ここ数年新書をよく読む

内容はともかく
本の大きさといい
字の並びといい文庫本より読みやすい

で

多分にもれず買ってしまった


内容を前書きを使って要約すると
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日本は世界に誇るべき我が国古来の「情緒と形」を忘れ
欧米の「論理と合理」に身を売ってしまった

「情緒」とは懐かしさとかもののあわれといった
教育によって培われるもので
「形」とは武士道精神からくる行動基準

欧米支配下の野卑な世界にあって
「孤高の日本」でなければならない
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論理と合理に疑問を呈しながら
実に論理的に日本のあるべき姿を書いており（笑）
最終章などはうるうるしながら読んでしまった

言っていることはもっともであるし
その場では感動したが
全員がこういう考え方を肯定すると
これまたこわい

民主党がこの本を題材に小泉政権を批判したそうだが
（つまり小泉改革は欧米的な倫理と合理ということ？）
なんちゅう稚拙さ

普段
　　「デザインにしろ音楽にしろ芸術面において
　　　日本のそれは欧米に10～20年遅れておりダメだ」
　　「仕事は合理がすべてで仕事のできない
　　　汚い臭い醜いオヤジどもはくたばれ」
と思っている私にとっては
「情緒と形」を主張している本書の内容を消化するには
若干時間がかかるかも

しかし

「私が憧れているのは欧であって米ではない」
ということであれば
イギリスを見習えと主張している本書と一致するし

「ろくに働きもしないで年功序列のもとで
高給をもらっているオヤジどもは卑怯だ」
と解釈すれば
理屈ではなく卑怯なものは卑怯だという
形を教えるべきと主張する本書と一致する

ちょっと本書も私の考えも極端か

ただ何かの論評にも書いてあったが
著者は日本とアメリカとイギリスに住んだことが
本書の説得力を大きくしている
三点観測によるバランスと著者自身も言っている

考え方のバランスと自分の立ち位置…

うーん

いろいろな考えが止まらない

いずれ
日中韓の問題やら
教育の問題やら
構造改革がどうのうこうのやら
「日本はこれからどうなるんだろう」
と誰もが不安に思っているこのタイミングでこの内容は
バカ売れするだろうな

内容におおいに賛同というわけではないが
大変興味深かったので同じ作者（藤原正彦）の
別の本（新書ではないが）も買った


しかし この二冊は買ってまで読むことはない

なぜならば同じことばかり書いてあるからである

文学書とは違って同じ作者が同じことを訴えるのは仕方ないか