いのちを刻む時の音 fu
あきたつやいのちをきざむときのおと 風子 勤めの仕事をやめてからは時計が必要でなくなった起きる、寝る、出かける、帰る飯を食う送る、迎える人と会う乗り物にのる、降りる天気がおかしい 仰ぎ見る会議会議に参加する聞いてる、しゃべる etc.…大げさに言えば日常という空間は時間との勝負だっただから時計が要った時代が変わって 今どきはスマホがあるから時計は要らぬという声も聞くが僕らの時代は時計は必需品だったIWCだのロレックスだのロンジンだのは高嶺の花どころか流れる雲みたいなものだがセイコーファイブを初めいくつ手にしたことかサンデー毎日となりながらく時計はどこかにしまったままだったがふとした気の迷いで時計を身につけたくなりスマホでは嫌で安価だがリーズナブルでブランド価値は十分にあると思えるノーブランドのアナログ時計を買った笑われそうだが時がいのちを刻む音が妙に気になり出したからだ若いうちは不確定の未来に目が向くから時間の感覚は鈍いが老いて来ると時間の感覚が若いときとはまるで違う過去に向かって流れる時の速さが日に日にめっちゃ気になる時がいのちを刻む音を確かなものにしたくて時計を見るしかもレトロ感覚の懐中時計の針を