2008/09/14(日)22:46
記憶が薄れないうちに・・緊急帝王切開体験記その4
帝王切開のための腰椎麻酔が効いた後は、開腹手術に入りました。とはいえ、目の前に布が貼られていて手術の様子は分かりませんが、お腹を引っ張られるような感覚は分かりました。でも、麻酔が効いているので全然痛くありません。 側には看護士さん(助産士さん?)がついていて、時折話し掛けてくれたので、手術の緊張から気が紛れてよかったです。(りと様が仙台市在住ということで、仙台の話をしたように思います。)そうしているうちに、酸素カプセルが口に当てられ「今、赤ちゃんに酸素がいってますからね」と、言われました。 ・・・突然、お腹全体を引っ張られるような感じがしたと同時に「はい、二時二十六分です」。同時に、下の方から赤ちゃんの産声が聞こえてきました。 これが「りと子さん誕生」の瞬間でした。 手術台からは見えませんでしたが、1~2分後、おそらく口の中の羊水を吸い取られた後に「オギャーオギャーオギャー」と、大きな泣き声が聞こえました。この声を聞いた時、「ああ大丈夫だな・・」と、根拠のない自信を感じたのを覚えています。(病室に戻ってから、小児科の先生が来て「赤ちゃんの呼吸が少し荒い(全速力で走った後のような状態)」と聞かされた時も、「大丈夫」と思ってました。いつもは、かなり心配性のりと様なので、あの時の心境は今考えると不思議な感じです・・)生まれたてのりと子さんは、りと様と一分ほど対面した後、即、NICUに連れていかれました。初対面のりと子さんは、皮膚の色が薄い紫色で(羊水に浸かっていたため)、やはり小さかったです。「触っていいですよ」と言われましたが、小さくてこわれそうなので、そおっと「お手て」を撫でただけにしました。さて、胎児が出た後も手術は続き、先生に「ごめんなさい少し気持ち悪いかもしれない」と言われた『子宮を水で洗う処置』は、何とも形容しがたい気色悪さで「早く終わって~」という感じでした。(内臓をいじられることで、手術中に嘔吐する人もいるそうですが、りと様は大丈夫でした。ちなみに吐き気もしなかったです。) 最後に傷口を閉じている時、なんとなく感覚は分かりましたが、これは別にどうということはなかったです。帝王切開の手術時間は、手術室に入ってから出るまでちょうど一時間でした。すべての処置が終わってストレッチャーに乗って病室に戻りましたが、今まで見慣れたはずの病院内の風景も、あおむけのため視線が天井向きになると、ほんとうに違った風景に見えました。(続く)