最新作『ドリームキャッチャー』が、作品社から発売開始された。
表紙には、背景にメサの岩肌を遠望する沙漠にかかげられたドリームキャッチャーが風にそよいでいる写真が使われている。ドリームキャッチャーとは、悪い夢は夜明けとともに消え去り良い夢だけが残るようにと願をかけるアメリカ先住民のお守りのことで、この作品をシンボライズしている。
全く現在のアメリカの話であるが、開拓時代の西部劇でしばしば使われるコロラド、アリゾナ、カンザスが舞台となっている。主人公は30代の日本人女性で、彼女が交流する同世代のアメリカ人男性を通じて、彼らの心象風景に触れる。
日本に極めて強い影響力を持つアメリカという国の原点とも言うべき素顔を探ろうとした。
アメリカの小説のスタイルに合わせて会話中心の展開で、読みやすい。
帯には「日本女性サクラが直面する大国アメリカの真実。戦争する国の人と風土が織り成す注目のミステリーロマン」とある。