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山口小夜の不思議遊戯

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2006年04月27日
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 『父と子と』 第13節─愛ちゃん─

 私は呪師だ。
 中年でもある。
 
 いや、そういうことよりも、ここは息子が自力で対処する場ではないか。
 「ちらでございま
 と、折りよく支配人氏がテーブルを指し示してくれたので、私はひとりで歩き出した。

 愛ちゃんが嬉しそうに笑っている。
 そういえば、「こ」がついている。

 「みませんでし
 と、息子が続けて言った。

 (もーちょっと気の利いた台詞はないのかっ)と、私は思うのだが、それどころではないのか、息子はともかく一家に会釈をし、
 「きーっ
 と、愛ちゃんの素早いカウンターを浴びても、余裕の表情であった。

 私は既に席に着き、メニューを手に取っている。そういう父である。
 かくて愛ちゃんたち三人は、「つね・・・ねこ・・・」と、あとは差し障りなく続けながら、食事を終えて席を立つ模様である。
 店内は元通り静かで、
 「ばいばーい、お兄ちゃん」
 と最後に手をふった愛ちゃんの、その言葉がどこかしみじみと響き渡った。

 「しあわせにね、愛ちゃん」
 息子はそう言って手をふり返し、愛ちゃんの両親は向こうでしきりに頭を下げている。

 愛ちゃんはかわいい。
 私は、結構気に入った。

 私は「かたつむり」のバッヂを付けており、息子は話題を振られれば適宜応じる「頭のいい青年」であり、彼女の指摘と選択はとても正しい。
 その「頭のいい青年」が今、肩を落としてやってきて、座るやいなや、「かたつむり」を睨んだ。
 かたつむりがどうしたというのだ。
 このかたつむりをかたどったバッヂがかたつむりに似ているのは、私のせいではない。
 私は、自作のこのかたつむりに誇りを持っている。
 それ以上に、息子の知性を高く買っている。

 何しろ、もとはと言えば、私の遺伝子だ。私は父だ。

                              ─つづくよ─


 

 本日の日記-------------------------------------------------------

 本日は、急遽『装丁について』の日記を書かせていただきます。

 同じ立場にいらっしゃる方から、『編集は神の技』について、はよ書かんかい! とのご指摘を受けたので心苦しいものがありますが(笑)、ごめんなさい、もう少しお待ちいただけますか?  ただ今、編集者と「コンクラーベ」の最中で・・・・がっぷり四つに組んで、根競べ中です。
 リライト完成の後、つまり、5月8日の締め切り以降、あるいはその間近になって、やっと「編集」について私がなにか言える口を持てるようになるのかもしれません。機が熟すまで、どうかよろしくお待ちいただければとお願い申し上げます。

 そこで、本日は編集部からの意向をご紹介しつつ、装丁についてのイメージを皆さまにお伺いをさせていただきたいと思います。

 現在、アルファポリスで想定している表紙のイメージがあるそうなのですが、小夜子が描けるというならば、描いてみないかという打信がありました。ただし、表紙として使用するものなので、相当重要な要素であり、本来ならばプロのイラストレーターさんに描いてもらう次元であり、思いっきりプロとしてのお仕事をアルファポリスの方でも要求することになると──。

 そして、それを使う・使わないは別としても、アルファポリスに自分なりの装丁イメージをお伝えするか、手書きでラフを描いて送るかするよう指示がありました。

 さてさて。

 実は私、朝イチのお返事で自作の装丁は「ご遠慮」の旨をお伝えしました。
 私の絵はあくまでも落書きの範囲ですので、自分で表紙を飾ろうなどとは微塵も思ったことはありません。
 けれども、「小夜子なりの装丁イメージ(表紙のイメージ)」を考えるように言われたことにはとても嬉しく、また興味をひかれました。

 そこで、皆さまにお伺いさせていただきます。
 『青木学院物語』に対する「表紙のイメージ」をお持ちいただいておりますでしょうか。
 
 編集が「絵」と言うからには、「写真」ではなく「絵」なのでしょう。私個人といたしましては、やっぱり目次の背景に入れていた「群像」がいいかな、と。あの構図でなくていいのです。むしろあの構図は不自然ですから・・・。

 もし、よろしければ、皆さまの胸にある『青木学院物語』という一冊の本の表紙を、教えていただければと思います。

 なお、『青木学院』を目にしていらっしゃらない方も、ぜひ日頃より「書籍の表紙について」感じていらっしゃることなどをお聞かせいただければとお願い申し上げます。

 これ、実は急ぎだそうです。
 5月8日の締め切りと同時に、表紙の装丁案も固めるそうなので、どうかよろしくお知恵を貸してください!


 【本日の私的物語観】
 ●編集は神の技●について、一言で言わせていただくならば、ズバリ、

 書くは人の常
 編集は神の技

 すなわち、「書くこと」は誰にでもできます。
 けれども、「編集」は誰にでもはできません。
 つくづく最近、思うのです・・・・・。


 明日は●状況と言葉の持つ力について●です。
 編集者との丁々発止のやりとりを描写させていただきます。
 小夜子に力を!

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最終更新日  2006年04月27日 10時42分47秒
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