カテゴリ:本(いろいろ)
ここのところ、仕事中はず~っと全力疾走のような状態。
職場に着いて、コーヒーをカップに注いだまま、一口目を飲んだのは 3時間後、みたいな感じ。ふ~。 でも幸か不幸か残業はない(できない)職場なので、 帰ってぼ~っと読書。 久しぶりに海外の作家さん。ウクライナの方だそうです。 寺田順三氏のイラストがとってもキュートな装丁ですが、 話は全然違います。 孤独なヴィクトルは、憂鬱症のペンギンと暮らす売れない小説家。 生活のために新聞の死亡記事を書く仕事を始めたが、そのうちまだ生きている大物政治家や財界人や軍人たちの「追悼記事」をあらかじめ書いておく仕事を頼まれ、やがてその大物たちが次々に死んでいく。 ヴィクトル本人の身辺にも不可解な出来事が起こるが、 新たな住人ソーニャとニーナを加えた3人と1匹の生活を続けるヴィクトル。 淡々とした日常と、すぐそばにある不安。 その生活が最後に迎える結末は…。 欧米各国でも翻訳され人気を得た作品だそうです。 あとがきで、翻訳者が村上春樹氏の作品を出されていて あ~なるほどな、という感じでした。 最近ストーリー性の高い作品を読むことが多かったので こういう一種不条理ものがなんだか新鮮だった。 「ペンギンの憂鬱」というタイトル通り、もちろんペンギンが登場します。 しかも、動物園から譲り受けたという本物(?)のペンギン。 名前はミーシャ。 で、大事な役回りは演じるんだけど、作品の中では普通にペンギンとして 飼われていています。 そこがまた不思議な感じで面白い。 ペンギンて独特な有り様があるなぁ、と。 元々集団で暮らしている生き物なので、生活の中に普通に溶け込んでいて、 甘えてきたりもする。 でも、犬や猫ほど自分のキャラをアピールする訳でもなくて 一人憂鬱症になっていたりする。 そういうペンギンの存在がこの作品の中で果たしている役割は大きい。 それとこの小説は街や生活に、土地の雰囲気をすごく感じる作品。 舞台はソ連崩壊後の新生国家ウクライナの首都キエフ。 行ったことはないし、これからも行くことはないかもな、という土地だけど ポテトとコニャックが日常にあるとこなんだな、というのは覚えました。 (作品中、ず~っと出てくるので) さしずめ日本だと、豆腐と焼酎、枝豆とビールみたいな感じなんかな。 食べ物の表現て、日常を感じさせる大事なポイントだよね~。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2006.03.19 02:32:14
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