平成29年11月、たまたま時間ができたので、以前の勤務先の静岡に行ってみよう!と思い立ち、妻と静岡へ出かけました。
そして、岐阜で開業して以来10年以上も行っていない、「ふく動物病院」の名前の由来になった、「ふく」のいたお寺にも行ってみないか、という話になりました。
少ない時間でしたが、昔懐かしいお店に寄り、いざ、お寺に向かって出発!
懐かしい道を走りながら、心地よい気分になりました。
しかし、住職さんの名前はわかるものの、お寺の名前はわかりません。
この辺りかな?
いや、もう少し川の近くだったような・・・
すぐに、わかると思っていたのですが・・・
かなり、道に迷いました。
そして結局、以前一度しか尋ねたことのないそのお寺には
辿り着くことはできませんでした。
とても残念でしたが、後ろ髪を引かれながら、そのまま岐阜に帰りました。
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12月に入り、年の終わりを感じるある日のこと、静岡からみかんが送られてきました。
妻の実家が静岡なので、実家からの贈り物かな?なんて思いながら、ふと宛名を見ると、なんと「ふく」のお寺の住職さんの名前が書いてあるではありませんか!!
つい先月訪ねようとして、たどり着けなかった、あのお寺の住職さんからの贈り物だったのです!
この偶然に驚きながら、みかん箱に書かれている電話番号にすぐに電話をしました。
すると、住職さんがこんな話をして下さいました。
「先日、荷物を整理していたところ、何年も開けていない箱がありましてね、箱を開けてみると、以前、「ふく」が亡くなった時に先生が送ってくださった手紙と写真が入っていまして。
そしてちょうど箱を開けた日がね、12月12日、ちょうど「ふく」の10年目の命日だったんです。
そして、とても懐かしく思ってみかんを送ったんですよ」
と。
その話を聞いて、私たちはさらに驚きました。
だって僕たちはもう十何年と会っていない住職さんのところに、つい先日会いに行こうと、そのお寺へ向かったんですから・・・。
しかも結局、お寺に辿り着くことができず、残念な思いで帰ってきたのですから・・・
これがただの偶然と言えるのでしょうか?
その事実を伝えると、住職さんもとても驚いてみえました。
きっと「ふく」が、「ここだよ!ここだよ!」「もう近くだよ!」って、
私たちを導いて、繋いでくれたのではないでしょうか・・・。
「10年経っても、私たちを見守っていてくれているんだ!」と
本当に温かなものが込み上げてきました。
皆さん、いつも愛し愛されてきた家族の一員が亡くなってしまった時、
とてもとても辛く、悲しい気持ちになりますよね。
でもね、こんな「ふく」の話を聞いたら、10年経った今でも私たちのことをずっと見守ってくれているんだと思いませんか?
きっと、いつまでも、ずっと皆さんのことを見守っていてくれて、幸せを願っていますよね。