり、背景に黒く塗ったもの多い。普通、宗教画が多いが、ここでは共和国の戦争ど、国の重要な対外関係が描かれる。サンマルコ大寺院の天井やフサードのモザイクの絵画に感動。　ヴェネッア生活博物舘で共和国時代の生活が分かる。コインの展示は数の多いこと、多くの時代に発行されたコインのデザインに驚く。約1千年の間に1万点近くのコインの展示。年代が古いものはのっぺりして何の絵柄も無い、近くのものは現代のコインに近い。観光が多いため、休養をとる目的が少ない、ゆっくりしたペースで旅を続けること。　三日目は午前中、サンロッコ信者会の絵に驚く。16世紀（C)のルネッサンス建築とティントレットの56枚の絵画に感動。一人の画家の絵がこれだけ集められている場所も無いと思う。信者会の力のすごさを考えた。帰りにビィポレット(船）に行くとストライキで動いていない。代替のゴンドラで対岸に渡り歩いて、駅にむかう。途中、リアルト橋で船に乗り駅にいけた。ピサ行きの列車に間に合う。

  2009.08.29

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• フィレンツェ市内の名所～2

  　　　　　　　　　　イタリアの古い井戸　　　　　　　　　　　　　　　　フィレンツェー市内の名所～2　アカデミア美術館（ガレリア・デル・アカデミア）：ミケランジェロのダヴィデのオリジナル、未完に終わった彫刻群など。　サンマルコ修道院：画僧フラ・アンジェリコのフレスコ画。サヴォナローラが修道院長だった。　サンタ・クローチェ教会：フィレンツェに関わりのある偉人達（ミケランジェロ、ダンテ、ロッシーニ、ガリレオ等）の墓碑や記念碑が納められているので、フィレンツェのパンテオンとも呼ばれる。ドナテロの「受胎告知」の浮彫や、「十字架のキリスト」の木彫りが見られる。フランチェスコ会の修道院に付属する聖堂として14Ｃにできた。　ピッティ宮殿：パラティーナ画廊ではラファエロ、ティッツィアーノ、カラヴァッジョ等の作品、近代美術館では19Ｃ以降のトスカーナの画家達の作品が見られる。他に磁器博物館、銀器博物館、馬車博物館、衣装博物館等がある。

  2009.08.28

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• フィレンツェ市内の名所～1

  フィレンツェ市内の名所～1ドゥオーモ広場：サンジョヴァンニ広場と一体になった中心広場。ジョットの鐘楼、洗礼堂。ドゥオーモ（サンタ・マリア・デル・フィオーレ）：花の聖母教会。イタリア全体では約3000もの聖母マリアに捧げられた教会に、お互いに区別できるように就職辞をつけている。フィレンツェという名は「花の都」という意味わいを含むので、ここのドゥオーモ母なの聖母マリア教会と呼ばれるようになった。シニョーリア広場：東にヴェッキオ宮殿（市庁舎）・ネプチューンの噴水・ダヴィデのレプリカ。北にコジモ１世の騎馬像・「ジュディッタとオロフェルネ」。丸い金属が埋められているのは、市民や教会の堕落を訴えた修道僧サヴォナローラが火あぶりの刑にされた所。メディチ家礼拝堂：サン・ロレンツォ教会と奥の方でつながっているが、入り口は別。17Ｃにトスカーナ大公になってからのメディチ家の君主達が眠る。新聖器室はミケランジェロの設計。

  2009.08.27

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• フィレンツェ～ウフィツィ美術館の絵画

  　　　　　　　　　　聖堂のモザイク画　　　　フィレンツェ～ウフィツィ美術館の絵画　ウフィツィ美術館：1560年、メディチ家のコジモ１世は、ヴェッキオ宮殿が手狭になったので、ジョルジオ・ヴァザーリにオフィスの拡張を命じ、シニョーリア広場からアルノ川の岸辺に向けてコの字型の建物を造った。それはオフィスの集合体なので、ウフィツイと呼ばれた。次のフランチェスコ１世は最上階をメディチ家が集めた美術品の保存場所とした。その意志はフェルディナンド１世らの後継者に引き継がれ、類まれなコレクションが完成した。　　　　　　　受胎告知（ウフィツィ美術館蔵）　受胎告知には２つの話がある。マタイ伝では、マリアはヨセフと婚約していたが、２人が一緒になる前に身籠もっていたことがわかる。ヨセフはマリアのことを表沙汰にするのを好まず、縁を切ろうとする。その時天使が夢に現れ「恐れずマリアを迎えなさい。マリアの子は精霊によって宿ったのである」と告げる。　ルカ伝では、天使がマリアの所へ行って「あなたは身籠もって男の子を生む」という。こちらが狭い意味での受胎告知で、絵の題材としてもよく使われる。天使は絵では女性の様に見えるが男性で、清純のシンボルである白百合、オリーブ、その他の花を手にしている。 　　　　　　　ウルビーノのヴィーナス（ウフィツィ美術館蔵）　注文主はウルビーノ公、モデルは夫人。ウルビーノ公は夫人のヌードを永遠に留めておきたかった。が公爵夫人が裸婦になっては社会通念上まずいので、現に生きている人の肖像でも神話伝説中の人物に見立てて描くという当時の習慣を利用して、名目は「美と愛の女神ヴィーナス」の絵ということにした。

  2009.08.26

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