丘菜摘のその日暮らし

2006/07/10(月)00:02

ハウスコンサート

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職場の大先輩が主宰するハウスコンサートを聴きに、東京の郊外へ出掛けた。 300年の歴史を有する古民家を移築した自宅を会場として、プロの演奏家によるクラッシックの演奏をみんなで聴こうという趣向である。 聴衆は80人くらい、その聴衆が負担するささやかな会費は、すべてギャランティーとして演奏家に渡してしまうというから、その運営は全くのボランティアによるが、その歴史は24年も続いていて、一切宣伝をしていないのに昨今は月に1回程度のコンサートはキャンセル待ちの会員が多数出るほどの盛況で、今回ようやくその席に加えてもらった。 柱や梁の重厚さ、漆喰の壁、生活感もこぼれる棚には古民具なども多く見えるが、一方、板張りの床にはグランドピアノ、会場の客席正面の窓にはステンドグラスという不思議な空間で、今回はピアノ伴奏によるメゾ・ソプラノ歌手の歌を聴いた。 約2時間のコンサートの前半はバラエティーに富んだ歌曲、後半は情念を感じさせる迫力あるオペラアリア、アンコールは情感豊かな日本歌曲というプログラムも楽しく、間近で生の歌声を聴ける機会も貴重であった。 そして、コンサートの後は、皆で椅子を片付けたりしながらも、コーヒーのサービスを受ける。このコーヒーも自宅の井戸水を使って淹れたといい、きちんとカップ&ソーサーで供される心のこもったもので、香りが高く美味しかった。 雨にも降られずに済んだ梅雨時の日曜日、思えばずいぶん贅沢なひとときを過ごしたようだ。

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