2009/05/15(金)18:01
『My name is TAKETOO』ヒキタクニオ
神に選ばれし肉体を持つバレエダンサー。老化、誘惑、追走者、罠。彼の最大の敵とは―2060年、第18回「ペルフェクション」、精神と肉体の限界が試される過酷なバレエ・コンクール。5年に亘りその頂点に立ち続ける勝者に、魔の手が静かに忍びよる。大藪賞作家が描く究極の美と苛烈な生。心と身体の限界に挑むエンターテインメント誕生。(「BOOK」データベースより)
西暦2060年、男性バレエダンサーは自分の足に金属をインプラントし、女性のように爪先で立つことができるようになった。だだし、コンクールでは体の金属量の比率が多ければ減点対象になる。ドービングもOKだが、減点対象になる。
緻密な文章で読了するのに2週間もかかってしまった。
未来の話ではあるが、古典的なバレエの型が継承されている。美しいものは時が経っても変わらないということか。
武任(タケトウ)は日本人とアメリカ人のハーフ。日本刀を切断してトウにする。鉄のしなやかさがあるという。
それにしても、足の骨にドリルで穴をあけ、ボルトを埋め込むなんて!麻酔を使うと、ドーピングの原点対象になるので使わない。(痛)
小指は切り落として足の指は4本。ボルトに日本刀を加工した爪先を固定する。演技前はドーピングの原点対象になるので痛み止めも使わない。
だが、そこまでしてトップになっても老化には逆らえない。
近い未来にこんなことが可能になったとして自分の体を改造してまでトップになろうとする人が出てくるだろうか?
これは現実味がないにしても、
「アメリカが落ちぶれて、オーストラリアが水素燃料の開発に成功して世界のトップになっている。テロリストも資金がなくて活動ができない・・・・・」
こんな未来だったら、すぐに来るかもしれない。