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FUNKTOWN  J.T.

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メンフィス part3

■ メンフィス その3 ■

さて今回はメンフィス郊外の中でも、最も土着したエリアをご紹介します。
それはアーカンソー州ウエストメンフィス。
ミシシッピ川を渡った対岸で、テネシー州メンフィスからは車で20分ぐらいの田舎町です。
私はモーテルがその町だったので、たまたま知ったのですが、なかなかソウルフルテイストがあふれるGOODな町です。

まず、モーテルを出て給油のかたわら立ち寄ったガソリンスタンド併設のチキン屋がめちゃうま。
ガソリンスタンドとはいえ、その周辺にコンビニやテイクアウトの店がないので、ブラザーシスターが列を作って買ってました。
で、そこのクリスピーチキンがこれまた美味い!
外側カリカリ内側ジュワーって感じでほどよいスパイスが効いていて、日本ではまずお目にかかれない味です。
ケンタッキーは食べてて手がベチョベチョになりますよね。
でも、このへんのチキンは全く手が汚れない。
それだけ外側の皮が、カリっと焼けてるってことです。

で、全て低層のダウンタウンをブラブラしてると「BARTS FOR MEN」という服屋を発見。
一歩店に入ると、これがまた圧巻!
バーっと壁一面に洋服が吊るしてディスプレイしてある。
床面もジャングル状態でズラーっとハンガーに吊るしてあり、その全てがヒップホップブランド。
PELLE PELLE , ENYCE , SEAN JOHN・・・
今は日本でもメジャーになったけど、当時は売出中ブランドだったPOLO JEANS CO.なんかも無造作に吊るしてあって、しかも白人街のそれとはちょっと様相が違う。
つまり、全て黒人のために、黒人の目で選ばれたアイテムなのである。
もちろん店員は全て黒人。
私が行った時は、はじめてアジア人を見たらしく、例によって質問責めであった。
本当に気さく!
服屋なのに1時間ぐらい話し込んでしまった。

MEM25

で、その隣の店がももっとすごい。
いきなり「MALCOM X」の写真がデカデカと貼ってあって圧倒されたが、そこは牧師専門店。
店内にはバイブルやら教会で配るであろうポストカードや公民権運動に関する書籍がズラーっと並んでいる。
と思えば、牧師用の礼拝服も売っていたり、ゴスペルのカセットテープやビデオ等も山積みされている。
日本ではゴスペルがブームだが、そういう人がいったらよだれが出そうな店だ。
で、そこのオーナーがまた渋い。
アジア人がこんな店に立ち寄る自体が不思議らしく、「なんのためだ?」「なんかのプロモーションか?」「取材か?」などといろいろ聞かれ、「単なる旅行者でソウルミュージックがめちゃくちゃ好きなんだ」と言ったら、いきなり警戒心が取れたらしく、それ以降2時間ほど話込んでしまった。
黒人の歴史、世界の差別の実態といったシリアスな話題から、しまいには「アルグリーンは、実はGAYだ」という話題まで。
こういう地元のブラザーとのふれあいこそが、ソウルフルトリップの醍醐味である。

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さて、そうこうしているうちに、腹が減った。
このウエストメンフィスは非常にこじんまりとした町なので、だいたい徒歩で移動できる。
で、近くのソウルフード屋に入った。
すでに年配のブラザー達が4-5名店内で食事をしており、入るなり好奇な目で見られた。
で、疑われないように主旨を話す。
手っ取り早いのが、このコーナーの冒頭でもご紹介した「ソウルフルトリップ・アメリカ南部の旅 by 江守氏」を、彼らに見せることです。
本の中に、数々のサザンソウルの名アルバムとか、キング牧師の写真とか、ネタになりそうな写真がいっぱい掲載されてるので、それをまず見せる。
すると彼らは「これはなんて書いてあるんだ?」と質問してくるので、それを英語で説明すると、次から次へと質問責めにあい、気が付けば意気投合してるってわけです。
この店でも、「俺はベトナム戦争の頃に、横須賀と座間に住んでいた。その時、日本人がとても親切にしてくれた。だから俺は日本が好きだ」と、おもむろに好意を寄せてくれた老人がいて、非常にホットな気持ちになれた。
肝心な食事。これがまた最高!
定番のミートローフにターニップグリーンとヤムヤムの付け合せ&コーンブレッド食べ放題&スィートティー飲み放題のプレートで6ドル也。

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そして最後が、怪しげなフリーマーケット!
土着した黒人街には必ず点在する代物だが、ここのフリマもすごかった。
70年代に生産したような中古白黒テレビや冷蔵庫、なべや食器のたぐい、明らかにニセモノのブランド服やスニーカー・・・・
あげくの果てにはカセットテープも売ってる。しかも、レーベルが手書き。
誰かが作ったやつをそのまま売っている。
どんな曲が入ってるんだろう?ってチェックすると、さすがに黒人街だけあって、ソウルやゴスペルが主体。
しかも70年代から80年代にかけての楽曲を集めた、オリジナルカセットテープが多かった。
さすがに音源が怪しいから、買わなかったけど。
冷やかすだけだったら面白いですよ、こういう所は。

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まぁ、このフリマのスペース自体がのんびりしていて、黒人ファミリーが、コテコテのポンコツアメ車を洗車したりしている。
フリマの売り手も、やる気があるのかないのかわからない雰囲気で、カセットで昔のソウルミュージックを聞きながら、ガヤガヤ話している。
時折「ウワッハッハッハ」と聞こえてくる大笑いの響きが、なんともファンキー。
まさにソウルフルトリップの「へそ部分」を体で感じることができるスポットです。
他にも怪しげなコンビニらしきなんでも屋(日常品もあるし、服も売ってるし、食料品もあればカセットテープも売っているという究極の雑貨屋)や黒人向けスーツ専門店(渋いカラーのビジネスシャツが7ドル。スーツが20ドルぐらい)など、どの店に入ってもカルチャーショックを受けること間違いなし。
本当に渋れますよ、この町は。

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