妻の死(2013-7月)
妻の癌を止める事は出来なかった。咳が止まらずに変だと思って病院に行って癌が見つかりその時点で既に末期、「治療を行っても治ることは先ず無いと考えて下さい。今後、一時的に回復する時期があるのでその時は好きな事をさせてあげて下さい」脳への放射線治療、ステロイド系点滴、血糖値が急激に上がって大腸の手術はリスクが大きすぎる為、腫瘍部にステントを入れる。若干排便が楽になると言う。肝臓、肺についても手術はリスクが大きい、とにかく化学療法で治療を行うしか方法がなさそう。「良くなってきたら手術も考えましょう」と言うが気休めにはならなかった。小脳へ転移した癌は落ち着いてはいたが、歩行困難になった。また聴覚、言語、記憶にも症状は残こり嗅覚だけが良くなった。私も鼻だけは良かったが妻の嗅覚は異常に良くなり、私達が分からない匂いに敏感に反応、吐き気が頻繁に起こった。約3ヶ月が経過、抗癌剤の影響か、脳の癌が影響しているのか食事の量はだんだんと少なくなくなった。その後4ヶ月目に入った頃にはは口からは何も取れない状態が続き体重は落ち、体力も無くなった。入院、退院、入院の繰り返しが続いた。互いに「死ぬときは病院は嫌、自宅で死にたい」と話していたことから担当医と相談、在宅治療の計画を立て準備を進める。私もその為の研修を受けることになる。計画通り退院、本人もやっと家に帰れると言う顔をした。退院した翌日急変。発熱から呼吸の乱れ、翌早朝呼吸が止まる。