本ちょこっとかじり虫

2022/01/17(月)20:18

『続・ペコロスの母に会いに行く』岡野 雄一

ア行作家(42)

​​​「生きとかんば、どげんでんなる!」 ペコロスの母の言葉が身に沁みます。 前作、2012年 ​ ペコロスの母に会いに行く (角川文庫) [ 岡野 雄一 ]​ の続編です。 母を看取ったあとも、気配を感じるペコロスさん。 「ウンコしかぶろうが、シッコしかぶろうが、生きとってくれれば良かとたい」  (しかぶる→もらす) ボケがひどくなった母がトイレの壁にウンチをくっつけて、 自分の顔にも服にもくっつけていた時、 「早く死ねばいいのに」と思ったペコロスさん、 小さい頃母から言われた言葉を思い出す。 「ウンコしかぶろうが、シッコしかぶろうが、生きとってくれれば良かとたい」 「木魚じいさん」の編では 「しっかり生きとかんばだめぞー。戦争は知らんうちに来っとぞー。」 と、近所の子供たちに声をかける、頭が木魚に似たおじいさん。 戦争で2人の息子を亡くしている。 「戦争は知らないうちに来る」 今の時代と似ているような気がして、 涙が滲んできました。 ​ 続・ペコロスの母に会いに行く [ 岡野雄一 ]​​​​

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