とっても可愛らしくて、じーんときて
なおかつ、がつんと来る本を読みました。
その名も『ネコーチング』(Nanaブックス)
白根敦子さんと栗原貴子さんの共著です。
初め、このタイトルを聴いた時、
猫の特性を人間もまねろという本なのかな?と
勝手に思っていました。
猫ってあまり知られていないけれど、生きる知恵の宝庫。
例えば猫に食事をあげると必ず少し残しているのですが、
後で獲物を収穫できなくても飢えないように、
ちゃーんと、後のことを考えて食事をする知恵を
持っているんですよ♪
だから、そんな猫ちゃんを見習って貯金しろとか
3日できっぱりと気持ちを切り替えるところを見習って
気分転換の方法とか…読むまではそういう本かな~と
思っていたのですが、これは、にゃんとびっくり!
猫ちゃんが人間の言葉をしゃべって
恋にも仕事にも息詰まっていたOL、ナオに
自分の道をコーチングしていくというストーリー。
小説仕立てでいろんな教訓を教えてくれる本です。
そして、うそくさくない、主人公の自然な変化も共感を覚えます。
ドラマや童話だと主人公が夢のように変わる
シンデレラストーリーが描かれがちですが、
この本は、人間の言葉をしゃべるミヤコが
自然に~自然に~ナオを導いてくれます。
そして、読み終わった後は、読者も一緒に
成長でき、変化を遂げられる、素敵なお話です。
まず、ストーリーの最初の部分では、ナオは
同性の私から見ても、絶対、友達になりたくないタイプの女性でした。
29歳の誕生日をひとりで過ごし、
独身連盟の友達が誕生日を忘れたと言って逆恨みし、
自分ひとりが不幸を背負っているかのように荒れ狂います。
でも、それが、しゃべる猫・ミヤコのコーチングによって
だんだん変わっていきます。
なんでみんなだけ幸せになって、私は結婚できないの?と
思っているナオに猫のミヤコは
「アンタが結婚できないのは、アンタ自身に問題がある」と
言ってのけます。
そう、今、悩んでいることやうまくいってないことって
ほんとはよく考えてみると、自分自身に問題があるのに
とかく人や時代や環境のせいにしがちですよね。
そして、ナオのこと、こんな人友達になりたくないな~と
思う私も、この台詞には聞き覚えが…
「私のどこが悪いのよぉ?何も悪いことしてないじゃない。
ただ、普通に生きているのに、どうして幸せになれないのよぉぉ。
みんなは結婚して、ステキなマンションんに住んで、
おもてなし料理つくって友達呼んで、幸せそうな毎日を送っているのに。
私には、どうして彼氏すらいないのよ!本気で焦ってるんだよ!!
一生、独身だったらどうしようって不安で眠れない夜もあるんだよ!!」
…ギクリ(;一_一)
これと似たような台詞って、誰しも一度や二度は
心で口走ってしまったことないでしょうか?
私は結構、あります(^^ゞ
特に恋がうまくいかない時とか、あるいは恋愛でなくても
仕事や経済的なことでつまづいた時も
「何にも悪いことしてないのに、なんで私だけ~???」みたいな
そんな不満の抱き方って、結構、してるんですよね~。
でも、ミヤコは「自分自身に問題がある」と諭し、
ナオが幸せになるよう、コーチングを買って出ます。
そして、最初は1時間早起きして、片付けをしてから
会社に出かける…人に「ありがとう」というのを
口ぐせにするというような、ナオの生活から改善させていくのですが、
ナオが自分の生活を少しずつ見直すことで
周りの人もだんだんナオへの態度を変えていきます。
そして、猫のミヤコの言うことが、いちいちギクリなのです。
合コンに誘われても「どうせいい人来るわけないし…」と
思うことを、ウニに例えてこんなことを言っています。
「合コンも同じだってことよ。『どうせ、いい人来ないし』っていう
先入観で行ってる限り、どんな男も絶対いい人に見えるはずなんてないのさ。
大体、たかが二時間話しただけで、相手の何がわかるっていうのさ?
ちょっと考えればそんなことわかるだろ?
『どんな人なのか知りたい』って気持ちで人と接することができない限り、
出会いなんかないし、あるのは重ねたって何の意味もない
『やっぱり違う』の連続なんだよ。
ウニだって、最初に誰かが興味持って中を開けてみたから
美味しいってわかった訳だろ。男も中身を見ようとしないと
本当の味なんてわからないんだよ」
他にも周りと比べることを、こんなふうにピシャリ。
『アタシの方がかわいいのに、どうしてあの子には彼氏がいて、
アタシにはいないの?』とか。(中略)そういう考え方は、
結局顔にも出るものなんだよ。アタシみたいに心が読めなくても、
他人様は無意識に感じてるんだよ。
で、周りの男たちは思うのさ『こんな高飛車な女はゴメンだ』って」
これ、ルックスに限らず、いつも思いがちなことですよね。
「私の方が仕事、真面目にやっているのに、どうして
あの人の方が出世するの?」
「私の方が才能あるのに、どうして他の人ばかりうまくいくの?」
「私の方が学生時代、成績よかったのに、なんであの人の方が
いい家に住んでいるの?」
こんなふうに、人と比べて、無意識のうちに自分も相手も
貶めていること、よくありますよね。
ミヤコはナオの家を去る時、置き手紙を残していくのですが
ここにこんな名言が!!
「自分と他人を比べたところで意味はない。
卑屈になるか高慢になるだけ」
ああ、耳が痛いですね~(;一_一)
でも、他にも「人生には不必要なことはない」とか
「考え抜いて決めても、傷つくことはいっぱいある。
人生は何が起こるかわからないものだから」など
ほろりとくる名言もいっぱいです。
そして、合コンでモテる方法とか
夢に近づく仕事につく方法なども、ナオとミヤコの会話で
とてもわかりやすく教えてくれています。
小説になっているので、ああ、ほんと、そういうことって
あるなあ~と、うなづきながら読んでいけるのです。
ページのはしに書いてある注釈も面白いし、ミヤコの
教えてくれることわざも面白いです。
私はさすがに、国語の教師をしていたので
ほとんどミヤコの言っていることはわかったのですが、
この本を読んで、なるほど、古くからある
ことわざを知っておくだけでも、人生、失敗しないのに…なんて
面白く感じました。
最後に主人公ナオが、自分が何をしていたら幸せかを
知っていき、目の前のことを一生懸命やっていたら
思ってもみなかったような道が広がるという
エピローグもとっても素敵でした♪
読み物としても面白いし、自己啓発本としても
学ぶところはたくさんあるし、笑わせてくれたり、
ホロリとさせられたり…のとっても素敵な本です。
別に猫好きさんでなくても、幸せになりたい
すべての女子にオススメの本です!
もちろん、男子にも、既婚者の方にも!
結婚生活を幸せにする方法も書いてありますよ!
是非、皆様、この素敵な『ネコーチング』読んでみてくださいね!
それでは、毎日楽しい、いいことパラダイスな
日々を送っていきましょう!!

いつも応援ありがとうございます!
