2010/06/08(火)22:18
『三月の招待状』角田光代
いまどきの若者が学生気分のまま、わちゃわちゃと集まっては飲んで、たわいもないことで泣いたり笑ったり・・・って感じかなそして、離婚パーティーに集まった仲間が、ひと月ごとに変化してゆくそれにしても、角田さんは心の微妙な揺れを描くのがとても上手い。人に対して感じる言葉にできない変な感じをズバッとスキッと文章で表現してくれる。それが、小説家だ、と言えばそれまでですが【内容情報】(「BOOK」データベースより)
新たな門出を祝う34歳の離婚式。何を終わらせ、何を変えるのか-。男女5人の友情と恋愛を描いた長編小説。
ある日、年下の恋人と暮している充留のもとに届いたのは学生時代からの友人、裕美子と正道の離婚パーティの案内だった。二人は大学時代に出会って16年、付き合ったり別れたりを繰り返し、三年前についに結婚したのだった。
パーティで久しぶりに顔を合せたのは、結婚している麻美、学生時代有名人だった宇田男、充留、そして裕美子と正道。麻美は気がついたら宇田男とキスをし、恋をし、デートを重ね、夫に嫌気がさし家を出た。
離婚後の正道は、屋外デートを拒み家事に励む恋人に急激に気分が白けていく。裕美子は青春を取り戻すかのように合コンに行きデートを重ねるが虚しさを覚える。充留は結婚を決めたが、仕事は減るし恋人は結婚準備に非協力的だ。動揺,苛立ち・・・。それぞれの出発と揺れる心を繊細に描く。