二回目
ロンドンで2回目のテロが起きた。今のところ犠牲者もでていないようだし、警察が犯人と思わしき人物を射殺したようだから、テロは未然に防がれたといっても良いのかもしれない。 1回目のテロのとき、僕は「アルカイダの犯行にしては犠牲者の数が少ないな」と思った。だから2回目もひょっとしたらあり得るのではないかと思っていた。それに対して、「警備が厳しくなったから2度目はない」という人もいた。 僕の知り合いは大学生で、夏休みはロンドンに2週間の語学研修に行くことになっている。大学主催のプログラムで、同じ大学の人と同じ寮に住み、ロンドンの大学の授業を聴講する。たった2週間では語学力は身につかないと言う人もいようが、学生時代の多感な時期に人種のるつぼで暮らすことができるのだから、語学力云々の問題ではないだろう。問題はロンドンが安全か否かだ。 前出の発言、テロに「2度目はない」と言ったのは、実は大学のプログラムの主催者で、驚くべきことに7月7日、すなわちロンドンで一回目のテロがあった日の夜に、プログラムの参加者にメールで送られてきた。参加者を安心させる意図があったに違いないが、現地の人々も何が起きたのか十分に把握できていないあの段階で、どうしてそのような意思決定をできたのだろう。もしかしたら大学当局は、我々もBBCも知らないような情報源とつながっていて、安全に関する決定的な情報を握っていたのかもしれない、と考えたがその可能性は低そうだ。 非常時には国民の行動は制限される。特にテロの場合は人々は過敏になるし、NYではロンドンのテロを受けて地下鉄での荷物検査を始めたようだ。日本ではいまのところ何もないようだが、ロンドンに行く日本人は不自由を味わうだろう。自爆テロを防ぐのは不可能な所業のように感じられる。それでもまずはできる限りの情報を集め慎重に行動すること。もちろん、必要以上の警戒は良くないが、いまのロンドンでは、警戒をしすぎるということはない。