カテゴリ:本(いろいろ)
図書館で予約していたのも忘れてしまうぐらい待たされて
ようやく読んだのがこの本。 今、奥田さんて人気ですもんね~。 突拍子もないキャラのお父さんが出てくるということと 沖縄が舞台という前知識だけで読み始めたのですが、 いやぁ、面白かった。 小学校6年生の男の子二郎が主人公。 父は自称フリーライターだが、いつも家でゴロゴロしていて、 何かと言うと、国はいらない、学校にも行く必要はない、なんて言っている。 実は父親は元過激派で、しかも伝説的な存在になる程有名人だったことや、母にも色々な過去があったらしいことが 徐々に二郎にもわかってくるのだけど、 そういう大人の事情を少年なりに少しずつ理解したり、 受け止めたり、拒否したりする感じがすごく上手く描かれてるなぁって感じ。 で、ある事件がきっかけで、一家は沖縄の西表島に引っ越すことになるんだけど、この島では父がさらにパワーアップ。 本当に自分の夢に向かって進み始めることになってしまいます。 私のちょっと年上のお友達には、ちょうどこの父親一郎と同世代かちょい下ぐらいの学生運動真っ盛りの頃に青春時代を過ごした人が多いので 議論のふっかけ方や考え方もなじみがあって あぁ、そうそうこんな事言うなぁ、なんて思いながら読みました。 そうは言っても出会った頃には、普通の会話の中で 「うちは公安に盗聴されてるから」なんて言われてびっくりしたっけ。 なんだか島って幻想を抱かせる存在でもあるようで (私的には両親が島出身で、色々知っているのであまり思わないけど) この父親一郎みたいに生きてみたいと思う人も多いんだろうなぁと 思う一方で、こういう人ってどこまで島で暮らせるのかな?と 思ったりもしたけど、 その反面、一郎みたいな人を抱くことができない国っていうのも 寂しいな、と思ったりしました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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