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藤の屋文具店

GFW差し替え脚本「轟天号アタック」


「君の行動は、地球防衛軍の規律に、多々違反していることが報告
されている。よって、本日付を以って、轟天号の艦長を解任し、6
ヶ月間の謹慎処分とすることを、申し渡す」

 司令官の去った後で、神宮寺は吐き捨てるようにつぶやいた。へ
っ、ボーイスカウトじゃないんだぜ!

               ●

 やがて轟天号の修理は完了し、艦長に就任した土方大佐の指揮に
より、X星人の宇宙ステーション攻撃のため、出撃して行った。
「敵、確認、軌道SSL23、相対速度200宇宙キロ、方位、1
0335、角速度12ラジアンで正回転!」
「ようし、艦首拡散冷凍砲、用意っ!」
「セフティロック解除、エネルギー虚数回路オープン、電影クロス
ゲージ、明度30!」
「目標に変化なし、ファイアポイントまであと12秒!」
「耐ショック、耐閃光防御、総員反動に備えよ!!」
「7.6.5.4.....」
「発射ぁぁあああ!!!」

 猛烈な閃光とともに、エネルギーの位相を反転された負の熱エネ
ルギーのビームが、X星人の宇宙ステーションを襲う。レーダース
クリーンは、発生した多量のニュートリノのために粒子干渉の終わ
るまでホワイトアウト。艦橋には息苦しい沈黙が流れた。

「レーダー回復、画像を拡大しますっ!」
 正面のビデオパネルに、敵宇宙ステーションの画像が大写しにな
った。だが、その外壁には何の変化も見られない。
「だめだ、ダメージは認められない」
「ひるむな、艦首ドリル回転、接近戦に挑む!」
「艦首ドリル、起動!」
「司令塔格納、砲塔カバー展開、アタックモード発令!!」

 新轟天号は、そのスムーズな船体に全てを引き込み、ハイパーチ
タニウム鋼の3重螺旋ドリルを回転させながら、バリアフィールド
に突入していった。
 だが、敵の軟質バリアーは、触れるとゾル状に変化し、物理的な
エネルギーを流してしまう。轟天号は、空回りするその戦闘力に歯
噛みしながら、攻撃を諦めた。
「だめだ、・・・この船では、勝てない・・・・」
 搾り出すようにうめく土方艦長、艦橋の中に沈痛な空気が澱む。

 そのとき、レーダー手が声を上げた
「未確認飛行体、軌道SSL25より接近!!」
「本艦よりわずかに小さな船です」
「・・・なんて乱暴な操艦だ・・・」
「すぐ近くまで来ています、もうすぐカメラの視界に入ります」
 ビデオパネルに写った映像を見て、どよめきが上がった。そこに
は、無数のリベットが打ち付けられた時代遅れの老朽艦の、補修に
補修を重ねた無骨な船体が写っていた。
「これは・・初代轟天号・・」
 もはや前世紀の遺物と化した旧式な船体には、歴戦の傷跡が生々
しく残り、それは、地下ドッグで解体処分を検討されていた退役艦
のはずであった。それがなぜここに、くいいるように見つめる艦橋
の人たちに、音声通信が入る
「諸君、わたしは神宮寺だ、本艦は、退役軍人で構成された、轟天
建武隊である。これより本艦は、地球人類の威信をかけて、X星人
撃滅のために出動するっ!!!!」

 通信の背後で、おおーという声が上がり、いかにも頑固そうな面
構えの老人たちが、杯の水を飲み干すと投げ上げた。神宮寺大佐は、
土方大佐に軽く会釈をし、直立不動で敬礼をすると、通信を切った。

「艦首ドリル、高速回て~~~んっ!」
「冷凍砲、全ての照準を突入ポイントに合わせよっ!」
「全エネルギーを単焦点メーザー冷凍砲に集結する、艦内の生命維
持装置、空調設備は停止っ! 各自宇宙服を着用っ!!」
「原子炉リアクター、リミッター解除っ!」
「砲手、操舵手、バリア付近では空間が歪む、電子照準には誤差が
でるが、まどわされるな、機械に頼らず、自分の経験を信じるんだ、
いいな」
「はいっ! 」
「突撃~~~」

 時代遅れの一隻の軍艦が、猛烈なアタックを開始した。白熱する
ビームがバリアーのただ一点を襲い、限界まで回された高速回転二
重ドリルが、わずかに凍結して柔軟性を失ったそこへ、神業のよう
な正確さで突入していく。一瞬の後にバリアーは飛散し、初代轟天
号は巨大宇宙ステーションの中になだれ込んだ。
 たちまち襲うX星人の戦闘艇、だが、超々ジュラルミンを一撃で
融解するビームも、46サンチ砲に耐える防御鋼板には通用しない。
一直線に敵の心臓部めがけ、時代遅れの男の船は、全力で突進して
行った。。。。。
















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