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カテゴリ:VAIO
以前、ソニーのパソコン「vaio type L(バイオL)」が不良品だったがソニーが返品をかたくなに拒み続けて、ずいぶん苦労したいきさつを書いた。それを読んでくださった方に教えて頂いて、ソニーのお客さま窓口「バイオカスタマーリンク(VCL)」についての某巨大掲示板のスレッドからの引用を、先日掲載した。 ソニーは顧客からのバイオについての相談窓口を「バイオカスタマーリンク」に当たらせているが、不良品返品交渉中に僕が聞いたところによると、これはソニーの子会社だそうである。そして電話対応をしている彼らはアルバイトなどではなく「正社員」とのことだ。一般的にコールセンター会社はアルバイトを雇って経営していることがほとんどだと思われるが、彼に言わせれば「正社員」だそうである。仮にもしもこれが嘘ならば、顧客に対して虚偽を行ったことになる。 ところで前述の掲示板への書き込みによると、どうも嘘をつかれた疑いが出て来た。 ソニーが「ベルシステム24」「トランスコスモス」「キューアンドエー」に1件の電話受信で○円という件数方式で業務委託してます という書き込みがあるのだ。通常、こうしたコールセンター会社は、業務の繁忙に合わせて、フリーターの人たちを期間を定めて雇って電話対応に当たらせる。窓口をさせてくれるクライアントや窓口の規模が頻繁に変わるので、雇う人数を柔軟に調整したいし、賃金を安く抑えるため、正社員として雇用することはできない。だからアルバイトを雇うのだ。 つまるところ「バイオカスタマーリンク」とは、ソニーの子会社「VCL」に委託されたコールセンター会社が雇ったフリーターの人たちだ。 ソニーに限らずここ何年か、企業は顧客窓口を自社ではなく、下請けのコールセンター会社に任せる、という方法がすっかり定着してしまった。酷い場合には、下請けどころか、下請けに仕事をもらって孫請けのコールセンター会社のバイトの人が電話に出ている場合すらある。 こういった、顧客窓口を他社任せにするやり方に、僕は強い不満を感じる。上記のソニーが不良品返品をいつまでも渋ったのと同じ様な問題が、そのせいで増えているからだ。コールセンター会社は往々にして、顧客の利益よりもクライアントの利益を優先しがちである。コールセンター会社にとって「お客様」とは、顧客ではなくてコールセンター会社に仕事をくれるクライアント様だからだ。「バイオカスタマーリンク」を名乗るコールセンター会社にとって、大切にすべきお客様は我々消費者ではなく、バイオカスタマーリンク社様であり、ソニー株式会社様なのだ。 ソニーとしては、不良品が出てもなるべく返品を受け付けたくない。ましてや不良品ではなくユーザーの過失による故障までもを返品扱いしてしまうことは、絶対に避けたい。こうしたソニーの要望に沿いたいコールセンター会社は、「ユーザー責任の故障」は乱発できても、「初期不良」認定は最小限に留めたがる。初期不良でもないのにあやまって初期不良と断じてしまい、返品返金を約束したはいいが、実は単なるユーザーの過失破損でした、などということになったら、ソニー様に今後仕事をもらえなくなってしまう恐れが出て来るからだ。 こうしてバイオカスタマーリンクは、顧客からの不具合の苦情を受けると、顧客自身の使用方法や環境を徹底的に疑い、意地でも初期不良ではない、と言い張る。明らかな初期不良でも、ソニー様に返品することにならないように、何度も無意味なリカバリを繰り返させたり、環境のせいにする。ソニーは裸の王様のまま、不具合情報を正確に入手できない。 こういった顧客軽視の窓口対応は、実に様々な場面ではびこってしまっている。顧客にとって有害なのは皆さん経験の通りだし、企業自身にとっても顧客の真の声が届かないことはプラスではないだろう。企業はコールセンター会社を利用するなら、考え方を大きく改める必要がある。現状のようにヨイショし耳に心地よいことだけ言ってくれるイエスマンではなく、顧客の苦情をきちんと聞き入れて誠意を持って対応できるような体制を作れない限り、コールセンターを使うべきではない。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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