2014/03/03(月)14:22
『ゼツメツ少年』重松清
物語全体をとらえようとすると頭が混戦状態になって、先に進まなくなるので、登場人物である3人の少年少女に焦点を当てて読むとすっきりします「いい子」である兄に学校でも家庭でもいじめられて居場所がなくなった中学2年のタケシ、いじめられている同じクラスの男子を助けたことで自分がいじめの標的になってしまった小学4年のリュウ、3歳で亡くなった姉の面影を両親から投影され続ける小学4年のジュン、3人が出会って自分の居場所を探しに行く・・・陸に居場所がなくなって海に帰っていったクジラのようにその物語を書くことになったセンセイも、娘がいじめにあい自殺した。コンビニの前でよその中学生からいじめられるタケシの気持ちにはっとする、「いじめの手口はどうしてこんなに似ているんだろう。全国共通いじめマニュアルみたいなものがどこかにあって、それがこっそり回されているのだろうか。だが、同じいじめにあっても被害者のほうはそれぞれ違う。自殺する奴もいれば、しない奴もいる。不登校になる奴もいれば、ならない奴もいる。その境界線はいったいどこにあるのだろう。」
【送料無料】ゼツメツ少年 [ 重松清 ]【内容情報】(「BOOK」データベースより)
小説家のもとに、少年から謎の手紙が届く。「僕たちはゼツメツしてしまいます」少年2人、少女1人、生き延びるための旅が始まるー僕たちをセンセイの書いた『物語』の中に隠してほしいのです。ゼツメツ少年からの手紙は届きつづける。でも、彼らはいま、どこにいるのか。「大事なのは想像力です」手紙は繰り返す。やがて、ゼツメツ少年は、不思議な人物と次々に出会う。エミさん。ツカちゃん。ナイフさん。このひとたちは、いったい、誰ー?