クリスマスのミサ
上の写真は、ウィーンのシンボル、シュテファン寺院はウィーン大司教区の司教座聖堂だ。そもそも12世紀に建てられた小さな教会が始まりで、14世紀、ハプスブルク家のルドルフ4世によってオーストリア最大規模のゴシック様式の大聖堂へと建て替えられた。クリスマスの夜には荘厳なクリスマス・ミサが執り行われる。敬虔な儀式だけが持つ張り詰めた空気は、参列した人間にしかわからないだろう。敬虔なクリスチャンであったはずの私だが、就職してからは一度もクリスマスのミサには参列していない。仕事が百貨店だったので、年末のお歳暮商戦がピークのこの時期は、午前0時といえば、まだ仕事をしているか、息せき切って終電に飛び乗っているか。休みなどない季節だったから、クリスマスなんて、せいぜいケーキだけだったと思う。こんな私も中学生、高校生の時代は、ミサを司る司祭の侍者として、赤いローブと白いスモックに身を包み、司祭のラテン語の祈りに応答する役割を担っていた。これはクリスマスだけでなく、毎朝行われ、日曜日やキリスト教の祝祭日(復活祭など)ともなれば、多くのギャラリー(いや、参列者だ)の前で行うことになる。中学生時代、ボーイソプラノだった私は、神父たちから侍者として重宝された。また聖歌隊の一員としても重宝された。オルガン奏者の奏でるハモンドオルガンにあわせ歌ったラテンゴの讃美歌、特にクリスマスキャロルは、もうクリスチャンでなくなった今でも、一字一句たがわずに歌うことができるのだが、どうやら日本の教会は現在すべて日本語でミサをしているようだ。