2021年02月の記事一覧 | 風子の575　あるがままに

二月尽　fu

にがつじんしょうじにうつるとりのかげ　　風子　　　　　　　　　二月尽慌ただしく短い月が過ぎた去年とは違う気がする歳をとったせいばかりでもなさそうだ

2021.02.27

青ぬた　fu

あおぬたやすこしはやめのゆうごぜん　　風子　　　　　　　　

2021.02.26

鵯去る　fu

みひとつをのこしひよさるはるのゆう　　風子　　　　　　　だんだん億劫になり金柑にネットをかけないでいたら早くから鵯がやってきて色づく傍らからものの見事に食い尽くされた人影が見えたらさっと飛び去る素早さちょうど戸口を出た際一粒を残し飛び去るところ明日はもうなくなっているだろう

2021.02.25

猫　柳　fu

あっしにはかかわりねえとねこやなぎ　　風子　　　　　　　　　わかんな～い　と若い子らは言うまたかあとぼくらは言う性懲りもなくと思う記憶にございませんと最初は言いばれると反省と謝罪おいらにはかかわりねえことでござんすと言ってるはなから同じことが繰り返されるそんな世界が遠くて近いところにある

2021.02.24

青信号　fu

あおしんごうむなしいまちのよかんかな　　風子　　　　　　　　昨日は4月の陽気今日からまた冬に逆戻りコロナのせいもあり　　　　休日でも街に人影は少ない　　　　

2021.02.23

田起こし　fu

かぜのくるむこうはおうみたをおこす　　風子　　　　　　　田植えに備え人と牛馬で起こしていたのは昔のはなし今は春耕も機械まだ布引おろしが冷たい広々とした田圃地帯にもトラクターが1.2台動き回るほかは人の姿はない

2021.02.22

明日へ　fu

しゅんこうにみちたあしたへあゆみだす　　風子　　　　　　　　　ともかくも今日を悔いなくそして明日に向かって一歩

2021.02.21

非日常　fu

しゅんしゅうやつくりざかやのくらじまい　　風子　　　　　　新型コロナのパンデミックは日常生活を一変させたごくごく当たり前であったことがあれよあれよと言う間に当たり前でなくなったひととの接触を控えるようになった街の賑わいも消えて多くの企業や店が苦境に追い込まれた働くひとびとも職を失った暮らしや街の賑わいが一変したごく普通の日常と想像もしなかった非日常が逆転したそれでも多くの人は明日に向かって生きているコロナのせいかどうかは分からないがこの街で最後の一軒の造り酒屋が昨日152年の酒造りの歴史に幕を降ろした多分もう新しい杉玉を見ることもないだろう地酒は多くの愛飲家に愛され毎年の新酒の蔵開きには多くの酒好きで賑わった試飲のときの仕込みに携わった但馬杜氏の笑顔が懐かしい昨日が地酒「初日」の販売は最後ぼくなど普段は口にできない極上酒中取り銀米大吟醸をゲットしてきて愛しく眺めているここにもぼくの非日常がある

2021.02.20

心のふるさと　fu

ふるさとの山に向かいて言うことなし　　　　ふるさとの山はありがたきかな　　啄木上掲写真はぼくの散歩道（風の小径）のある田圃から望む布引山地・青山高原の山なみである布引山は鈴鹿山脈の南端に続く高さは7～800m程度のなだらかな山容で山頂からの眺望がよく軽登山のコースも整備されており観光地として知られているまた山頂にはいつかこのブログ仲間のセラちゃんが紹介してくれていた発電用の巨大な風車が立つ山なみを隔てた滋賀県側から吹く風を利用するこの風車は今では91基、国内最大規模を誇る、まさに圧巻この山なみに抱かれるように南に広がるのがぼくの栖のある街でこの山なみは街のシンボル的な山であり母校の高校の校歌にも歌われている山でもある我が街は、ぼくが生まれ育ち一時期を除いて人生の大半を過ごした穏やかな田舎街だが決していい思い出ばかりあるわけではないときには故郷を捨てたいと思ったときもあるしかしかのセザンヌが故郷南仏プロバンスのサント・ビクトワール山を生涯愛したようにぼくにとってこの布引山はときに慰められときに励まされてきた心のふるさとともいえる存在なのだ

2021.02.18

芽吹き　fu

すごもりはごめんとめぐむうきのとう　　風子　　　　　　　　　　　巣ごもりは嫌やだよね仕方がないからしかも年寄はヤバイから巣ごもりしているけどはやく自由に外の空気が吸いたいねえ親しい友ともあいたいよねえ

2021.02.16

来年も…　fu

らいねんも咲いておくれよシクラメン　　風子　　　　　　今頃来年のことを言っては先日追い出した鬼に笑われそうだが…なんせ日がタウのが早いものだから今年ももう少しは咲いているであろうシクラメン夏越しがうまくいくか仮に越せてもこちらの寿命のほうが分からないがお互い精一杯きままに生きてがんばろうぜと声かけてみる

2021.02.15

ニニ・ロッソ　fu

独身時代仕事場へゆくのに朝一番の電車で通っていた寒さの頃は駅までの自転車通いも結構つらかった電車がくると一時間半ほどの乗車だからドアが開くのを待ちかねたようにそれぞれが定位置の席めがけ駆け込むまだ車内の暖房も温まってない時刻それでもすぐに眠りにつけたこんな朝はあの頃よくラジオで耳にし元気をもらったニニ・ロッソのトランペットの曲が思い出される

2021.02.14

海に吼える　fu

こんしんのこえふりしぼりはるのうみ　　風子　　　　　　　　　

2021.02.13

目白くる　fu

ひさびさにとりとかたらうはるひとひ　　風子　　　　　　　いつもつがいで来ていた目白が来なくなって久しく毎日来るのはひよどりばかりで可愛げがなく　寂しかった庭に珍しく一羽の目白がちょいの間いたのでみかんを山茱萸の枝に挿しておいたらまた来てくれてわずかの間だったが心あたたまる一日になったありがとネ

2021.02.12

ゆ　め　fu

よばわれどふりむかぬひとはるのゆめ　　風子　　　　　　夢には願望や空想、心の迷い、儚いことの喩えや睡眠中に見るゆめなどいろいろある寝ていて見る夢にも楽しいゆめもあれば怖いゆめ、苦しいゆめ儚いゆめ分けのわからないゆめなどある夢は深層心理のはたらきによるといわれるがこの歳まで生きて幾多の夢をみたがいまも心に残る夢に関わる夢をみることがある小学校に入る一年も前に父は召集され母の手でぼくと妹は育てられていたから貧しく辛い思いや寂しい思いをし泣きべそをかくことも多々あったある夜戦地にいる父が現れる夢をみた笑顔の父はぼくに近づくと　無言で肩を叩き　頭を撫でるとくるりと向こうを向いて去ってゆく父を追っかけながら大声でおとうさ～んとなんども呼ぶが振り向きもせずに遠ざかった行くおとうさ～んと大声で呼ぶ自分の声で飛び起きた床を出て隣の部屋へゆく母は管制灯の明かりの下で夜なべの針仕事に精を出していたがその周りを　お父さんが、お父さんがと泣きじゃくりながらつぶやきぐるぐる廻わるぼくを何しとんの？寝ぼけとったらあかんにおしっこやったら早う行っといで！と母は強く咎めたお父さんは　お父さんはどこへ行ったん？どこへ行ったんや～と叫び　泣きながら外へ飛び出したすぐ近くの森でホッホウ　ホッポポ　ホウホウとフクロウがなく寒々とした夜空の月の下で僕は大声で泣いたその情景のゆめを時折みて今も80年ちかく昔の夢から目覚めると目頭が濡れていたりする男の子が女々しいことを言うもんじゃない男が人前で泣くもんじゃないと日頃から母は厳しかったから夜ひそかに外に出て泣いたりしていた泣き虫だったそんなぼくもいろんな試練を経て長じるに及び心臓に毛が生えた男と揶揄され泣き虫で女の子にからかわれるようなそんな子だったと言うとうっそお～と言われるから分からないものだそんなぼくが近頃は幼児返りしたのか老いて涙腺が緩んだのかとみに泣き虫になってどうしようもないaituさんの記事がきっかけで恥ずかしいことを書く気になった

2021.02.11