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FUNKTOWN J.T.

学生ツアー PART1

■ 学生ツアー PART1 ■

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1980年代に学生の学生による学生のための旅行会社が存在した。
その名も「学生ツアー」
各種ツアーを企画・集客・実施するには今ほど規制が厳しくなく、大半が無認可であった。
旅行取扱主任者等は不在で、サークルの延長みたいな感じで、でも一応企業体で収益を追求していた。
当時の代表的な学生ツアーは、なんといっても「ナッツベリー」
あとは日総グループで「ラブキャット」「メリールー」「オレンジペコ」「YGカウンティー」「JAM」
他にも「ホワイトベア」「POP」「バム」「TIC TAC」「ファニーピープル」「リトルスタッフ」等があった。
その後、ナッツベリー+メリールー+オレンジペコが合体して「バケーションシステム」という日本最大の学生ツアーが誕生し、ソノシート入りの豪華なパンフレットを作って話題になった。
その後「VACATION SYSTEM」の利益至上主義に嫌気が差したスタッフが分裂して「LEO」が誕生した。
この「LEO」は当時青年実業家として有名だったMASAYA氏が率いる「NSO JAPAN」の旅行部門として拠点を渋谷リカビルに構え、バブル絶頂期には六本木にディスコを2軒(飯倉 クレオパラッツィーファラオ・千葉ビル マリオパラッツィー)渋谷のリカビルにカフェバーを1軒(カーメルビレッジ)与論島にプリシアリゾートを作った。
他にもアパレルブランド(スクーデリアロッソ)やワープロスクールなど、非常に派手な活動を行った。

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ところで学生ツアーはスタッフ(添乗員)とメイト(客)によって構成されていた。
スタッフにも階級があって、上から駐在スタッフ>ヘッドスタッフ>平スタッフであった。
駐在はある程度金銭的にも恩恵が受けられたが、ヘッド以下はタダ働き。
まず登下校時間に合わせて「ツアーのチラシ配布=ビラ巻き」を駅前や女子高・女子大の前で行う。
「ビラ巻き」の回数が多ければ多いほどツアーの添乗回数も増えるが、ビラ巻きも添乗も一切ノーギャラ。
でも、ツアーにはたくさんの女子高生・女子大生・OLが来る。
なんとメイトの90%は女子!
それがおいしいので、スタッフは懸命にビラ巻きをした。
ツアーに添乗すれば、否が応でもメイトにチヤホヤされる。
そりゃそうだよな。
オンナ20人に対してスタッフ1人の割合で添乗するからね。
そのへんの学生の下心をくすぐって、人件費ゼロのツアーが成立した。
しかしスタッフの掟は意外と厳しく、現地でメイトに手を出したら強制送還だったし、他の学生ツアーのメイトに手なんか出したら追放モノだった。
だから、スタッフがおいしい思いをするのは、実は東京に帰ってからだった。

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ところで学生ツアーは、なんといっても「格安」がウリであった。
その安さの秘訣は、上記のとおり「人件費がゼロ」なこと。
必要経費といえば大型バスの手配料とホテルの仕入程度だ。
補助席も使って定員目一杯の55人を詰め込み、ホテルも8人~10人の相部屋。
それを3泊19,800円で売っていたので、運営側(これも学生)はシーズン中に限り非常に羽振りが良かった。
どうしても集客が芳しくない場合は、格安だが違法な白バスを使ったこともあった。
1回白バスが雪の塊に突っ込んで冷汗もんだった。
バスの運ちゃん、なにごともなかったようにバックして逃げたけど・・・・

そんな危うい学生ツアーであったが、ツアーそのものはすごく盛り上がっていた。
一番学生ツアーらしかったのは夜のディスコパーティーの合間に行われた「芸能大会」であった。
これは一種の隠し芸を駐在スタッフと添乗スタッフが行って、これがメイトに非常に受けた。
芸能大会には定番の芸がいくつか存在した。
その代表的なものが「軍艦マーチ」「金兵衛」「100mハードル」「日本古来の拳法」「私はUFOを見た」「8時55分のニュース」「ナボナ」「エイトフォー」「月光仮面」「手品」「青春シリーズ」「フォーリーブス」・・・・
全てそれなりのオチがあって、やってる方も楽しかった。
エンディングは当山ひとみ「So Many Time」がBGM。
スタッフ全員が前に並び、多少臭いトークながらも各自がツアーの想い出を語り、メイトの涙を誘った。
感動して泣いたメイトの数はツアーの盛り上がり具合に比例したので、この瞬間こそスタッフ冥利に尽きた。
「今日○○ちゃんも泣いてたぜ」「エッ?あの気の強そうな子が?やったね!」って感じでね。
そしてパーティー終了後も部屋回りと称して一部屋一部屋くまなく回って、小話・手品・タコハチ・山の手線ゲーム等をして、ツアーの一体感を高めるために体を張って盛上げた。

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