『ミュンヘン』
『ミュンヘン』観てきました。『宇宙戦争』の大傑作ぶりに、スピルバーグには期待を隠せません。……しかし…長い…。最近は映画も3時間クラスのものが多くなって、どうにも辟易します。それだけならまだしも、予告編も20分くらいやってる気がします…。まあ、僕は映画が好きというよりも、映画館にいることが好き…というような気がするので別に良いのですけどね。さて『ミュンヘン』。1972年ミュンヘン・オリンピック、黒い九月、PLO、モサド、ファタハ、バーダー・マインホフ、赤軍、IRA、ETA…この映画の中では、そんな言葉が普通に語られるのですが、みんな分かるのかな? と思ったら、後に座ってた女の子たちが「さっぱり分からない」と言ってたので、ああ、やっぱりと思った次第。いや、たぶん、この日本で普通に生きてたら、イスラエル・パレスチナの問題なんて、知らなくたって別にどうってことない問題だもの。呪わしい80年代が60~70年代の革命熱をダサいものとして簡単にゴミ箱に捨ててしまった日本では、テロ=犯罪という支配者側の論理がまかり通ってしまっていて、もうあの頃を語ることすら困難なものとなってしまっている。映画としては、多少、中だるみ的な部分が無きにしもあらずといった感でしたが、明らかな作家性というか、メッセージをひしひしと感じる力作です。でもやっぱり上映時間が長いなあ……2時間以上の映画を観てると途中で疲れちゃうのは年齢のせいでしょうか…? 体力のせい…?さて『ミュンヘン』関連で、『テロリスト 黒い九月』という映画があります。そのものずばり、ミュンヘン・オリンピックの事件の映画化なのですが、テロリスト役がフランコ・ネロ(ジャンゴ!)、警察署長役にウィリアム・ホールデン(パイク!)という超豪華(一部で…)主演陣。まあ映画的にはアレな出来ですが、やっぱ主演二人はかっこいいので、もしレンタル・ビデオ屋でみかけたら是非観てみたらどうでしょう? 『ミュンヘン』の説明不足な点が少しは解明すると思いますよ。