ふるさと太宰府探検隊

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  大野山と四王寺山

  この信号機の後ろが都府楼跡です。ここは、観光名所としてガイドさんが必ず案内してくれるところです。でも、その背後の大野山についてはどうでしょう？この山は海抜４００メートル足らずながら、その昔、白村江の決戦で唐・新羅連合軍に大敗を喫した大和朝廷が、峰々を結ぶ巨大要塞を築いたところです。白村江では本当に恐ろしい殺戮戦が行われたのでしょうね。同じ目的で作られた水城跡についてはまた後日レポートしましょう。最後に、奈良時代末の宝亀５年（７７４年）に、この山に「四王院」あるいは「四王寺」と呼ばれるお寺が建てられ、このため地元の人々は、この山を「四王寺山」と呼ぶのです。★大野城の看板は、頂上付近にあります。

  2007年06月10日

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  ★番外編～菅原神社の怪　２

  ６月１日(金)、大分県玖珠町にて所要を済ませ、一路、宝泉寺温泉方面へ。山里の日暮れどきは早く、宝泉寺から菅原神社へと心ははやります。その昔、菅原道真と幼子（娘）が、刺客の手から逃れて、この山里へ落ちて来られたそうな。道真が頼った人物は、都にいた頃の学友で観応というお坊さん、さて、その寺が浄明寺。ここで皆さん浄妙尼の話を思い出されましたか？老婆が道真を助けた話もどこか一致してますね。神社境内の砂は、災難よけ、正直者の守り神、学問上達のお守り代わりとか。帰路、宝泉寺温泉に立ち寄って、湯船に浸かったら、そこは作家壇一夫ゆかりの湯でした。美人湯に満足しつつも、欲張りな私は、神社境内の砂をちゃっかり持ち帰ったのでした。で…？。何のため。実は私、正直者になりたくて。皆さんはいかがですか？★浄妙尼については、２００７年２月２３日の記事を参考にして下さい。★菅原神社は宝泉寺温泉を過ぎて、川底温泉蛍川荘の看板が見えたら、そこから５００メートルほどの上ったところです。★浄明寺は、菅原神社から２００メートルほどの所にあります。

  2007年06月05日

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  大野山（四王寺山）あたり

  ここがあの有名な都府楼跡。都府楼とは大宰府政庁が置かれた場所のこと。三つの石碑が見えますか？この背後に控えるなだらかな稜線を描く山なみが大野山（四王寺山）です。一見すると、何の変哲もない山ながら、古代、軍事面においては大変重要な戦略上の拠点でもありました。これから、数回に分けてこの山をめぐる数々のエピソード、薀蓄（うんちく）の数々を並べて参ります。そこでクエッション？太宰府と大宰府はどう違うのでしょう？この答えはまた後日。よろしくね。

  2007年06月01日

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  戒壇院異聞

  戒壇院異聞（延命地蔵）写真は戒壇院の一角にあるお地蔵様です。本日はこのお地蔵様にまつわるお話しをいたしましょう。恒例の早朝座禅会のあと、境内の草引き、茶話会と続いたのですが、初めて座禅に来られた方に自己紹介をお願いしましたところ、その方はとつとつとお地蔵様のお話しをされました。何でも、娘さんが授かった赤ん坊が６５０グラム？の超未熟児とかで、このまま育ってくれるだろうかと思いあぐねてこのお地蔵様にお参りしたところ、ある夜のこと、お地蔵様が夢枕に立たれ、お地蔵様のまわりで何人もの幼子がうれしそうに遊んでいる光景が浮かんだのだそうです。お判りでしょうか？その方は、授かった赤ん坊が無事育つことを直感されたそうです。今は、中学生になられたとか。子を思う親心、有難いことですね。ともすれば、人の命が軽んじられる時代になりました。仏さまは命の尊さを教えてくださるのですね。

  2007年05月20日

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  戒壇院(後編)

  鑑真さんが日本に来られた理由は次の４つ（一）留学僧の熱意に心をうたれた（二）聖徳太子伝説 （三）長屋王の袈裟の文字 （四）仏教は東へ伝わると予言されていた （三）は、長屋王が唐の高僧に送ったとされる袈裟のこと。袈裟には、「山川異域　風月同天　寄諸仏子　共結来縁」という文字が刺繍されていた。鑑真さんは、「このような国であれば仏法が正しく伝わるであろう。」と、日本行きを決意されたとか。長屋王の変：長屋王は、７２９年（神亀６年）２月１０日、密かに左道を学んで国家を傾けようとしているとの讒訴（ざんそ）にあい自殺に追い込まれた。藤原氏一門の妬みを買ったとも。日本史の暗い一面ですね。★戒壇石：くんしゅ肉門に入るを許さず。★鑑真さんの石碑：戒壇院の中にある。

  2007年05月18日

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  戒壇院（前編）

  井上靖氏の『天平の甍』でも知られているとおり、鑑真さんは盲目になりながらも６回目の渡航で日本に上陸。上陸地点は坊津（鹿児島県南さつま市）とされ、秋目と呼ばれる小さな入り江です。昨年の９月でしたか、前回お話した戒壇院座禅会のメンバーと坊津への旅に出かけましたが、上陸地点とされるところに鑑真記念館がありました。その鑑真さんが、来朝してまず入ったのが太宰府観世音寺であったとか。★写真は、戒壇院正面と秋目浦です。

  2007年05月14日

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  鑑真さんの御命日

  今日５月６日は、鑑真さんの御命日。観世音寺に隣接する戒壇院では、毎月第１、第３日曜日（第５？）の早朝、恒例の座禅会が行われています。今日は、座禅の後、鑑真さんの法要が行われました。ところで、皆さん、日本三戒壇をご存知ですか？奈良東大寺、下野（栃木県）の薬師寺、そしてここ太宰府の戒壇院です。本堂にある盧遮那仏（国重要文化財）は平安時代後期の作とか。戒壇とはお坊さんになる資格を授かること。今日で言えば、国家資格のようなものでしょうか？この寺の本堂には、なぜか、鑑真和上と空海の像が安置されています。重要文化財の盧遮那仏、鑑真和上、空海さんの前で座禅できる場所は日本全国ここだけ？この二人の人物と寺の接点とは何でしょう？次回から２回に分けて、戒壇院を取り上げます。よろしくね。

  2007年05月06日

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  日吉神社

  日吉（ひえ）神社は、観世音寺の鎮守社とされ、ちょうど観世音寺の裏手にあります。どうでしょう。黒々とした森が背後に控えていますね。昔、村々の鎮守の森には神様がどっかと鎮座しておられました。今は、あまり見かけませんね。伝によると、天正１５年（１５８７年）島津征伐の帰路、太閤秀吉がここに陣を張ったそうで、挨拶にやって来た観世音寺の別当は、こともあろうに輿に乗って、秀吉の面前に現れたため、秀吉の癇気を蒙り、「哀れ」寺領没収の憂き目を見たそうな。寺から神社まで、ほんの数１０メートルの距離しかないのに、無礼な振る舞いだったかも知れません。これを境に、観世音寺の寺勢は衰え、あまたの僧侶も四散したとか。それにしても、この秀吉の陣営にはどんな人物がいたのでしょうね。　黒田如水、立花宗茂、加藤清正？立花宗茂については、また、別の機会に取り上げてみましょう。

  2007年05月04日

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  観世音寺(後編）

  さて、この宝蔵に安置されている不空羂索観音（ふくうけんじゃくかんのん）が本日の主人公です。道真の母上は観音様の篤き信者であったとか。筆者は、前回お話した「不出門」の記載から、道真は事実上の軟禁状態にあり、犯罪人に近い扱いを受けていたと見ています。観世音寺から道真の宿舎である榎社はほんの２．３キロ。すぐ近くの観世音寺へのお参りも許されず、ただ鐘の音をきくのみ。何と悲しいことでしょう。名高い不空羂索観音像と観世音寺の鐘の音に、道真は母を思ったことでしょう。朝な夕なの鐘の音が母の優しい眼差しと重なって、どれほど道真の心を癒してくれたことでしょう。「ゴ－ン」「挫けてはなりませぬ。」「ゴ－ン」「人を恨んではなりませぬ。」母の愛は鐘の音となって心に響くのです。因みに、不空羂索観音は手に持つ不空の羂索（投げ縄？）によって、罪業におぼれ、悪行に沈む衆生を救済してくださるのだそうな。有り難きかな。有り難きかな。★不空羂索観音像：現在のものは鎌倉時代の作、平安時代のものは心木と一部破片のみ残存。

  2007年04月27日

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  観世音寺(前編）

  観世音寺入り口のこの石塔、伸びやかで堂々たる書体ではありませんか？何という書体でしょうね。観世音寺の正式名は清水山普門院観世音寺。寺伝によると、この寺は斉明天皇の冥福を祈って中大兄皇子（のちの天智天皇）が発願、以来８０年余りをかけ天平１８年（７４６年）に多くの堂塔が完成したとか。寺の梵鐘は京都妙心寺の鐘と並ぶ日本最古のもの。必見ですよ。駐車場の後ろにかすかに見えるのが宝蔵です。安置されている五体の観音像は、まことに壮観、他を圧するほどの迫力に満ち、京都や奈良のどんな大寺にもないものです。観世音寺は、鑑真、空海ゆかりの文字どおり鎮西第一の名刹なのです。ところで、９０１年太宰府に流された菅原道真は、その「不出門」に、つぎの詩を遺しています。　都府楼はわずかに瓦の色をみる　観世音寺はただ鐘の声をきく道真と鐘については、次回にしますが、この観世音寺の落慶供養にあたったのが、あの僧玄ぼうで、７４６年６月のこととか。それから間もなく、玄ぼうは何者かに暗殺されてしまうのです。血なまぐさい感じがしないでもありませんね。

  2007年04月23日

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  旭地蔵

  旭地蔵様には、太宰府市役所を目印にして、県道を隔てた反対側の筑紫農協横一本道を山手に上がっていくと出会います。そこから、さらに上がっていくと、横岳崇福寺です。毎年、１月７日の夜９時頃から、太宰府天満宮で鬼すべ神事がとり行われますが、この神事は鬼すべ堂にこもる鬼を追い出し、福を呼び込むというもので、節分の天満宮バージョンと言えるでしょう。伝によると、鬼すべ神事は、寛和２年（９８６年）道真公の曾孫にあたる大宰大弍菅原輔正（すがわらすけまさ）が始めたとされています。さて、このお地蔵様、実は、鬼すべ神事に深い関わりがあるのです。何でも横岳崇福寺を創建したのが湛慧という人物で、そんな偉いお坊さんが、こともあろうに鬼すべの鬼にされ、悲憤慷慨して亡くなった場所がこの地蔵様のあたりだそうな。そうすると、この場所は怨念のこもる場所になる？そこで、私はこの因縁話をこんな風に受け止めました。つまり、鬼すべの鬼にされ、鬼の悲しみを知った湛慧さんが、一心になってその霊を鎮めた場所がここということ。そのお陰で、節分の際には福がやって来るというわけです。このお地蔵様、地元の人々に愛され、いつもお線香が絶えません。鬼とお地蔵様という珍しい取り合わせの例ですね。

  2007年04月13日

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  観世音寺付近

  観世音寺付近の地図です。5月の連休にでも訪ねて下さいね。

  2007年04月09日

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  弘法水

  観世音寺の裏手から四王寺山に向かう一本道に写真の案内板があります。観世音寺の別名は清水山。この湧水に因んだ名と聞いています。伝によると西暦８０５年１０月唐から帰朝した空海は太宰府観世音寺に滞在したとあります。別に空海が発見した湧水ということではないようですが、空海もこの水を口にしたことがあったかも知れませんね。ただ、この湧水、水路がないことから、行き場をなくして淀んでしまっています。全国にある弘法大師ゆかりの井戸は、それぞれ霊験あらたかで科学的に証明されているものもあると聞きます。この湧水はどうでしょうね。源氏物語の玉鬘の章や梁塵秘抄などの古典にも顔を出すこの湧水を煮沸して飲んでみたいのですが。

  2007年04月06日

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  鯰石（地図）

  こんな地図でゴメンなさい。鯰石は太宰府市梅香苑１丁目１６番、筑紫野市二日市北８丁目１２番付近にあります。チョット判りにくいかも知れませんが、探して下さいネ。

  2007年04月05日

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  鯰石

  この上の大石（岩）は何に見えますか？写真を撮った位置にもよりますが、何かに似てますよね？そうです、鯰です。ちゃんとヒゲもありますね。太宰府市とは、目と鼻の先、道一つを隔てた筑紫野市内にあるのがこれ。例によって、これも官公ゆかりのもの。伝説によると、官公がこのあたりの川を渡ろうとしたら、大鯰が邪魔をします。そこで、官公が刀でこれを成敗。憐れ、鯰の胴体は三つに飛び散ったとさ…。この話は、これでお終いと行きたい処ですが、ある眠れない夜のこと、大鯰の胴体に私は何となく手を置いたことがありました。その時、ピーンと感じたのです。「この石はただ者ではない。」昔、この石は、雨乞いに用いられていたとか？旱に際し、この大石に酒を飲ませて、雨が降るかどうか試してみたいものです。（下の写真は、胴体部分。胴体と尻尾は民家の中にあります。民家から道路にはみ出している部分のみ撮影しました。民家の方に断って、尻尾の部分は見学して下さいね）

  2007年03月30日

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  金掛天満宮

  県道五条交差点付近にコンビニがあります。その真向かいにボーダフォンのお店があります。ちょっと、見えにくいかも知れませんが、太宰府郵便局が見えますか。ぐるっと見回してくださいね。ボーダフォンのお店の裏、郵便局横にこの金掛天満宮があります。この神社の由来についてお話しましょう。室町時代、この辺りに太宰府天満宮ゆかりの商工業者六座の一つ米屋座がありました。ある年のこと、飢饉がこの地を襲い、人々は食べるものもなくなって、次々に亡くなって行かれました。　これを憂えた米屋座の当主は自らの財産を投げ打って人々を救われたそうです。この所為で米屋座は家運が傾き、現代に喩えていえば、あわや倒産かというところまで追い詰められました。そこで、当主は家運再興を願って、天神様に一生懸命お祈りを捧げました。ある夜のこと、当主の枕元に忽然と白髪の老人が現れて、「庭の梅の木に黄金の入った袋を掛けておく」とお告げされたそうです。すると、その翌朝、ちゃんと夢のとおり袋が梅の木に掛かっているではありませんか。「積善の家に余慶あり」この故実はそんなことを教えてくれています。　それから、幾星霜、私の知人にこの米屋座の当主の家系ではないか思われる方がいます。もちろん、その方の事業は盛業中です。（追伸）この白髪の老人とは官公様ではなかったかと思っています。 つまり、天満宮は商売の神様でもあったのです。※この話は、「太宰府伝説の旅」（財団法人古都太宰府を守る会発行）を参考にさせていただきました。

  2007年03月28日

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  竈門神社

  御祭神玉依姫命（たまよりひめのみこと）・応神天皇（おうじんてんのう）・神功皇后（じんぐうこうごう）霊峰・宝満山の麓に鎮座する竈門神社。縁結び（良縁）の神さまなので女性に人気があるようです。俗説によると天神様は怒りの神様なので、カップルでの参拝は疑問符がつくが、竈門神社は縁結びの神なのでこちらの方がデートスポットに良いとの話があります。太宰府の鬼門に当たるところに鎮座されているので、厄除（やくよけ）・方除（ほうよけ）の神さまともされています。この神社のふもとの駐車場からは、太宰府市街が一望でき、夜ともなれば、夜景が綺麗で絶好のデートスポットになります。本ブログの読者のみのお知らせです。以上、耳寄り情報でした。

  2007年03月25日

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  天開稲荷

  太宰府天満宮裏、お石茶屋から上がってすぐ。天満宮の鬼門を守るお稲荷さんです。神体は京都伏見大社のご分霊。天に開かれた神社と読めば、開運・福徳の神と読むこともできるでしょう。天満宮の今日の繁栄は、この神社のお力によると思っています。神社の奥の院は不思議なパワーを授かる場所ですよ。

  2007年03月23日

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  太郎尺さん

  太郎左近社が正式名。国立博物館のすぐ裏手にあります。もと天満宮神域にあったものが室町以降この地へ遷されたとか。案内によると、健康保持の守護神として、難病平癒の祈願に訪れる人が後を立たないとあります。一説には、天神様ゆかりの医師か霊能者が祀られているとも。社殿内部には、男根がいくつもあり、これは何を示すのでしょう。因みに、私の頑固な肩痛と高血圧は劇的に改善しました。この神社のお陰様と思っています。八月一日と二月一日がご縁日です。当日は、天満宮から神主さんが見えて、お祓いをして下さいますよ。

  2007年03月22日

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  玄ぼうの墓

  玄ぼうは行基とならぶ奈良時代の高僧で義淵の門下。義淵は法相宗の高僧で天智天皇により大僧正に任ぜられたとされます。「天平の甍」（井上靖著）によると、玄ぼうは玄宗皇帝に学才を愛され紫の袈裟を賜ったとのこと。行基が民衆の中に入って、最後は大僧正に任ぜられたのに対し、玄ぼうはその豊かな学才ゆえに権謀術数の政治の世界に足を踏み入れ、非業の死を遂げている点、両者の生き方は対象的とも言えるでしょう。同書には、玄ぼうは眉毛太く、がっちりした体格で、どこか倣岸、不遜な人物に描かれています。早すぎる出世のため藤原氏にうとまれ、排除されたところが菅原道真と共通していると言えないでしょうか？玄ぼうが在唐していたころ、吉備真備や阿倍仲麻呂らがいました。遣唐使は選りすぐりの秀才ぞろいだったのでしょう？筆者は、玄ぼうは太宰府に左遷されたあと、藤原氏が放った刺客に暗殺されたと見ています。皆さん如何思われますか？

  2007年03月20日

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  石穴神社

  国立博物館から徒歩１０分くらい、博物館から見渡すと小高い丘の上に筑紫女学園大学（短期大学含む）があります。石穴神社はこの大学の西側裏門の横です。ご祭神は、家内安全、家門繁栄の伏見稲荷様。境内は大石小石が積み重なる不気味な雰囲気の異次元空間といった印象です。あの巨岩の生成過程やいかに？いずれにしても、奔流となって流れる大量の水によって、まん丸ーく侵食された巨石の大群であることは確実です。川底でもない小高い山の頂上付近に、なんでこんな巨石が折り重なるように転がっているんでしょう？その昔、官公が飢えないよう、このご祭神が鎮座なさったとか。ありがたいことですね。この神社があって、今日の天満宮の繁栄があるような気がします。官公ゆかりの神社なので、みなさん詣でて下さいね。

  2007年03月15日

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  榎寺神社付近地図

  （榎寺神社付近地図です。手書きでごめんなさい。

  2007年03月13日

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  晴明の井

  平安時代中期の陰陽師「安倍晴明」につながる井戸です。ここの湧水を使うと安産間違いなしとか？ところで、「安倍晴明」は都で活躍したはずの人物で、太宰府に来たとの記録は今のところ見出せません。古老によると、雨が降った日の翌日ともなれば、ボコボコと音を立て湧水が出ていたとのこと、今ではすっかり涸れてしまって？井戸が涸れる時、天変地異が訪れるとの言い伝えがあります。何だか不気味です。（地図は、次回あたりでＵＰしますのでお楽しみに）

  2007年03月11日

• 菅原神社の怪

  大分県玖珠郡九重町に川底温泉があります。高速大分道九重インターで降りて、宝泉寺温泉を過ぎ、小国方面へ向かう途中に蛍川荘という一軒宿が見えてきます。見えてきたら、そこが目印。今回、レポートしたいのは、失礼ながらこの宿でなく、この温泉宿から１００メートルほど離れた小高い丘の上にある菅原神社です。読んで字のごとくこの神社も菅原道真ゆかりの神社ということになっています。数年前、川底温泉を訪れた私は、菅原神社という案内板に惹かれて、この神社に立ち寄りました。太宰府からこんな離れた地にどうして官公ゆかりの地がある？さらに、極めつけは浄妙尼伝説と全く同じものがこの地にあるということ。由来によると、追っ手に追われた道真がこの地で老婆の赤い腰巻に救われたとあります。榎寺神社と全く同じストーリーではありませんか？単なる偶然には思えません。それにしても、なぜ？なぜ、なぜ？道真は本当にここまで逃げて来たのか？疑問は次々に湧いてきます。そこで、この謎解きに挑戦してみました。一つは、この地から徴用された防人が伝えたというもの。一つは、平家の落人が伝えたというもの。落人伝説で有名な椎葉村には、菅原道真の末裔を名乗る家があると聞いています。赤色は平家の旗印。この話、あながち荒唐無稽なものではないとも思えますがいかがでしょう。さらに、狂気に近い妄想かも知れませんが、あの道真亡き後何処かへ立ち去った紅姫がこの地へやって来たとしたら、いかがでしょう。ひょっとすると、この地は紅姫終焉の地だったかもしれません。川底温泉に立ち寄られた方は、ぜひ、この神社へ立ち寄ってみてください。きっと、古代史探訪のロマンを感じられることでしょう。（あいにく写真がなく、また別の機会ということに）

  2007年03月07日

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  森鴎外と太宰府　２

  　さて、本論に入ります。鴎外作『小倉日記』によると、鴎外は少なくとも３回太宰府方面に来たことが判ります。日記によると、明治３２年１０月２日、３４年９月１７日、３５年３月１９日の計３回です。特に、明治３２年は都府楼に立ち寄って二日市方面に向かったとの記述があります。きっと、鴎外さんの視界に都府楼政庁まえに展開する朱雀大路のすぐ先のこんもりとした森が映じていたはずです。この森こそ榎寺神社で、紅姫、隈麻呂ゆかりの地なのです。鴎外が菅原道真の伝説をモチーフにして、後年「山椒太夫」（大正４年）を書いたとの説がありますが、太宰府に左遷された道真に鴎外が自分自身を重ね合わせたとしても何の不思議もない気がします。このあたり、実に興味深いものがありますね。つまり、ふるさと太宰府は文豪の里でもあったというわけです。安寿恋しや、ほうやれほ。厨子王恋しや、ほうやれほ。あなたも、口ずさんでみませんか？（隈麻呂の奥都城はこの奥です）

  2007年03月03日

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  森鴎外と太宰府　１

  明治の文豪森鴎外と太宰府の接点についてお話しましょう。鴎外は明治３２年６月から３５年５月まで陸軍第１２師団軍医部長として北九州市小倉に赴任します。文久２年（１８６２年）生まれの鴎外は、ちょうどこの頃三十代後半で、まさに男盛りの時期だったようです。鴎外は近衛師団軍医部長から小倉の第１２師団軍医部長に転任を命じられたわけですから、見方によっては一種の左遷ともいえるでしょう。松本清張作『或る小倉日記伝』は清張氏の出世作で芥川賞受賞作品です。この物語は小倉在任中の鴎外の足跡を追求する一青年の物語ですが、主人公「田上耕作」は清張氏そのものと見てよいでしょう。(写真は、隈麻呂の墓)

  2007年03月01日

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  紅姫と隈麻呂

  道真公の太宰府左遷が決まったとき、成人した４人の子は各地へ流されましたが、幼い紅姫と隈麻呂は許されて父と共に太宰府へやってきました。今にも屋根が崩れ落ちそうな配所の生活。雨漏りとすきま風。生活は大変厳しく、隈麻呂は太宰府に来た翌年に死亡。伝説によると、道真亡き後、紅姫は何処かへ旅立ったとのことです。隈麿呂の墓は榎寺神社から東へ徒歩５分ほどのところにあります。それはそうと、紅姫、隈麻呂と明治時代の文豪森鴎外の意外な接点について次回あたりでお知らせしましょう。（写真上紅姫、下隈麻呂）

  2007年02月27日

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  榎寺神社

  太宰府に左遷された菅原道真公は、延喜3年2月25日（903年3月31日）亡くなるまでこの地で過ごされました。この社は道真公のお世話をされた浄妙尼を祀る社です。今から40年以上前、神社の近くに住んでいた私は蝉取り、木登りなど、境内を遊び場所にしていたものでした。ここで、神社にまつわるお祭りについてふれましょう。毎年９月２３日の夜、ドンカンという太鼓と鐘の音とともに太宰府天満宮から道真公のご神霊がこの神社においでになり、翌日、天満宮にお還りになられます。つまり、道真公は浄妙尼への感謝の念を千年以上経った今でもお忘れになっていないという訳です。地の人はこのご神幸をドンカン祭りと呼んでいます。昔、１００メートルほどはあった神輿の列も今ではわずか数メートル、寂しくなりました。祭りともなれば、夜店がこの神社の境内に所狭しと並び、子どもたちは目を輝かせていたものでした。ところで、境内にある浄妙尼の社の横に何の銘もない小さな社があります。これは、道真公の娘紅姫を祀った社とされています。道真公には紅姫、隈麻呂という二人の子がありました。この話は次回ということに。

  2007年02月24日

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  浄妙尼

  西鉄二日市駅から線路沿いを福岡方面へ徒歩で１０分ほど戻ったところに榎寺神社があります。その昔、藤原時平が放った刺客に追い詰められた道真公は一軒のあばら家に逃げ込みました。いきなり飛び込んできた初老の男。「何事じゃ」ただならぬ気配に、老婆はただ目を丸くするばかり。次の瞬間、老婆はその男を自分の赤い腰巻に隠しました。そこへ押し入ってきた必死の形相の武士の群れ。「男はどこだ」口々に叫びながら、家の中を探し回っています。老婆は一瞬にして状況を察したのでした。老婆が何事もなかったかのように振る舞っていると、男たちは諦めて出て行きました。まさか、官公ほどの貴人が老婆の腰巻に隠れていようとは…。こうして、道真公はこの老婆（浄妙尼）に命を助けられたのでした。官公の霊は毎年９月２３日、この榎寺神社に感謝の意をささげるため、還って来るのです。「老婆よありがとう」太宰府天満宮にお参りの際には、この神社に是非立ち寄りたいものです。きっと、官公の霊はあなたの希望を叶えてくださることでしょう。

  2007年02月23日

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